朝ドラ【エール】23週112話、華が伊月総合病院で働き始めて3年がたち、24歳。裕一は40代となり多忙を極め…。
机3つをそれぞれ使い分けての作曲作業。この時期に生まれた曲はどれも名曲ぞろい。映画用に書き下ろした「君の名は」。沖縄の戦禍を描いた「ひめゆりの塔」の主題歌。歌謡曲では「長崎の雨」。極め付けのヒット曲は「イヨマンテの夜」。
池田が「迫力と美しさが同居してる人がいい」と言うと、すぐに久志を推薦する裕一。
しかし、杉山曰く「こんな難しい曲、売れっこありませんよ!」とのことで宣伝用のポスターも作られずにひっそりとレコードが発売。
でも、久志が歌い続けた結果、大ヒットとなり、ずっとラジオから流れる「イヨマンテの夜」。そんな時、華の将来を案じた音が見合い話を持ちだして明日に続くです。
華の先輩看護師・榎木美代子を演じているのは佐藤 玲(りょう)さんです。
本当に少しずつではありますが…
ぜひご覧いただけたら嬉しいです???
#エール#朝ドラ#NHK pic.twitter.com/PmRoAIGNmG— 佐藤玲(りょう)と、ぶぶさま (@ryosato19920710) November 15, 2020
【エール】23週112話セリフ書き出し
●古山家・居間
華が働き始めて3年がたっていました。
♪~(ラジオ)
音:あっ お帰りなさい。新しいチョコ売ってたの。疲れたでしょ?食べる?
華:あ~いいね。
音:どう? 仕事は。
華:相変わらずの毎日。少し…。
音:退屈?
(テレビを切る音)
華:やりがいはあるよ。患者さんが元気でいるとうれしいし 感謝されると私も元気出るし。ただね~毎日 病院との往復だけだし。
音:う~ん…潤いが足りないのね。
華:何?
(OP)
華:出会いもないし時間もないよ。
音:そんなこと言ってたら何もないでしょ?もう25歳なんだから。
華:まだ24歳です。私は看護の仕事が好き。以上。
音:そうですか~頑張って下さいね。
当時 初婚の平均年齢は23歳でした。
(テレビをつける音)
●古山家・書斎
「君の名は」が終わっても裕一は多忙を極めていました。もともとの机では池田とのラジオドラマの音楽を作り 別の机では歌謡曲を書き もう一つの机では映画の主題歌や劇伴を書き 更に全国から依頼が絶えない校歌や社歌などを合間にこなし なお週1回のラジオドラマの演奏も怠らない。しかもこの時期 生まれた曲はどれも名曲ぞろいで…。映画用に書き下ろした「君の名は」。沖縄の戦禍を描いた「ひめゆりの塔」の主題歌。歌謡曲では「長崎の雨」。極め付けのヒット曲は「イヨマンテの夜」。この曲の成り立ちは面白く…。「鐘の鳴る丘」を作っていた頃のお話。劇中 山奥で木材を切る杣人が歌いながら少年院のそばを通るシーンの相談中。
ここからは津田健次郎の“一人吹き替え”でお楽しみ下さい。
●NHK収録スタジオ
「アアアア~」「…って歌うだけだから誰でもいいんだけどさ何かこう…迫力と美しさが同居してる人がいいんだよな…」。
「だったら…あいつしかいない!」と裕一は久志を推薦し…。
久志:♪「エ~イヤ~アアア~」「ア~イヤ~ アアア~」
「うん…もう一回聴いときますか? 久志 もう一回」
「もう一回?」
高らかに久志が歌った1年後 この独特なメロディーを僅かな放送で終わらせるのが惜しくなった裕一に…。
「あ~今度やる単発ドラマ アイヌを題材にしようかと思ってんだけどな」と言った瞬間…。
「はっ!覚えてますか?「鐘の鳴る丘」の杣人のメロディー」。
「ああ」。
「あのメロデイーをアイヌの人々で描くんですよ」。
「あっ…」。
「アイヌの曲は一曲もないから面白いな」。
こうして「イヨマンテの夜」は生まれました。しかし…。
●JAZZ喫茶「バンプー」
(レコード)♪「アーホイヤー」
「はあ…こんな難しい曲 売れっこありませんよ!リズムが16分音符と8分音符の2拍子系なのにメロディーは三連音符が続く。フッ 昔の悪い癖が出ましたね。古山先生」と見捨てられ 一枚のポスターも作られずひっそりと発売。しかし…。
「俺は諦めない。どこでもこの曲を…歌う!」と誓い 頑張った結果 のど自慢の全国大会に出場する男性のほとんどが…。
(ラジオ)♪「アーホイヤー」
…と のどを競い合いました。
●古山家・書斎
(ノック)
音:裕一さん。
裕一:うん?
音:池田さん いらっしゃいましたよ。
裕一:うん…。
音:どうぞ。
池田:どうも フフッ。
裕一:どうも。
池田:よっ!あっ これ お土産です。
音:まあ!…うん?「WAFFLE」…?
池田:ワッフル。上品な甘さのクリームをふわっふわの生地で包みました。最高においしいです。
音:まあ いつもいつもありがとうございます。
池田:いえいえ…。
音:すぐ お出ししますね。
池田:あ~私は大丈夫です。皆さんで食べて下さい。
音:では遠慮なく。フフフ。
池田:かわいらしい奥さんだな。
裕一:…で 今日はどうされたんですか?急に。
池田:うん…。あ~…。ラジオドラマはもうやめる。
裕一:えっ?
池田:フフフフ…。次は舞台をやる! どうだ?一緒にやらないか?
●古山家・居間
音:すごい!
裕一:だよね そうだよね! 池田さんがね 芝居だけじゃなくてオペラやミュージカルも考えてるって! とうとう念願がかなう~。
音:裕一さんのオペラ 早く聴きたい。
裕一:まあ でもね どうなるかさ まだ分かんないけどさ。
音:2人なら大丈夫です。
裕一:音も手伝ってよ。曲を提出する前にさ 音が試しに歌ってみる。そしたら舞台でそんな感じになるか想像できるから。
音:うれしい。やらせて頂きます!
裕一:ちょっと もう~クリームついてる。ああ…フフフフ~ン。フフッ。よいしょ。うん…うん!
音:華の分 取っておかなきゃ。
裕一:うん!
音:勢いで食べてしまいそう。
裕一:あっ 華は? 今日も帰り 遅いの?
音:その華のことなんですけどね…。
裕一:うん。どうしたの?
音:華の結婚のことって考えます?
(せきこみ)
裕一:ちょっと待って…何? あ…相手いるの? だ…誰?誰?
音:いないから心配してるんです。
裕一:何だ…じゃあ もう焦ることないから。
音:来年25よ。ずっと恋愛してないし…。
裕一:まだ25だから。これからはね そういう時代だから!
音:そういう時代って どういう時代?
裕一:だ…うん…えっと…。
●伊月総合病院・病室
(はしゃぐ声)
アキラ:はい。
看護婦:ありがとうございます。
看護婦:すいません 私たちも下さい。
アキラ:もちろん。
看護婦:ありがとうございます。わ~すごい!
榎木:バンドのボーカルだって。まだレコードは出してないけど人気あるらしよ。
看護婦:この前も見に行きました。
華:足はどうしたの?
榎木:ファンが興奮してステージから引きずり降ろして骨折。
華:えっ 何それ! どういうこと?
榎木:う~ん ロカビリー? …では ありえることみたい。
華:ロカビリー?
1950年代初頭 アメリカ南部でロカビリーは生まれた。代表的な歌手はエルヴィス・プレスリーである。日本でも若者を熱狂させ コンサートではもはや演奏どころではない騒ぎであった。
アキラ:ありがとう。頑張るよ。
華:うわっ…気持ち悪い。
●古山家・居間
吟:そんなに焦らんくてもいいんじゃないの?
音:よう言うわ。若い時 あんだけ結婚したいって騒いどったくせに。
回想・吟:東京なら ようけ残っとるわ…次男がね。先を越されたわ。
吟:あん時はあん時。今は時代が違うわ。
音:はあ…出た。今 みんなそれ言うね。
吟:テレビに洗濯機に冷蔵庫 スーパーマーケットも出来たわ。一度に全部そろうから便利。あんた 行ったことある?
音:あれ 便利ねえ。
吟:ねっ? 知らんうちにみんな変わっとるの。女性の生き方も あたしらの時とは違う。
音:そうかもしれんけど 華には幸せになってもらいたいの。
吟:好きな仕事して 幸せじゃないの?
音:うん…温かさの中で人生 生きてほしい。ただ それだけ。ふう…。んっ!
●伊月総合病院・院長室
院長:若い子たちは取り合いでけんかになってんだ。
華:私はももっと重症の患者さんに時間を割きたいです。
院長:そう それ! その君の生真面目さ いいね~。人気者に浮かれない。君しかいない! 1週間だけだから。なっ? 頼む!
●伊月総合病院・病室
華:どうして 私が…。
アキラ:あっ いててて…。もう少し優しくしてよ。
華:大げさです。終わりました。
アキラ:いつもの人は?
華:私が担当になりました。
アキラ:ああ…。君さ…どうしてイラついてるの? お肌に悪いよ。
華:お大事に~。
●古山家・居間
吟:とは言ったものの 心配になっちゃってさ…。
音:う~ん…。ああ…。いつの時代にもいるのね…。
回想・音:これと!?
音:花を持つ男。あっ…この方ぐらいかしら。
吟:あ~そうね。紹介してくれた方も感じよかったわよ。
音:ふ~ん。本当は自分で見つけてほしいけど。
吟:音みたいな劇的な恋愛って世間にはそんなにないの。私は智彦さんとお見合いで出会って幸せだし。可能性は広げといた方がいいでしょう?
音:そうね…。
●古山家・玄関前
回想・アキラ:君さ…どうしてイラついてるの? お肌に悪いよ。
華:全く…。
●古山家・居間
♪~(ラジオ「イヨマンテの夜」)
華:ただいま。
音:お帰りなさい。
華:またこの歌? ヒットしてるね~。
音:歌い続けた久志さんの執念ね。お夕飯は?
華:食べてきた。
音:鏡見るなんて珍しいわね。どうしたの?
華:ううん 何でもない。「イヨマンテ」いい歌だね。ほかとは違う。お父さん さすがだね。
音:そうね。あっ…。
(ラジオを切る音)
音:あの…華…。お見合いって興味あるかしら?
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。