朝ドラ【エール】19週95話、永田医師からの言葉「落ちろ…落ちろ…どん底まで落ちろ」の意味が分からず、3日間如己堂に籠もりっ放しの裕一。
ユリカが原爆投下直後に永田が人々を治療した場所に裕一を案内すると、そこには「どん底に大地あり」の言葉が…。
「神の存在を問うた若者のように「なぜ?」「どうして?」と自分の身を振り返っとるうちは希望は持てません。どん底まで落ちて大地を踏み締め共に頑張れる仲間がいて初めて真の希望は生まれるとです。その希望こそ…この国の未来をつくると私は信じています」
永田の言葉に感謝して生まれた曲が「長崎の鐘」。
作詞:サトウハチロー
作曲:古関裕而
歌唱:藤山一郎
「戦争が終わった今、あなたにできることは何ですか?」
「変わりません。 応援する歌を作り続ける…」#朝ドラエール#窪田正孝#吉岡秀隆#中村ゆり pic.twitter.com/Ye1KKOeFW8— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) October 22, 2020
【エール】19週95話セリフ書き出し
●長崎・如己堂
ユリカ:兄さん 激しかこと言ったんでしょう。古山さん 3日間 ず~っと籠もりっ放しです。
永田:自分を見つめても見つからんのだがな…。あそこに。
ユリカ:分かりました。お連れしますけん。
●長崎・永田の診療所跡地
裕一:ここは?
ユリカ:原爆投下直後 兄が治療をした場所です。
(回想)
永田:抜きます…抜きますよ!抜きますよ!
患者:ああ~! ハァハァ…。
永田:消毒とガーゼ もっと持ってきてくれ!
ユリカ:はい!
住人:どこに寝かせればよかですか!?
永田:そこ…そこへ! 押さえとってくれ! 大丈夫ですからん! 我慢しとってよ。
患者:あ~いてえ! ああ~!
永田:我慢しとってよ…。
患者:ああ~!
(回想閉じ)
ユリカ:母が亡くなった悲しみなど みじんも見せんで…。あの時の兄の気迫はすさまじかったです。その壁の裏をご覧下さい。
(「どん底に大地あり」)
回想・永田:私は…こう答えました。落ちろ…落ちろ…どん底まで落ちろ。
●闇市・天野軒
ケン:かてえよ。煮過ぎだ。
智彦:フフッ…最初だから許せよ。
ケン:まあ…味はいい。もう少しでラーメン 作らせてもらえるかもしれねえぞ。どうした?
智彦:俺…ラーメン屋 辞める。フフッ…たまには顔出しから。
●古山智彦の家・玄関
吟:お帰りなさい。
智彦:ただいま。
吟:あなた 話が…。
智彦:就職が決まった。同期の松川の家が大きな貿易会社なんだ。新しい部署を作るからお前に任せたいって。誘ってくれた。
吟:えっ?
智彦:心配かけたな。
●長崎・浦上天主堂
(鐘の音)
ユリカ:ふわっと…。何色?
子ども:赤!
ユリカ:はい 赤。
裕一:鐘の音に釣られて来てしまいました。
ユリカ:あっ…もう面倒な兄ですみません。
裕一:いえいえ…。
ユリカ:さっさと答え 教えてくれればよかとに。
裕一:あの…鐘は2つあったんですよね?
ユリカ:はい。小さい鐘は粉々でしたけん がれきの中から大きな鐘が…しかも無傷で見つかった時は信じられませんでした。
回想・永田:いくぞ~!せ~の 引っ張れ~!
ユリカ:家も愛する人も何もかも失った人たちが 何かにすがるように必死に鐘を掘り起こしました。
回想・永田:引っ張れ~!
ユリカ:そして…その年のクリスマスに初めて鐘を鳴らしました。
(鐘の音)
ユリカ:焦土と化した長崎の町に 鐘の音が再び響き渡ったとです。
(鐘の音)
ユリカ:あの時の感動は…一生忘れません。鐘の音が…私たちに生きる勇気を与えてくれました。
子ども:はいよ。頑張れ 頑張れ。
子ども:こっち…赤も…。
子ども:ピンク。
子ども:青 ある?
子ども:はい ピンク ピンク。
子ども:あっ ピンク ピンク。
子ども:きれい…。
子ども:少々お待ち 少々お待ち…はいはい。
子ども:うわ~きれい。花びら きれい。
裕一:そっか…。そっか…。ようやく気付きました。ありがとうございます。
ユリカ:早く兄のところへ。長崎の人たちは先生の曲を待っとります。
裕一:はい!
●長崎・如己堂
裕一:希望ですか?
永田:神の存在を問うた若者のように「なぜ?」「どうして?」と自分の身を振り返っとるうちは希望は持てません。どん底まで落ちて大地を踏み締め共に頑張れる仲間がいて初めて真の希望は生まれるとです。その希望こそ…この国の未来をつくると私は信じています。
裕一:僕も…僕もその若者のように自分のことになっていました。
永田:あなたは戦争中…人々を応援しとった。戦争が終わった今 あなたにできることは…何ですか?
裕一:変わりません。応援する歌を作り続けます。
永田:希望を持って頑張る人にエールを送ってくれんですか。
裕一:はい! 永田さん…本当にありがとうございました!
●汽車の中
(汽笛)
裕一は一気に曲を書き上げました。
●古山家・書斎
裕一:捕虜の経験もあるあなたに この歌を歌ってほしいです。
山藤は歌手で唯一 南方の最前線まで慰問した男でした。
●NHK放送会館・録音室
山藤:♪「こよなく晴れた青空を」
「悲しと思うせつなやよ」
「うなりの波の人の世に」
「はかなく生きる野の花よ」
「なぐさめはげまし長崎の」
「ああ 長崎の鐘が鳴る」
「長崎の鐘」は人々の心を打ち 裕一の代表作となりました。
●長崎・如己堂
(レコード♪「ああ 長崎の鐘が鳴る」
●古山家・書斎
永田の手紙「新しき朝の光のさしそむる 荒野にひびけ長崎の鐘」
音:裕一さんの思い 伝わりましたね。
裕一:本当に…長い間 心配かけたね。
音:智彦さんも就職決まったし 豊橋も復興のめどが立ったし…。
裕一:えっ? グローブ作り 始められるの?
音:お母さん 銀行でかましたみたいで…。
回想・光子:これからは野球。野球が戦後の日本を元気にします! 融資してくれますよね?
裕一:フフフ…。目に浮かぶ。
音:でしょう?
裕一:ハハハハハ…。
●古山智彦の家・玄関
吟:行ってらっしゃい。
智彦:行ってきます。
●智彦の就職先の会社
松川:びっくりしたか?
智彦:ああ…。
松川:反対もあったんだけどな 将校には将校にふさわしい待遇がある。座ってくれ。戦争では負けたが今度は経済で世界を見返してやるんだ。頼むぞ!
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。