【エール】セリフ書き出し20週96話|朝一新聞社・大倉から高校野球大会歌の依頼

朝ドラ【エール】20週96話、戦争から3年、一度は貿易会社に就職した智彦だったが、ラーメン屋に戻って再修業。やがて店主の天野は代々木に店を出し、屋台は智彦が引き継ぐことに。

浮浪児ケンは智彦の家に住み込みでラーメン屋を手伝うことになり、智彦・吟夫婦の養子になるんじゃないかと予想です。

そして裕一を大阪から訪ねてきた朝一新聞社の大倉。朝一(あさいち)と言えば朝市(あさいち)で、裕一こと窪田正孝さんが出演していた「花子とアン 」はもう6年前の朝ドラなんですね。

【エール】20週96話セリフ書き出し

●貿易会社

智彦が貿易会社で働き始めて1か月がたっていました。

(ノックとドアが開く音)

智彦:はい。

松川:どうだ? 慣れたか?

智彦:おう…。いや…手放せないよ。苦戦してる。

松川:慣れ 慣れ。それよりお前 評判いいぞ。

智彦:そうか よかった…。

松川:候補は何人かいたんだがな お前に決めてよかった。

智彦:どうして俺だったんだ?

松川:同期がラーメン屋なんて恥ずかしいからな。笑い者にされてるの 見てられないだろう。感謝してくれよ 友に。

智彦:フッ…。

●闇市・天野軒

天野:はい 大盛り お待ち。

客:ごちそうさまでした~。

天野:まいど~。

客:ごちそうさまでした。

天野:まいど。いらっしゃい。

客:中華そば。

天野:はい。すぐ片づけますんで。

殿彦:おい 久しぶり! チョコレート持ってきたぞ~。んっ。すねてんのか? どうした?

●病室

医師:2~3日 休めば大丈夫でしょう。

智彦:はあ…ありがとうございます。

(戸の開閉音)

吟:言われたもの 買ってきました。

智彦:ああ…。

吟:この子は?

智彦:俺の…友達だ。

ケン:んん…。あんた… 誰?

●古山智彦の家・居間

吟:はい。

ケン:あっ…うめえな おばさんの飯。

(足音)

吟:ほっとけないから…強引に連れてきちゃった。

智彦:ああ…寝た?

吟:うん。「布団ってあったけえな~」って言ったら…すぐ。

智彦:ハハッ…そうか。お前も飲むか。

吟:あら…珍しい。

智彦:お前…そんなにいける口だったのか。

吟:フフッ。どうしたの?

智彦:いや…いい。

吟:お願いします。今日はちゃんと話して下さい。

智彦:会社に誘ってくれた松川が言ったんだ。同期がラーメン屋なんて恥ずかしいって。言われた時 ものすごく怒りが湧いた。フッ…前は俺も見下してたのに。

吟:ラーメン屋に…戻りたいの?

智彦:分からないんだ…なぜこんな気持ちになるのか。

吟:昔ね…裕一さんが迷ってる時 軍人は人のためだから命を懸けて戦えるってあなた言ったの。あなたの誇りは軍人である誇りじゃない。人のために命を燃やせるのがあなたの誇り。そう信じて私はあなたについてきました。貿易会社でもラーメン屋でもどちらでもいい。その生き方ができる選択をしてほしい。

智彦:吟…。ありがとう。

●貿易会社

智彦:すまん! 許してくれ。

松川:どうしてだ?不満があるなら言ってくれ。

智彦:あそこのラーメン屋は…うまいんだ。

●闇市・天野軒

智彦:申し訳ございませんでした!もう一度 雇って下さい!俺には…これしかないんです!

天野:おい。その大層な服 脱げ。

智彦:はい。

天野:いらっしゃい。

智彦:いらっしゃいませ!ご注文 何しましょう?

天野:もっときつく縛れ。

智彦:はい。

天野:そうそう。

天野:手首な。

智彦:はい。

天野:うん。

天野:俺がいなくなっても油断しんじゃねえぞ。

その後 天野は代々木に店を構え 屋台は智彦が引き継ぐことになりました。

天野:後は頼んだぞ。

智彦:はい! 繁盛させてみせます!

客:注文いい?

智彦:はい! いらっしゃいませ!

智彦:はあ…。お前…ラーメン屋手伝え。うちに住み込みで。

ケン:住み込み? 俺は一人が好きなんだ。

智彦:吟も望んでる。頼む。

ケン:まあ…飯がうまいから いいぜ。

智彦:ハハッ…そうか! よ~し! 行くぞ!

音:んっ…。

裕一:うまっ… うまい!

智彦:ありがとうございます!

華:この焼き豚 最高!

智彦:それは こいつが作りました。

華:えっ…すごい!

裕一:すごいね!

華:うん。あっ ネギあげる。

裕一:ネ…ネギ?

音:ちゃんと食べなさい。

裕一:食べなさい。

智彦:ネギ まだたくさんあるよ。

裕一:僕 のりが好きなんで のり もらってもいいですか?

智彦:のり?

●NHK放送会館・放送室

池田:ああ…結構やられてんな。

裕一:えっ? けんかですか?

池田:ああ。博打で大負けしたっつったら すごい剣幕で怒り出して もうあんたの面倒なんか見てらんないわっつって出ていっちゃった。女ってのはいちいちうるさくてかなわねえな。

裕一:はあ…。…ってか 出ていっちゃった人 ほっといていいんですか?

池田:あ~もう 人の縁なんてなるようにしかなんないからな。本当に縁があるんだったら じたばたしなくたってまたつながる。そんなもんだろ?

裕一:はあ…。僕も最近 縁についてよく考えるんですよ。

池田:うん。

裕一:今の僕があるのは周りにいる人たちのおかげなんだって。池田さんとのご縁も本当にあの…感謝しています。

池田:何だよ 気持ち悪いな。

裕一:フフフ…。

●古山家・玄関先

音:あの…。

大倉:あっ こちらは古山裕一先生のお宅ですか?

音:はい。

大倉:あっ…私 朝一新聞社の…。

(戸が開く音)

大倉:あっ 古山先生! ビルマでご一緒した大倉です。

裕一:あっ!

●古山家・書斎

裕一:大倉さん お元気でしたか?

大倉:おかげさまで。今は大阪本社の学芸部にいます。

裕一:えっ? あっ じゃあ 今日 大阪から?

大倉:はい!是非とも先生にお願いしたいことがございまして。

裕一:はあ…ふ~ん…。

大倉:私どもが主催している全国中等学校野球大会が 今年から全国高等学校野球選手権大会と名称が変わるのを受けまして 新しい大会の歌を作ろうという話になりまして それを是非 古山先生にお願いしたいんです!戦争が終わって改めて先生の曲を聴きました。ラジオから流れてくる「とんばり帽子」「長崎の鐘」心を打たれました!スポーツを謳歌できる自由な時代がようやく到来した今 未来ある若者たちを応援する曲を書けるのは古山先生しかいないと確信したんです!

音:へえ~。ビルマで一緒だった方とお仕事するなんて ご縁がどこでつながるか分からないものね。

裕一:フフフ うれしかったな~。

●ベルトーマス羽生の家

羽生:ええ~っ!

(ふき出す音)

羽生:「長崎の鐘」!? あれ 本当に大好きなのよ 私。ご主人が作ったの?

音:…はい。

羽生:すばらしいわ~。あなたも負けていられないわね! あっ! ちょっと待って。「ラ・ボエーム」のオーディション受けてみる気ある?

●古山家・居間

裕一:ふ~ん「ラ・ボエーム」か~。

音:どう思う?

裕一:いいんじゃない。受けてみれば?

音:できるかしら? 休んでた期間も長かったし。

裕一:あれ? 音はやりたくないの?

音:やりたい。

裕一:だったら…。

音:そうね。

裕一:うん。

音:やってみます。

裕一:フフフ…よかった。

音:あっ 華 これからしばらくレッスン長引いても大丈夫?

華:いいよ別に。大丈夫。

音:ありがとう。よろしくね。

華:うん。

戦争から3年。裕一の周りの人々はそれぞれの道を見つけ前に進み始めていました。

●闇市・賭場

久志:よっしゃ~!

この男を除いては。

久志:どうするんだよ これ! アハハハ!

(つづく)

●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。