【エール】セリフ書き出し18週89話|裕一が帰国、豊橋の空襲、日本の敗戦

朝ドラ【エール】18週89話、昭和19年6月28日の日付が残る藤堂先生の遺書を、寡婦となった昌子に届けるために福島に戻った裕一。

そして、しばらくは一人でいたいと音と華を福島に残して東京に戻り、軍部からの要請のままに国民の士気を高めるため曲づくりに没頭する日々。

豊橋では五郎が特高警察に捕まり拷問を受けている中、昭和20年6月19日の空襲で豊橋は焼け野原となり、梅と岩城が瀕死の状況に。

昭和20年8月15日、玉音放送が流れて日本敗戦。この歴史はちゃんと後世に語り継がねばと思う今週のエールです。

【エール】18週89話のセリフ書き出し

●福島・古山家・廊下

華:お父さん 日本に帰って来るの!?

音:うん。下関に着いたって連絡があったからもうすぐ。

華:無事でよかった…。

音:うん。お父さん 福島に来るって。

華と音:ばんざ~い!

音:アハハハ。

●汽車の中

(汽笛)

●福島・藤堂家

藤堂から昌子への手紙「君がこの手紙を読んでいるということは もう僕はこの世にはいないということだ。君と憲太にもう会えないなんてとても寂しい。昔から僕はどこか冷めた部分を持った人間だった。自分の気持ちを素直に出すことが不得意だった。そんな僕を変えてくれたのは君だ。君を知るにつれ その明るさ まっすぐさに僕の殻はとけていった。残していくこと 心から謝る。君が好きだった。愛していた。ありがとう 僕の人生に現れてくれて。君に会いたい」。「藤堂清晴」。

裕一:先生は…先生は僕を車の下に隠してくれて…。すぐそこで撃たれました。多分…僕を守ろうとしてくれたんじゃないかって思います。

昌子:そう…。あの人 あなたのこと 本当に好きだった。きっと…自分の人生 託してたのね。幸せだったな…。楽しかった! もう…あんな日 返ってこない。会いたい…。もう一度…会いたい。

(すすり泣き)

●福島・古山家・居間

<<(戸が開く音)

音:お帰りなさい。

<<(戸が閉まる音)

音:はあ…もう帰ってきたら「ただいま」でしょ。

裕一:心配かけたね。ごめん。

音:よかった…よかった。

裕一:ただいま。

音:お帰りなさい…。

(すすり泣き)

音:よかった…。よかった…。

●福島・古山家・裕一の部屋

裕一:みんな 元気そうで安心した。

音:居心地がよくて 東京に帰りたくなくなります。

音:お勤め ご苦労さまでした。

裕一:僕は先に帰る。しばらく一人でいたい。

音:私たちも一緒に…。

裕一:お願いだから…。頼む。

●報国音楽協会

戦況が悪化するほど 国民の士気を高めるため 裕一への依頼は増え続けました。

報国音楽協会関係者:では…。

陸軍将校:待て! このフィリピンの戦いは天王山! 一大決戦だ。もっと国民の士気を上げ またいかなる敵であるか明確に示すため 敵将ミニッツとマッカーサーの名前を入れて頂きたい。

西條八十:人名を入れるなど下品だ。断る。

陸軍将校:君の意見などどうでもいい! 我々は勝たねばならんのだ!

西條八十:フンッ。

陸軍将校:これで結構!

●古山家・書斎

<<ごめんください。

鉄男:新聞社に復帰して 毎日何十人何百人…何千人死んだって記事書いてても 何にも変わらず食って寝てた。どだに兵隊さん戦死しても 戦争が嫌だって気持ちは変わんなくて歌詞書くの断ってた。なのに…。藤堂先生が亡くなられたって聞いた時 俺はどうしようもなく腹が立った。先生の弔いがしてえ 先生の無念 晴らしてえ! 

裕一:先生 喜ぶかな…?

鉄男:当然だべ。先生は勝つために戦ったんだ。

裕一:そっか…。そうなのかな…?

鉄男:んじゃ…何のために戦ったんだ!?

裕一:分かんない。けど…やるよ。

●豊橋・関内家・玄関

(襖が閉まる音)

光子:どこに行くの? 分かっとるよ。集会に行くんでしょう?

五郎:許して下さい。僕には必要なんです。

光子:大事にすべきものは ほかにもあるよ 五郎ちゃん。

五郎:申し訳ありません。

光子:ごろ…。

●豊橋・関内馬具店

(ため息)

岩城:帰ってこんですかん?

梅:昨日の夜 集会に行ったみたいなの。

岩城:ああ…特高ですかん。

梅:お母さんが確かめに行ってくれとる。

(夜 戸の開閉音)

梅:どうだった?

光子:ほかの人は罪認めて釈放されとるらしいけど 五郎ちゃんは…。

●特高警察・取調室

警察官A:皇軍将校が命懸けで戦ってる今 戦争反対とは何事だ~! 国賊め~!

五郎:私の体の自由は奪えても 心の自由は奪えません!

警察官B:うるさい! あ~! あ~!

●豊橋・関内馬具店

岩城:時間がないのに…。

(空襲警報)

昭和20年6月19日 豊橋は深夜から未明までの空襲で市街地の7割が焼き尽くされました。

光子:もう うち駄目だわ。逃げよう!

梅:待って 原稿!

光子:梅! 梅!

岩城:おかみさん!

光子:あっ…!

(回想)

岩津:俺が助けます!

光子:あっ! あっ ああ ああ…。ああ~!

(回想閉じ)

光子:岩城さ~ん! う~! 岩城…。

(すすり泣き)

(物音)

光子:あっ…ああ…ああっ…。梅! 梅! 梅…岩城さん…。梅…起きて! 起きて…。誰か…誰か助けて…。

●古山家・居間

昭和20年8月15日

玉音放送「然れども朕は時運の趨く所 堪え難きを堪え 忍び難きを忍び…」。

日本は敗戦しました。

玉音放送「朕は茲に国体を御侍し…」。

(つづく)

●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。