朝ドラ【エール】23週115話、裕一が胃潰瘍で倒れ、華が勤務する伊月総合病院に1か月ほど入院することに。
しかも同じ病室には華の運命の人・アキラが居て、まだ正式に裕一に紹介できないと考えた華と音は、仮病作戦でこの危機を乗り越えようとしたが…。
なんとか4日間を乗り越え、アキラ退院の当日、華からお祝いの花束を渡されたアキラは禁断のフレーズを口にするのだった。
アキラ:皆さんのおかげでステージに復帰できます。ありがとうございます!
裕一:ステージ?
ということで、朝ドラ「エール」も残り1週で5話を残すところとなり、名残惜しいと感じつつ本日から本格的に「おちょやん」の準備に入ります。
【エール】23週115話セリフ書き出し
●古山家・居間
華:お母様…。
音:うん?
華:運命の人…見つかりました~!
音:ええ~っ!?
●JAZZ喫茶「バンプー」
♪~(レコード)
音:これがロカビリー?
保:うん。若い人にすごい人気でね いろんなバンドが出るコンサートのことをカーニバルって呼んで それはもう紙テープだらけで演奏ができないわ 女性が失神するわですごいらしいよ。
恵:フフッ「監獄ロック」とかかっこいいもんね~! 音さん どうしたの?悩み事?
音:華に…恋人ができたんです。
恵:はあ~!よかった~!渉君との別れ方がきつかったから心配してたの。
音:しかも患者さん。
保:えっ 意外!
音:意外なんです。その上 意外なことに相手が…。
恵:うん?
保:うん?
恵:ああ…。
保:えっ ロカビリー歌手なの?
恵:もうすぐ退院で裕一さんに会いたがってるみたいなんです。普通の男性ですら 激しい目で見るだろうに同業者の上にロカビリーだなんて…。
保:音楽家であることが吉と出るか凶と出るか ロカビリーが吉と出るか凶と出るか…。
音:裕一さんの反応が全く読めません。
保:確かに。
恵:あっ 裕一さんにロカビリーを聴かせて反応を見てみたらどう? それで大丈夫だったら紹介したら?
音:いいですね! やってみます。
恵:うん。
●古山家・書斎
(ノック)
裕一:はい。
音:裕一さん。
裕一:うん?
音:何してるの?
裕一:うん? いや 体調不良でね 役者が代わることになってね 音域違うからメロディー書き直してるの。
音:本番始まってもいろいろあるのね。また今度にします。
裕一:うん? いいよいいよ。何?
音:レコード頂いたの。ロカビリーって知ってる?
裕一:うん。知ってるよ。あんまり聴いたことないけどね。
音:じゃあ 聴いてみる?
裕一:うん。いいよ。
♪~(レコード)
裕一:ごめんごめんごめんごめん…。ちょっと止めて止めて。ごめん…今書いてる音楽が逃げちゃいそう。
●古山家・廊下
音:どうしてロカビリーなのかしら…。
<<裕一:あっ! あとで直したところ 歌ってみて。
音:は~い!
●古山家・居間
華:何で勝手なことするの!?
音:真面目で仕事一筋の娘の相手がロカビリーの歌手よ!?慣らしておく必要があるでしょ?
華:反応よくなかったんでしょ?「やぶへび」じゃない。
音:急に聞かせるよりはマシだって。
華:そうかな?もう~。
音:どうするの?
華:退院したら すぐにでも来たいって言ってる。
音:挨拶 遅らせたら? 2人だってまだ病院でしか会ってないでしょ?
華:つきあうなら ちゃんとしたいんだって。
音:いい方ね。
(電話の着信音)
音:はい 古山でございます。えっ!? 裕一さんが?
●伊月総合病院・手術室前
音:働き過ぎだったんだ…。気付かなかった。
華:うちの先生はみんな優秀だから大丈夫。
音:先生 手術は…?
医師:胃潰瘍でした。命に別状はありません。
2人:ああ…。
医師:まあ 1か月ほど入院すれば日常生活に戻れるでしょう。
音:ありがとうございました。
●伊月総合病院・病室
アキラ:お父さん。
裕一:へっ?
●伊月総合病院・廊下
音:よりによって…隣なんて。
華:ベットがちょうど空いたのよ。
音:何か適当に理由つけて変えられないの?
華:無理。よほどの理由がないと。
音:あのままじゃ すぐにバレるわよ。さっきだって…。
(回想)
アキラ:お父さん。
裕一:へっ?
華:あっ アハハハ…そう 私のお父さんなの。古山裕一です。
裕一:いや…か…彼 今… 僕のこと お父さんって言った…?
音:言ったかしら?私は華のお父さんって聞こえたけど。
裕一:あ~そう。
アキラ:はい お父さん!
裕一:えっ?
華:お父さん 手術後は睡眠が一番大事だからよく寝て。
裕一:うん…。でも お父さんって 今 言った…。
音:裕一さん…ねっ よく寝て。
裕一:うん うん…。
(回想閉じ)
華:ごまかせたかな~?
音:五分五分ね。どうするの?
華:手術明けのお父さんにロカビリー歌手を紹介するのは負担が大きすぎると思う。
音:そうね…。アキラさんの退院までごまかしてもらいましょう。退院いつだっけ?
華:4日後。
音:短いような長いような。
華:うそついて あとで困らないかな? どうして入院している時に挨拶しなかったんだって。
音:退院後につきあったってことにしましょう。
華:いいね。4日なら乗り切れるよね?
音:私もなるべくいるようにするけど…アキラさんにちゃんと伝えてね。
華:うん。
●伊月総合病院・病室
池田:あ~最初っから飛ばし過ぎだ。代わりの指揮者見つけたから しばらく休め。
裕一:いや~ご迷惑おかけして本当に申し訳ないです。譜面はここで書きます。
池田:駄目だ 駄目だ もう! 休む時は休む!なっ? じゃあまた来るから。お大事に~。
裕一:すいません。
●伊月総合病院・廊下
華:痛くない?
アキラ:全く。こんなこともできる。
華:あ~ 無理しちゃ駄目! 努力が水の泡になる。
アキラ:アハハハ…冗談冗談。さあ 何する?
華:激しい動きのために筋力強化。
アキラ:え~? あれ きついんだよな…。
華:文句言わない。頑張りましょう。
アキラ:うん…。
華:はい。
アキラ:うっ…ハァ…。あのさ…ごまかすって話だけど 俺 うそ苦手なんだよな。
華:分かってるけど 今は必要なの。
アキラ:言った方がよくない?
華:お父さんの傷口が開く。
アキラ:ロカビリーってそんなにまずい?
華:まずいっていうか…とにかく 悪い印象だけは避けよう。言葉遣いも丁寧にね。
アキラ:うん。
●伊月総合病院・病室
音:あっ…こんにちは。着替え持ってきました。
裕一:ありがとう。
音:あら…これは?ブランデーケーキ…なんて芳醇な響き。
裕一:池田さんがよろしくって。
音:ありがとうございます。フフフ。
裕一:あっ…あれ?リハビリでしたっけ?もう終わったんですか?
アキラ:おかげさまで。華さんのおかげで元に戻りました。華さんはすばらしい女性で優しくてかわいくていつも一生懸命で。
音:裕一さん! あれは白鳥かしら?
裕一:うん? いててて…うん? どこ?
音:一瞬見えたんだけど…ハトだったのかしら?
華:ハトよ! こんなことに白鳥いるわけないじゃない。
裕一:あっ! きれい…。すごいね。ねっ?
アキラ:とても。
裕一:あれ?えっと名前 名前…アキラ君だったっけ?
アキラ:はい。
裕一:名字は?
アキラ:霧島です。霧島アキラです。
裕一:霧島…。何か 俳優とか歌手みたいな名前だね。霧島君は学生?もう働いてるの?
アキラ:と…とび職です。
音:んっ…。
裕一:あ~じゃあ それも仕事で?
アキラ:はい。とても大きなビルの建設時に足場から足を滑らせてしまいました。ああ…。
裕一:大変だったね~。そっか そっか。
●智彦のラーメン屋
音:とび職なんて…。
華:お父さんが とび職だから思わず出ちゃったって。
音:それで つらつら話 合わせられたのね。
華:不幸中の幸いです。
音:余計まずいでしょ。うそだって明かさなきゃいけないなら せめて うそが下手な方がかわいげがある。
華:東京タワーを建てるのが夢ですって言った時…。
回想・アキラ:東京タワーを建てることが夢なんです。日本一の高い塔の上で仕事をするために今 頑張ってます。
華:信じかけた~。俳優でもいけるかもな~。エヘッ。
音:「エヘッ」じゃないでしょ。調子に乗って膨らませ過ぎよ。
華:お父さんと話したかったんじゃないかな?
音:ロカビリーの歌手ってだけでもまずいのに 今じゃうそつきのロカビリーよ。あ~どうしよう…。
華:んっ…。
音:お義兄さん どう思います?
智彦:えっ?
音:えっ?
智彦:え~? ケン お前はどう思う?
ケン:そうだな…全部解決するには…アキラさんが本当にとび職人になる!
音:それよ!
華:「それよ!」じゃないでしょ!全く…。
音:全く…。
華:今 この瞬間も2人で並んで寝てるんだよね。
音:華…これは運命よ。
●伊月総合病院・病室
音:どうぞ。
チエ:ありがとうございます。
裕一にバレないために 昼は音が張り付き 当たり障りのない会話に終始するよう努めました。
音:おいしいでしょ? もうね カリッカリで中はほら ふわふわなんですよ ほら。
裕一:ねえ…。
音:わ~おいしそう! 頂きま~す。
裕一とアキラ 2人きりの夜は仮病作戦で乗り切ることにしました。
(せきこみ)
裕一:夜になると 急にせきこむね。大丈夫? 誰か呼ぼうか?
(せきこみ)
●古山家・華の部屋
華:空ぜきし過ぎて 喉がガラガラだって。
音:そんなにやらなくていいのに。
華:やり始めると ひたむきなんだ。リハビリでも弱音は初めだけ あとは一人で黙々とやってた。
音:そう…。まっ 明日 無事退院して きちんともう一回 お父さんに紹介しましょう。お父さんには お母さんがうまく言っておくから。
華:ありがとう。
音:うん。お風呂入りなさい。
華:はい。
●伊月総合病院・病室
裕一:うん…やっぱり 味が薄いね~。
アキラ:だんだん慣れてきますよ。
裕一:僕の妻わね 八丁みそを扱う土地の生まれでね 初めは違和感だったけど だんだん慣れてくるもんだよね。
アキラ:すてきな奥様です。元気で明るくて若々しくて。
裕一:ありがとう。霧島君 独身?
アキラ:はい。
裕一:うん…いい人に出会えるといいね。
アキラ:はい。
♪
華:退院おめでとうございます。
(拍手)
アキラ:皆さんのおかげでステージに復帰できます。ありがとうございます!
裕一:ステージ?
音:あっ…白鳥が…。
えっ?
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。