【エール】セリフ書き出し14週70話|豊橋で新しい道を歩み始めた五郎と梅。

朝ドラ【エール】14週70話、結ちゃんこと幸文子との対談で梅が独白。

私は豊橋に帰ります。豊橋は私の全てが詰まった場所です。家族や友人との思い出 潮騒 馬の足音。豊橋がいかに大切な場所か 離れて初めて気付かされました。それから…私には 掛けがえのない人ができました。彼は居場所を探しています。私がその居場所になりたい。自分らしくいられる豊橋にその人と帰ります。

かくして、五郎を豊橋に連れて帰り、馬具職人として一人前と認められたら結婚して関内家の跡取りになってもらうという梅。

裕一が言った「抜け目がない」に深く頷くテレビの前のおじちゃんおばちゃんたちです。

【エール】14週70話のセリフ書き出し

●古山家・玄関

五郎:お世話になりました!

(華の泣き声)

音:もう泣かない もう泣かないよ。もう泣かない。

華:五郎ちゃん…。

(回想)

五郎:ほら その顔 子どもが怖がっちゃいます。もっと…自分を好きになって下さい。居場所なてどこにもない。

(回想閉じ)

●文藝ノ友社・応接室

梅と幸文子の対談の日が来ました。

進行係:分かりました。

編集部員:よろしくお願いします。

文子:どうも。

編集部員:あ~先生 どうぞこちらにお掛け下さい。

進行係:それでは 幸文子先生と関内梅さんの対談を始めます。

梅:よろしくお願いします。

文子:よろしく。

進行係:幸先生は関内さんの受賞作 どお読みになりました?

文子:透明感があって郷愁をいざなうすてきな作品だと思いました。ただ…人間描写としてはもう少し深くてもと感じました。

進行係:関内さんは先生の最新作 お読みになりました?

梅:読みました。すばらしい作品です。勉強になりました。

文子:フッ…偽善者。

進行係:あっ…え~っと…関内さん。

梅:はい。

進行係:現在 2作品目を執筆中と伺いましたが 今後のご展望は?

梅:私は豊橋に帰ります。

進行係:えっ? せっかく受賞なさったのに…。

梅:豊橋は私の全てが詰まった場所です。家族や友人との思い出 潮騒 馬の足音。豊橋がいかに大切な場所か 離れて初めて気付かされました。それから…私には 掛けがえのない人ができました。彼は居場所を探しています。私がその居場所になりたい。自分らしくいられる豊橋にその人と帰ります。

文子:ああ…バカバカしい。私 帰ります。

進行係:あっ いや 先生 あの…。

梅:結ちゃん!

文子:何?

梅:結ちゃんはどうして本を書くの?

文子:くだらない…本当にくだらない!何なの?あんた。やっと勝てたと思ったのにまた追いついてきて。今度は勝手に逃げる?何なの?私の人生に付きまとわないでよ!目障りなのよ!…っていう怒りかな 書く理由は。

梅:うん…分かった。ありがとう。

文子:あのさ…。この世には何もしなくても注目される人間がいるの。それがあなた。あなたは最初から何でも持ってる。不公平だと思わない?

梅:私は…ずっとあなたに嫉妬してた。

文子:私に?

梅:うん…あなたに。

●古山家・居間

裕一:えっ? 五郎君なの!?

音:そう。

華:そうそう!

裕一:えっ…。久志 五郎君に負けたってこと?

音:そう!

裕一:この世には信じられないことが起こるもんだね。

音:梅は五郎ちゃんを豊橋に連れて帰りたいらしいの。

裕一:(小声で)そうなんだ!

音:裕一さん 五郎ちゃんがどこに行ったか分かる?

裕一:いや…う~ん それは あの…。

華:お父さん 頼りにならないね~。

裕一:ごめんなさい。

●近所の路地裏

梅:五郎さん? 五郎さ~ん!

(物音)

梅:五郎! あなたは私のことが好きですか?

五郎:好きです。

梅:だったら どうしてあなたは逃げたんですか?

五郎:僕は…先生や梅さんのような才能がありません。何もない人間なんです。梅さんには…ふさわしくない。

梅:私はあなたを必要としています!

五郎:信じられません。

梅:信じろ! 豊橋 私と行こう。ねっ?

五郎:はい。

●古山家・居間

裕一:いや~本当によかったね。

五郎:心配おかけしてすみません。

音:五郎ちゃん 義弟になるんだね。

華:五郎叔父さんと梅叔母さん。…じゃなくて梅おねえさん。

音:何? 梅に言われたの?

梅:当たり前でしょう。この年で「おばさん」はきついわ。

裕一:あ~仕事を見つけないとね 五郎君。僕が言うのもね…あれだけど。

梅:その件については…。

裕一:うん。

梅:帰って お母さんに話すつもりなんだけど…。

●古山家・書斎

裕一:まさか 五郎君を関内家の後継ぎにする計画だったとはね~。梅ちゃんも抜け目がない。
音:ねっ。結婚の条件まで考えてるとは。

●関内家・居間

梅:岩城さんに一人前の職人として認めてもらえたら結婚します。

裕一:ふ~ん…。フフッ… うんうん。

五郎;:頑張ります!

音:五郎ちゃん 知ってる? うちの馬具職人の岩城さん…かなり怖いよ。

五郎:えっ!?

裕一:怖いよ かなりね。

五郎:ええっ!?

●古山家・書斎

音:何だかんだ あの子が一番しっかりしてるわ。

裕一:まあ これで一安心。

音:五郎ちゃん 梅 結婚おめでとう。

裕一:うん おめでとう。

2人とも ちょっと気が早いんじゃない?

●古山家・2階の音の部屋

五郎:まずは一人前の馬具職人になれるように頑張っから。

梅:馬 得意だもんね。

五郎:ヒヒ~ン!

いろいろありましたが 梅と五郎は2人で新たな道を歩んでいくことになりました。そしてここに未練がましい男が一人。

●おでん屋台

鉄男:さあ どこの酒でしょうか? 始め!

久志:越乃暖梅!

五郎:六海山!

鉄男:当たり~!五郎の勝ち~!

五郎:よしっ!

久志:梅ちゃんのことは君に任した。必ず幸せにしろよ。

五郎:はい!

久志:よし…ほら行け!

五郎:ありがとうございました!

鉄男:頑張れよ!

五郎:はい!

久志:しみるな…。

鉄男:ほら飲め。今日はとことん飲むぞ。

五郎というよき理解者を得て 梅の執筆活動は順調に進みました。そして5日後 五郎と梅は豊橋に旅立ちました。

●古山家・書斎

音:何か…静かだね。

裕一:うん…ねっ。五郎君が置いてった。

音:ふ~ん。いい曲だね。

裕一:うん。よ~く書けてるよ。誰のまねでもない。

音:才能って何だろうね~?

裕一:ね~。あっ…お母さんに言ってるんだよね?

音:うん。手紙書いた。

裕一:よかった。

●関内家・居間

配達が遅れて 音の手紙はまだ届いていませんでした。

岩城:本当に梅さんまで東京にやっちゃってもいいですか?

光子:ええ。やっと夢がかなったんですもの。応援するのが親の役目でしょう。

郵便屋:<<郵便で~す!

光子:は~い! ご苦労さまです。

郵便屋:どうも~。

光子:音から?「前略 突然ですがお母さんに報告しなければならないことがあります」。梅が帰ってくる!

岩城:えっ!?

梅:ただいま。

光子:えっ?

五郎:失礼します! 初めまして 婚約者の田ノ上五郎です!

岩城:男連れですかん…。

光子:さあ どうぞ上がって。

五郎:失礼します。

こうして 関内家の新しい生活が始まりました。

梅:荷物全部…ねえ もう…。

梅の2作目は無事に出版され全国に販売されました。

●関内馬具店

岩城:もういっぺん。

五郎:はい!

岩城:そいじゃ いかん。削った面が波打っちゃっとるだら。おんなじ角度と厚さで削れるようにならんといかんわ。

五郎:すみません。

まさかこのあと 五郎は一人前と認められるまで う~ん年かかるとは誰も思っていませんでした。

(つづく)

●字幕を追って書いておりますが、100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。