朝ドラ【エール】17週82話、海軍航空隊の予科練習生を主題とした映画の曲名は「若鷲の歌」。
若い血潮の予科練の
七つボタンは桜に錨
今日も飛ぶ飛ぶ 霞ヶ浦にゃ
でかい希望の雲が湧く
作詞担当の西條八十は詞の最後に「ハア ヨカレン ヨカレン」と書いていたが、それを削除したいという裕一。間に入った三隅の尽力で曲が完成したが、もう一曲書かせてくれと言い出す裕一は、明日、予科練の見学へ。
一方、豊橋ではキリスト教信者の秘密の集まりがあり、そこで嫌みを言われる関内家一家。逮捕はされなかったものの、柿澤婆さんの性格の悪さにはうんざりで、だからあのベテランさんを持ってきたのかと納得です(褒めてます)。
記念に瓜田さんちに集まった方々です(関内家除く)。
瓜田:柴田浩味さん
出演情報
今日6日放送のNHK朝ドラエールにて瓜田役で出演させて頂きました。自分もしっかり三河弁でしゃべってます(笑)#朝ドラエール#豊橋ことば#三河弁
— 柴田浩味 (@romihiro07) October 5, 2020
梨本:針原 滋さん
司祭:石坂史朗さん
柿澤セツ:梅沢昌代さん
【エール】17週82話のセリフ書き出し
●古山家・書斎
♪~(歌声)
(ドアの開閉音)
華:聴かせてよ~。
音:恥ずかしいの。練習してないから。
華:お父さん よかったね。
音:そうね…。
華:どうしたの?
音:お父さんは行きたかったみたい。
華:お国のため?
音:う~ん…。もっと複雑な…。
華:まあいいや。お父さんがいるなら。
音:そうね。
華:ねえ お母さん。
音:うん?
華:私のために…歌をやめたの?
音:んっ。
(床をたたく音)
音:私が選んだの あなたを。それに夢は諦めてない。お父さんに預けてある。
華:夢って預けられるの?
音:うん。2人でかなえるの。
華:2人で?
音:うん。
華:そっちの方が楽しそうだね。
音:フフフ…。華 いいこと言うね。フフッ そうね。
華:いつか見たい。大きな劇場のお母さん。
音:うん…。華も大きくなったし 戦争が終わったら私も始めたい。
華:ねえ…。
音:うん?
華:その前に聴きたい。歌って。
音:え~?
華:お願い。
音:♪「君を思えば はるかなり」「浪のかなたを はるかなり」「たよりをよめど かすかにて」「涙のうちに はるかなり」
華:いい歌!
音:でしょ?
華:うん。
音:この曲でお父さんと恋に落ちたの。
華:いや~聞きたくな~い。
音:どうして?華だって 弘哉君のこと…。
華:えっ? 違う…違うよ!
音:何が違うの?
華:えっ 違う 違う…。
音:えっ 何が違うの?
華:えっ 違う~!
音:アハハハハ…。
●東都映画・製作課
三隅:こちらになります。
裕一:はい。「若鷲の歌」。
若い血潮の予科練の
七つボタンは桜に錨
今日も飛ぶ飛ぶ 霞ヶ浦にゃ
でかい希望の雲が湧く
ハア ヨカレン ヨカレン
裕一:すばらしい詞です。
三隅:でしょ!? 西條さんも とても苦労されてたのですが実際に予科練を見学して頂きまして そうしましたらそこでいきなり最初の2行が浮かばれまして もうそれからは一気でした!いいですよね~! 特に僕はその「七つボタンは桜に錨」ってところが何とも詞的で…。
裕一:ただ…。
三隅:はい?
裕一:あの…この「ハア ヨカレン ヨカレン」がちぐはぐかなと。
三隅:そうですかね~?ここは聴かせどころですし…。
裕一:いや そうなんですけど…この部分 なくしてもいいか西條先生に聞いてもらえませんか?
三隅:いや~…。最後の一番盛り上がるところですよ?♪「ハア ヨカレン」あっ 違うか? まあまあ それは先生に任せるとして え~みんなが歌う場面浮かびますけどね~。
裕一:いや…最後はこの「でかい希望の雲が湧く」で締めた方が力強くなります。
♪
三隅:では3日後 上野待ち合わせでお願いします。
裕一:よろしくお願いします。
三隅:これだから音楽家は…。んっ!
●古山家・書斎
裕一:彼らのような若者のおかげで…今 この国はもってるんだ。頑張らないと…。
●豊橋・瓜田家の納屋
礼拝も厳しく監視されるようになった信徒たちは ひそかに集まって対応を話し合いました。
柿澤:殺されたんだわ。
瓜田:ほだほだ!許せんって!
光子:声 抑えて。
梨本:光子さん あんた ず~っと黙っとるが どう思っとるだ?
光子:私は…私の信仰は捨てたくない。守りたい。
瓜田:ほだらあ…。
光子:だからといって 危険を冒すくらいなら 今は…。
梨本:あんた 戦争に協力するっちゅうことかん?
光子:どうしようもないことはある。
柿澤:都合がよすぎるわ。まあ それもしょうがないわ。あんたら 軍のお金でごはん食べとるで。そのおかげで兵役逃れの人もおるし。
梅:ひどい…。取り消してください!
柿澤:違っとる? 違っとるなら謝るわ。
司祭:ともかく こういう集まりは危険だで。しばらくは やめとこまい。
●豊橋・関内家・居間
梅:「聖書」読んどるの?
五郎:何か眠れなくて。みんなが危険を冒してまで信仰してるものを僕ももっと知りたくなって。
梅:そっか…本当 不自由な時代よね。本も自由に書けんし…。
五郎:でも 書いてんでしょ?
梅:まあね。
五郎:すごいな~梅ちゃんは。本のアイデアはどこから来んの?
梅:昔ね 裕一さんが突然 うちに来たの。
五郎:先生が?
梅:フフ…お姉ちゃんを奪うためにね。
五郎:あの先生がそんな大胆な行動を?
梅:そう 意外でしょう。…で その時 言われたことがあって。
回想・裕一:音さんがいないと曲 書けないんだ。ものを作るには何かのきっかけとかつながりが必要なんだ。ほら梅ちゃん 今 自分の中から出そうとしてっけど 書けないならほら…外に目向けてみっといいかも。
梅:その言葉が突破口だったんだ。
五郎:僕だけじゃなく 梅ちゃんまで。先生は偉大だ。
梅:うん。
●古山家・書斎
(裕一のくしゃみ)
●豊橋・関内家・居間
梅:つまりね 五郎ちゃん あなたがいるから書くことができるの。
五郎:梅ちゃん…。
梅:梅って呼びん。
五郎:えっ? う う…。梅。
(五郎のすすり泣き)
梅:フフフ…。
●古山家・玄関先
裕一:よし…じゃあ 行ってきます。
華:気を付けて。
裕一:いい子でね。
華:うん。行ってらっしゃい。
裕一:行ってきます。
華:お父さん どこ行くの?
音:予科練。
華:よかれん?
音:兵隊さんになる訓練をするところ。そこで作った歌を披露するんだって。
華:ふ~ん。
海軍飛行予科練習生 いわゆる予科練の制度は海軍の航空機搭乗員育成のため 10代の志願者に厳しい基礎訓練を施すものでした。その採用試験は大変に狭き門であり 練習生の七つボタンの制服は少年たちの憧れの的でした。
●汽車の中
三隅:先生がおっしゃるとおりでした。明るくて力強い!これ いけます!
裕一:そうですか。
三隅:完璧ですよ~。
裕一:西條先生は詞のこと 何か言われてました?
三隅:いいえ…というか「なるほど!そこは削った方がいい」とおっしゃってました。
(回想)
三隅:そこをなんとか! ひとつ!
西條:う~ん…。
(回想閉じ)
裕一:そうですか。よかった。ただ…。
三隅:はい?
裕一:何か違う気がするんです。三隅さん…。
三隅:先生 そんなことありません!「若鷲の歌」は最高です!史上最高の映画主題歌です。
裕一:いや…。
三隅:気のせいです。訓練する若者を勇気づけます。
裕一:でも…。
三隅:何ですか?
裕一:まだ何かあります。
三隅:何か?
裕一:明日って 朝一番で曲の発表ですよね?
三隅:はい…その手はずです。
裕一:それ 待って頂けませんか?
三隅:へっ?
裕一:もっと彼のことを知りたいんです。
三隅:はい?
裕一:3日…いや…1日だけでもいいです。とにかく彼らのことを知りたい。
三隅:つまり…見学したいと?
裕一:予科練の若者の気持ちをもっとこう熱く…もっと深く こう 表現できるんじゃないかって。何かこう…この辺りまで来てるんですけど引っ掛かってて。
三隅:ここですか?
裕一:こ…この辺です。
三隅:あっ それ 魚の骨じゃありませんか?
裕一:ご迷惑なのは承知してますが どうか…。
三隅:う~ん…僕はこれで十分だと思うけどな~…。
裕一:何か…この心の内をまだ昇華できてないんです。三隅さんもおっしゃいましたよね この作品に懸けると。
三隅:そのお気持ちはありがたいのですが…うちにも予算と予定がありまして。
裕一:三隅さん!
三隅:はい…。
裕一:もう一曲だけ書かせて下さい!お願いします!どうかお願いします!お願いします…。
三隅:分かりました!
裕一:ありがとうございます。
三隅:うん…うん…。
(戸の開閉音)
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(つづく)
●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。