朝ドラ【エール】23週113話、映画・演劇の製作配給・興行を行う会社・東都に重役として迎い入れられた池田二郎(※東都のモデルは東宝)。
池田二郎の秘書役は芳野知美さんで「再現ドラマの女王」降臨です。直近の朝ドラでは「半分、青い。」で鈴愛と涼次の娘・花野が高熱を出して病院に運び込まれた時のナース役で出演していました。
ナースといえば「重い女」の華ちゃん。先輩・榎木美代子(佐藤 玲さん)の結婚が決まり、看護婦の中で独身最年長になるということで「華、軽い女になる 明日放送!」です。
【エール】23週113話セリフ書き出し
●古山家・居間
音:あの…華…。お見合いって興味あるかしら?
♪
音:大学卒業されて大手証券会社の営業マン。これからは経済の時代。証券会社有望よ。
華:そんな情報 どこで仕入れたの?
音:美容院の雑誌で。お母さんも株 始めようかしら。
華:もうやめて。
(ため息)
音:どう?会うだけ会ってみない?
華:心配しないで。自分で見つけるから。
1年半前
(回想-AZZ喫茶「バンプー」)
華:これ…就職祝。
渉:ありがとう。
華:開けてみて。好みだといいんだけど。
保と恵:ありがとうございました。
華:野球チームもあるし いいところでよかったね。
渉:だよな…そうなんだよな。プロになれなかった…もう終わりだ。
華:終わりじゃない。まだ会社でも野球続けられるし 頑張ってればプロから誘われるかもしれないじゃない。
渉:ないよ…ない。
華:諦めないで。きっとまたチャンスは来る。
渉:どうして「サラリーマンでも楽しいことあるよ」とか 気を紛らわすことを言ってくれないの?
華:だって…渉さんのこと信じてるし 諦めてほしくないから。
渉:別れてくれ。
華:別れたくない。私が支えるからもう一回頑張ろう!
渉:君はいい人だ。だけど 僕には重い。ごめん。
(ドアの開閉音)
●NHK収録スタジオ
池田:長い間ありがとう。
重森:こちらこそ育てて頂きました。お二人の舞台…必ず見に行きます。
池田:うん。
裕一:頑張って。
重森:はい。
♪
裕一:もう来ないと思うとさみしくなりますね。
池田:ああ…新しい世代が新しいドラマを作るさ。
♪
初田:池田さん やめたらしいな。お前の黄金時代も終わりか~。
(ため息)
初田:…なんて思ってないさ。お前のその貴重な経験 今度はテレビドラマで生かせよ。まだ電気紙芝居なんてひどい言われようだが面白くなるぞ。やってみないか?
重森:裏切った僕をどうして?
初田:過去は過去だ。やるか?
重森:はい!
●伊月総合病院・病室
華:はい…終わりましたよ。
和俊:華さんだと注射痛くないんだよね。
華:みんな 同じですよ。
アキラ:そういう時はありがとうって素直に言うもんだ。
♪
アキラ:怒った顔もチャーミング!
華:怒ってませんよ~。
アキラ:君もさ もっと気軽に楽しんで仕事したら?
華:あなたのお仕事とは違います。私たちは命を預かっているんです。
アキラ:そうかもしれないけど ここにいる人たちはみんなつらくて重い気持ちを抱えてる。君たちまで一緒に重くなっちゃったらつらいよ。
●古山家・華の部屋
華:私…どうしたらいいんだろう?
●東都映画会社
裕一:失礼します。
秘書:古山先生 お待ちしておりました。
裕一:あっ どうも。
<<池田:はい。
秘書:失礼いたします。
池田:おう!
裕一:すごいじゃないですか!
池田:俺もびっくりだよ。重役で迎えられちまった。ハハハ…。
裕一:ネクタイもお似合いです。
池田:えっ? あっ 分かる? これね…。
池田は数々のラジオドラマをヒットさせた腕を見込まれ 今風に言えば大きなエンターテイメント会社にヘッドハンティングされました。
池田:会長から うちの劇場で思う存分公演打ってくれって言われた。
裕一:ほう!
池田:…で これ書いた。
裕一:えっ…もうですか?
池田:ああ。ラジオドラマやる前 ちょこちょこ舞台やってたからな。
{恋すれど恋すれど物語」
裕一:ミュージカルじゃないですか!? いきなり?
池田:そうそう。でな 出演者がな…ジャン。
裕一:エノケン!?
池田:フフッ…ジャン。
裕一:ロッパ!
池田:ジャン!
裕一:吹雪 吹雪…越路吹雪!
池田:ハハハハ…ジャン。
裕一:宮城まり子! えっ!? 喜劇の大物 総出演ですか?
池田:そうだよ。今までとはスケールが違う!頼んだぞ。
裕一:はい!
●古山家・書斎
裕一はミュージカルの作曲の向け32段の譜面を作りました。西洋音楽を学んできた裕一にとってそれは念願の譜面でした。
裕一:フフフフ…。
●JAZZ喫茶「バンプー」
御手洗:裕一さんは今が一番いい期間ね。華ちゃんは…運命の出会いがあるかも。
音:全くその気配がないんですけど。
御手洗:そう?もう会ってる人よ。
●伊月総合病院・病室
アキラ:♪「ハッピーバースデー ガールフレンド」「ハッピーバースデー マイスイトハート」「ハッピーバースデー チエ」
チエ:えっ?
患者:おめでとう!
(拍手)
アキラ:ハハハハ…。
華:やめて下さい!ここはステージじゃないのよ。
チエ:あっ ごめんなさい。私の誕生日だからって アキラ君が歌をプレゼントしてくれたの。
華:えっ? 楽器演奏や大きな声はほかの患者さんの迷惑になります。今日は認めますが今後はおやめ下さい。
アキラ:♪「ハッピーバースデー ベイビー」
●伊月総合病院・看護婦詰所
榎木:はい。
華:ありがとう。
榎木:聞いたよ。フフッ 別に気落ちすることじゃない。先輩の私たちの役目よ。
華:そうだけど…せっかくチエさん喜んでたのに いい雰囲気を台無しにしちゃった。
榎木:華は気にし過ぎ! みんな気にしてないよ。
華:そう?
榎木:うん!
華:私って何でこう真面目なんだろう?
榎木:そこが華のいいところじゃない。
華:私って重い?
榎木:えっ?
華:何でもこう真面目だから 相手に重く感じさせちゃうのかなって。
榎木:う~ん…真面目だけだど重くはならないけど 華の場合 優しいから2つ重ねると…。
華:あ~このままじゃ私 幸せになれないかも。
榎木:フフフ…大丈夫よ。私だって幸せになれたんだから。
華:えっ?
榎木:私ね…昨日 プロポーズされたの。
華:お…おめでとう!
榎木:いや 彼が早く子どもが欲しいって言うから来月で辞めることにした。
華:付き合ってる人いたんだ。そんなそぶり全く見せないからびっくりした~。
榎木:いや 恥ずかしくてね…。あっ 結婚式には来てね。
この瞬間 華は看護婦の中で独身最年長になりました。
●古山家・玄関
音:お帰りなさい。今日は早いのね。
華:早退した。
音:えっ?どうしたの? 体調悪いの?
華:大丈夫。
音:なら 遊んでくればいいのに。
華:そうだよね…そうだね! 遊んでない…私…。
♪
華:お母さん。
音:はい。
華:私 お見合いしてみようかな。
音:えっ? この間の方でいいの?
華:何でもいい。
(襖が閉まる音)
音:何でもいい?
●古山家・書斎
裕一:もっともっともっともっと…。そう…。
(ノック)
裕一:うん?浮かれてる?
音:フフフ…どうしたんです?
(せきばらい)
裕一:音…これ見て。池田さんの第一回公演。
音:ミュージカル…帝国シアター!
裕一:しかもフルオーケストラ!楽しみ…。
音:すご~い!
裕一:はあ…。えっ それで?
音:えっ?
裕一:何か 話あった?
音:あっ…そう どうして心変わりしたのか分からないんですけどね…。
裕一:うん。
音:華がお見合いするって。付き添いは私 行きますね。
(せきばらい)
裕一:いや…大事な娘だ…うん。僕が行く。
音:あなたは忙しいし 華も忙しいから予定が合わないの。
裕一:いやいや…僕の仕事なんかね どうにでなるから。
音:どうにでもなるってこんな大事なものがき決まっているんでしょ!?
裕一:そんなこと言ったって お見合いはお見合いだから!
音:お見合いはお見合いだからって…
華:お母さん 捨てて。
音:えっ? 何?
華:渉さんへのプレゼント。自分では捨てられないから。
音:あら すてき。
華:私…やっぱり お見合いしない。自分で見つける。
裕一:うん!そ…それがいいよ 華。焦ることは何もないから。
音:そんなこと言ったって 出会いなんて…。
華:自分を変えたいの! 私 重い女は卒業する。軽い女になる!
音:その決意が既に重いのよ。
華、軽い女になる 明日放送!
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。