朝ドラ【エール】19週93話、ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の主題歌は「とんがり帽子」。その歌詞の力強さに心を動かされる裕一。
ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」は、復員した青年・賀々見修平が戦争孤児のために居場所を作る奮闘の物語で、放送が始まるやいなや戦争で傷ついた人々から圧倒的な支持を得て大好評。
当初は土日2回放送だったが、半年後には月曜日から金曜日まで毎週5回の録音放送となり 今に続く「連続テレビ小説」のもととなったという貴重な話に感謝です。
そして闇市のラーメン屋店主・天野は「半分、青い。」ユーコの夫である浅葱洋二を演じた山中崇さんです。
「裕子はいつものように病院に出かけていきました。あの日 地震が来て そして津波が来ました。患者さんを上に上に上げたそうです。でも全員が全員動かせる訳じゃない。寝たきりな人もいる。集中治療室にいる人もいる。裕子は最後まで動けない患者さんに寄り添ったそうです」
このセリフを口にした時の山中崇さんの表情を思い出しております。
71話で初めて登場したユーコの旦那・浅葱洋二さん。153話で ついに動く洋二さんの姿が!Σ(o ロ olll) #半分青い #山中崇 pic.twitter.com/DpTAJYzkOW
— ひぞっこ (@musicapiccolino) September 25, 2018
【エール】19週93話セリフ書き出し
●古山家・書斎
裕一:どうして僕にこだわるんですか?
池田:あなたの曲は人の心を勇気づける。
裕一:それが悪い方向へ向かいました。
池田:戦争の責任を全て背負うおつもりか?
裕一:僕のしたことは…責任があります。
池田:戦時下だ。いろんなことがあった。しかたのないことだってある。
裕一:違います!僕は…!自分の歌で勇気づけられて戦場に向かう若者に…。興奮していました。生きて帰る可能性も少ないのに 悲しむ家族もいるのに…。信じられますか?これが許されることですか?僕にはできません。お引き取り下さい。
池田:やっぱり先生しかいません。よかったら これどうぞ。主題歌の歌詞です。俺が書きました。先生の苦しみは到底俺には分かりません。たた…痛みを知ったからこそ表現できるものがあると俺は信じてます。苦しんでる子どもたちを励まして下さい。失礼します。
●闇市・ラーメン屋
回想:一杯のラーメンだって作るの大変なんだよ。あんた できる?うまいの作れる?
智彦:フッ…やってやるよ。
♪
天野:その大層な服 脱げ。仕事の邪魔だ。おい 何だその目は。
智彦:金は払ってくれるんだろうな。
天野:こう見えて 儲かってるんでね。あと…言葉遣いは丁寧に。客商売やるんならね。皿 洗え。
♪
ケン:おう! この前は助かった。襟章が俺を救ってくれるとはね~。
(回想)
ケン:父ちゃん!
警察官:あんた 父親か?
智彦:あっ…はい。
(回想閉じ)
智彦:向こうに行ってくれないか。
ケン:ラーメン屋 似合うぞ。
智彦:うるさい!
ケン:ハハッ また来るわ。
●古山家・中庭
裕一:どう思う?
音:情景が浮かぶし…力強い。
裕一:だよね…。苦しいけどやってみようかな…。書いてみる。
音:本当に?
裕一:うん。これ読んだ時ね ほんの一瞬だけどメロディーが鳴ったんだ。
音:すごい! すご~い!
裕一:いやいや…断片的にだよ。あの 本当…本当に少しだけ。
音:それでもすごい!
裕一:いやいや…でも…。まだ…で…できるか分からないから。
音:いいんです。その気持ちがうれしい~!
裕一:うん。おっとっとっと…。
(笑い声)
●NHK放送会館・放送室
裕一:池田さんが見た孤児の場所 教えてもらえませんか?
池田:曲を書くためか?
裕一:はい。
●古山家・廊下
華:お父さん かわいそう。
音:お父さんを信じよう。
●古山家・書斎
回想:「露営の歌」とか「若鷲の歌」とかの作曲家の家だ。
回想:焼けてないんだな…。
回想:作詞した西條八十とはか…。
裕一:ああ ああ…。
回想:戦争でたんまり稼いで…。
裕一:くそ…くそ…。
回想:羨ましいわ。
裕一:んんっ! うっ…。ハァ…ハァ…。
(ノック)
音:少しは食べないと。
裕一:書けない。どうしても書けない。
音:裕一さん…。裕一さん。もう自分を許してあげて!
裕一:いいのかな…?
(すすり泣き)
(ドアが開く音)
(ドアが閉まる音)
音:♪「緑の丘の赤い屋根」「とんがり帽子の時計台」「鐘が鳴りますキンコンカン」「めえめえ子山羊も啼いてます」「風がそよそよ」「丘の家」「黄色いお窓はおいらの家よ」
●NHK放送会館・録音室
(鐘の音)
少女合唱団:♪「緑の丘の赤い屋根」「とんがり帽子の時計台」「鐘が鳴りますキンコンカン」「めえめえ子山羊も啼いてます」「風がそよそよ」「丘の家」「黄色いお窓はおいらの家よ」
ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」は昭和22年7月5日から始まりました。復員した青年が戦争孤児のために居場所を作る奮闘の物語は 戦争で傷ついた人々の心を励まし勇気づけました。
●闇市・ラーメン屋
(ラジオ)♪「鳴る鳴る鐘は 父母の」
智彦:いらっしゃいませ。
客:中華そば 一つ。
智彦:中華そば。
天野:へい!
●福島・古山家・居間
(ラジオ)♪「言う声よ」「口笛吹いて おいらは元気」
●福島・藤堂家・居間
(ラジオ)池田二郎作 連続放送劇「鐘の鳴る丘」第1回。
●NHK放送会館・録音室
(ラジオ)毎週土曜・日曜のこの時間は 青少年の不良化防止の問題に取材した
●古山家・居間
(ラジオ)連続放送劇「鐘の鳴る丘」を放送いたします。世の中に悪い少年はいないと信じている賀々見修平が 不良になりかかっている彼の弟の…。
華:いい歌だね。
当初は土日2回放送でしたが もっと放送してほしいとリクエストが殺到。半年後には月曜日から金曜日まで毎週5回の録音放送となり 今に続く「連続テレビ小説」のもととなりました。
●古山家・台所
裕一:はい! お祝いしよう!
音:わっ!
(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。