朝ドラ【エール】19週94話、ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」に続いて、映画「長崎の鐘」の主題歌を作らないかと池田に声をかけられた裕一。
原作は「長崎の鐘」で書いたのは現地で実際に治療に当たった永田武医師。着想のきっかけを求めて永田医師に会いに長崎に行くと…。
「長崎の鐘」の曲を作るのは贖罪のためだと言う裕一に対して「あなたご自身のために作ってほしくは…なか」とピシャリ。
そして「ある若者が神は本当にいるのですかと私に問うたとです。私は…こう答えました。落ちろ…落ちろ…どん底まで落ちろ。その意味…あなたに分かりますか?」
この問いかけは視聴者に向けられたものと思い、吉岡秀隆さんの明日のセリフが早く聴きたいものです。
映画「 #長崎の鐘 」の原作者・永田武に会うため、長崎へ向かいました。#朝ドラエール#窪田正孝#吉岡秀隆 pic.twitter.com/skOrmp4jUh
— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) October 21, 2020
それにしても永田武医師は白血病とのことで、白血病で亡くなった武志を思い出す「スカーレット」です。
それに浮浪児ケンも、その背格好から奥原咲太郎を彷彿させて「半分、青い。」の世界では、今頃、新宿で咲太郎と亜矢美さんが出会ってたんじゃないかと頭の中がグシャグシャです。
【エール】19週94話セリフ書き出し
●闇市・天野軒
天野:バカ野郎。お前 もっと細く切れねえのかよ。
智彦がラーメン屋で働き始めてから2か月が過ぎていました。
天野:もういいや。おい 鶏ガラ砕いてろ。
智彦:はい。
●古山家・書斎
(ノックとドアが開く音)
音:どうしたんです?
裕一:池田さんがね この本 題材にした映画の主凱歌を作らないかって。
音:「長崎の鐘」。
裕一:原爆の現実を克明に描いてる…鬼気迫る内容だ。この人に会ってみたい。
音:大丈夫? 戦争の恐怖がぶり返すんじゃないかって。
裕一:うん…だからこそやってみたい。もう一歩 前に進むためには必要なことだと思うから。
音:頑張って下さい。
裕一:うん。
●NHK放送会館・放送室
池田:もちろんだ! 会いに行けよ。手配する。
裕一:本当ですか?ありがとうございます。ただ あの 収録…。
池田:任せとけよ もう! 早く書く。とりためればな 長崎に行く時間作れる。
裕一:ありがとうございます。
重森:やった! あっ だって…いつも原稿出すの遅いから。
池田:すまん。
2週間後 裕一は作者の永田医師に会うため長崎へと向かいました。
●長崎・鐘の前
こどもたち:♪「かごめ かごめ かごの中のとりは」
(こどもの遊ぶ声)
じゃんけん ぽい! あいこでしょ!
あいこでしょ! あいこでしょ!
ユリカ:おはよう。
子どもたち:おはよう!
ユリカ:あっ…古山さんですか? ようこそいらっしゃいました。私 永田武の妹のユリカです。
裕一:あっ どうもお世話になります。
ユリカ:本の題名になった長崎の鐘です。大人も子どもも兄も私も みんな一緒になって掘り起こしたとです。
こども:おじさんが 歌ば作りよる人?
裕一:こんにちは。古山です。
こども:おじさんの歌 歌えるばい。
裕一:うん?
こども:♪「勝って来るぞと勇ましく」
子ども:下手か!
子ども:何ね!
ユリカ:あの子たちはみんな 戦争で親を亡くしました。私は今 その施設で働いてるとです。
●長崎・如己堂
ユリカ:兄はこちらで寝泊まりしながら執筆活動をしとります。
裕一:「如己堂」?
ユリカ:汝に近きものを 己のごとく愛すべし。兄が付けました。古山さん いらっしゃいました。私は仕事に戻りますけん。
裕一:これ あの 土産です。
ユリカ:あっ すいません。ありがとうございます。
裕一:ありがとうございました。
♪
裕一:この度は 訪問をお許し頂きありがとうございます。
永田:白血病で…寝たきりになってしまうて こんな姿で失礼。どうぞ。
裕一:失礼します。
永田:それで…私に聞きたかこととは?
裕一:先生の体験です。どのようなお気持ちで治療に当たられたのか。
永田:歌詞は…見られたとですか?
裕一:はい。
永田:すばらしか歌詞だ…。その上で 私ん気持ちなど いりますか? それに…私ん気持ちは本につづりました。
裕一:だ…題材が大きすぎて どこから着想していいのか…。何か きっかけが欲しいんです。
永田:あなたは…「露営の歌」や「暁に祈る」を作ったとでしょう? 私も戦争に二度行きました。よ~く歌いましたよ。
裕一:すいません…。
永田:なぜ…謝るとですか?
裕一:僕の歌がきっかけで…たくさんの若者が亡くなりました。彼らのためにも この歌を作りたいんです。
永田:贖罪ですか?
裕一:はい。
永田:私は…「長崎の鐘」を…あなたご自身のために作ってほしくは…なか。原爆は…兵隊だけでなく普通に暮らす何万もの命を…たったの一発で奪いました。焦土と化した長崎 広島を見て ある若者が神は本当にいるのですかと私に問うたとです。私は…こう答えました。落ちろ…落ちろ…どん底まで落ちろ。その意味…あなたに分かりますか?
裕一:いえ…。分かりません…教えて下さい。
永田:自分で見つけることがきっかけになるはずです。
裕一:ああ… はあ…。
●古山家・居間
吟:裕一さんは? まだ長崎?
音:大丈夫。きっとあの人はやる!
吟:音はやっぱりしっかりしとるね。それに比べて私は…。
音:智彦さんの仕事 まだ見つからんの?
吟:ううん。仕事はしとるの。ただ 何をしとるのか言ってくれんの。夜も遅いし…変なにおいするし。
音:お姉ちゃん…。
吟:うん?
音:行動する時よ!
●古山智彦の家・玄関
吟:行ってらっしゃい。
(変装して智彦を尾行する吟)
●古山家・居間
音:えっ? ラーメン屋?
吟:私がお金せびったからだわ~。
音:そうとは限らんよ。ラーメン屋さんの仕事 好きなのかも。
吟:好きなら言うわよ。お金のために無理しとる。
●闇市・天野軒
(ため息)
智彦:また来たのか。邪魔すんな。
ケン:うまくならねえな~。貸してみろ。
(ため息)
智彦:うまいな。
ケン:父ちゃんは戦争行っちまったし 母ちゃんは病気だからいつも弟と妹のために作ってたんだ。まあ…食べ物探しに行ってる間にみんな 空襲で焼けちまった。
智彦:そうか…つらいな。
ケン:つらくねえよ! 弟や妹に申し訳ないだけだ。
智彦:お前…いいやつだな。
ケン:うるせえ。
智彦:はあ…。ネギの切り方 教えてくれないか?
(翌朝)
天野:合格だ。
智彦:ありがとうございます!
天野:よし…次はチャーシューだ。
智彦:はい!
●長崎・如己堂
ユリカ:兄さん 激しかこと言ったんでしょう。古山さん 3日間ず~っと籠もりっ放しです。
永田:あん人は…真面目すぎる。
ユリカ:フッ…にじみ出ています。フフッ。
永田:自分を見つめても 見つからんのだがな…。
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。