朝ドラ【エール】22週108話、生き別れた弟・典男が古山家にいる鉄男を訪ねてきた。これまでのいきさつを語り合う兄弟2人。それを見守る裕一とまさだったが…。
兄弟2人が捨ててしまった実の母親のことを口にすると、まさが母親の気持ちを代弁。
お母様はきっとあなたたちが立派になって喜んでると思う。私もね 昔は…子どものそばさ いたいって思ってたけど…そうじゃないのよね。どこにいても…元気で自分の道 生きててくれてら母親にとってそれが一番の幸せ。大丈夫!あなたたちは十分に親孝行してっから 胸張って生きてっていいの!
村野家の家族がそろったところで名前の確認です。
父:村野善治
母:富紀子
長男・鉄男
次男:典男
妻・多美子
長男・明男
次男・武男
セリフ書き出し屋泣かせのネーミングだと嘆いて、「東京だョおっ母さん」です。
【エール】22週108話セリフ書き出し
●福島・藤堂家の墓前
裕一:2人で福島信夫小学校の校歌作りました。少しだけ母校に恩返しできたと思います。
鉄男:もしかしたら 校歌の話 先生が引き合わせてくれたのかもしんねえな。
裕一:あ~そうかも。フフッ。
鉄男:先生 ありがとうございます。こっちはみんな 元気にやってます。
●福島・古山家
裕一:ただいま~。
まさ:お帰りなさい。お客様 いらしてるわよ。鉄男さんに。
鉄男:えっ?
♪
裕一:あっ…どうも。えっと…。
鉄男:典男? 典男か?
典男:兄ちゃん…。
(OP)
典男:せがれが…これ 見してくれて。校長先生に聞いたら「湯の町エレジー」だの「暁に祈る」なんか書いてる有名な作詞家先生だって。全然知らねがった。俺 こういうの詳しくねえがら。
鉄男:あれから ずっと…福島いたのか?
典男:いや…盛岡さ いた。
鉄男:盛岡?
典男:うん…。できるだけ遠くさ 行きたくて。親父が怖がった。暴れるし…母ちゃん兄ちゃん殴るし。
回想・善治:もっと稼いでこ!
典男:ある時 気が付いた。兄ちゃんは俺の分まで殴られてる。俺のためにいっぺえ我慢してるって。んだから…俺なんか消えた方がいいって。
鉄男:それで…出てったのか?
典男:うん。汽車で盛岡まで行って無賃乗車でとっ捕まったんだけど 通りすがりの夫婦が助けてくれて。その人たちは盛岡で床屋やってて それからず~っとそこで手伝いしながら技術身につけて…。
(回想)
店主:手伝うってか。
店主の妻:偉えな 典男。
(回想閉じ)
典男:独立するって話になってこっちに戻ってきた。
鉄男:床屋さんになったのか?
典男:うん。もうすぐ10年になる。
鉄男:うまくいってんのか?
典男:まあ…そこそこ。
鉄男:家族は?
典男:かみさんと せがれが2人。
鉄男:そうか…幸せでよかった。
典男:悪いな…兄ちゃん 悪い。明男が…講演聞いたうちのせがれが言ってた。兄ちゃんはうんと苦労したって。
鉄男:おめえが謝っことじゃねえ。
典男:俺は勝手に家飛び出して 優しいおじさんたちによくしてもらって 俺だけがいい思いして。んだけど…兄ちゃんは 兄ちゃんは…。
鉄男:典男。生きててくれて…ありがとな。俺もあのあと…家 出たんだ。母ちゃんに…自分の人生生きろって言われた。
典男:そのあとは?
鉄男:一度も会ってねえ。
典男:俺も福島 戻ってから一度…あのうち 見に行ったんだ。んだけど…はあ もう取り壊されてて。父ちゃんも母ちゃんも行方分かんねえって。
鉄男:そうか…。
典男:うん。俺…今でも時々 母ちゃんの夢 見んだ。
鉄男:俺もだ。俺は…母ちゃん一人に全部しょわせて あの家捨てた。本当は…俺が母ちゃん守ってやんなきゃなんねがったけど 何にもしてやれねがった。
まさ:そんなこと…ないと思う。お母様はきっと あなたたちが立派になって喜んでると思う。私もね 昔は…子どものそばさ いたいって思ってたけど…そうじゃないのよね。どこにいても…元気で自分の道 生きててくれてら母親にとってそれが一番の幸せ。大丈夫!あなたたちは十分に親孝行してっから 胸張って生きてっていいの!
鉄男:ありがとうございます。
その日は 喜多一に典男の家族を招いて にぎやかなひとときを過ごしました。
典男:うわ~うまそうだな!
鉄男:フフフ。
まさ:はい。
<<浩二:ただいま~!
まさ:あっ お帰り!
裕一:浩二だ。お帰り~!
浩二:誰か来てんの?
裕一:うん!
典男:あっ!
浩二:ありゃ…何で?
裕一:えっ? 知り合いなの?
浩二:いつも散髪してもらってる床屋のご主人。
裕一:え~!ハハハハハ!
♪
まさ:召し上がれ。
典男:はい。明男。食べ。
裕一:あ~よかったね。
鉄男:酒好きか?
典男:うん 好きだ。
裕一:う~ん このイワシ おいしいね!
まさ:それ 三上さんから頂いたのよ~。
典男:あっ 兄ちゃんもイワシ好きだったよな?
鉄男:よく覚えてんな。
裕一:へえ~!
典男:あっ 俺の分 やるよ!
鉄男:ううん。いいから いいから いいから。
典男:子どもの時はいっつも兄ちゃんの分 分けてくれたろ。
鉄男:いや 気持ちだけ受け取っておくよ。
典男:遠慮しんなよ。
明男:じゃあ 俺 食べる。
鉄男:あ~そうだ そうだ。明男 食え食え…。いっぱいいっぱい食べて。
典男:いいのか?
鉄男:いや 俺がいっぱい食ったってしょうがねえだろ。
裕一:浩二も食うか?
浩二:いや いいって。
裕一:一個ぐらいあげるよ。
浩二:いいって。
裕一:一個でいいんだよ。
浩二:要らねえって! 兄ちゃんが食えよ。
●福島・古山家・中庭
鉄男:よいしょ~! アハハ。
明男:うわ~!
典男:アハハ!
鉄男:おじちゃんの勝ち~!
明男:あ~あ。
鉄男:もっと強い腰…。
明男:あ~。
典男:武男 おめえ さっきから何書いてんだ?
武男:ないしょ!
典男:何だ ないしょって。
浩二:ないしょだもんな。
武男:うん。
浩二:アハハハ…。
まさ:ねえ 甘いもん食べる?鉄男さんの東京土産。
明男:食べる!
鉄男:あ~。
明男:ねえ 鉄男おじちゃん 東京ってどんなとこ?
鉄男:んだな…ひと言じゃ言えねえけど面白えとこだ。
明男:今度遊び行ってもいい?
鉄男:もちろん!いろんなとこ連れてってやる。
明男:約束ね!
鉄男:おう 約束 約束。
(笑い声)
明男:あっ 今 何時?
浩二:あ~6時過ぎ。
明男:あ~あ「さくらんぼ大将」終わっちったよ。
まさ:えっ「さくらんぼ大将」聞いてくれてんの?
明男:♪「さくらんぼ 隠れん坊 さくらんぼ」「紅い頬ぺた さくらんぼ大将」。
鉄男:その歌 このおじさん作ったんだ。
武男:え~!?
多美子:えっ そうだったんですか!家族で欠かさず聞いてんです。
裕一:ありがとうございます。
典男:僕も大好きです。
明男」:え~!
典男:孤児だった六郎太が街さ出て いろんな人に出会ってくでしょう。自分と ちっと重ねたりして…。
裕一:あ~そうですか。フフッ。
明男:ねえ 六郎太がどうなっか知ってんの?
裕一:もちろん知ってるよ。でも ないしょ~。
武男:え~教えて!
明男:ねえ 教えて教えて!
裕一:え~? じゃあ じゃあ 特別だよ? 最後は…みんなで一緒に幸せになる!
明男:え~? もっと詳しく…。
裕一:え~!駄目だよ~。
●コロンブスレコード・会議室
鉄男:自分の過去を引きずりながらも…。
東京に戻った鉄男は映画の主題歌を書き上げました。
映画関係者:分かりました。優しさと力強さが共存した感じですか?
鉄男:そうなんですよ!
その後も「東京だョおっ母さん」などの家族をテーマにしたヒット曲を世に残すことになるのです。
●東京・古山家
(電話の着信音)
音:はいはい はいはい…。はい 古山でございます。
裕一:あ~もしもし 音? 僕。
音:裕一さん?
裕一:ごめん。あんねえ しばらく帰れそうにないんだ。浩二に頼まれてね こっちの農業会の仕事 引き受けることになったの。
音:しばらくって いつまで?
裕一:ちょっと まだ分かんないな。ねえ そっち変わりない? 華 どうしてる?
音:元気ですよ。全然相手してくれないけど。お義母さんたちは?
●福島・古山家
裕一:フフッ 元気してるよ。
浩二:兄ちゃん もう行くよ。早く!
裕一:はい。ごめん。じゃあ行かなきゃいけないからさ また連絡すんね。
●東京・古山家
音:ちょ…裕一さん!
(華の暗唱する声)
音:ねえ…ねえ 華。私たちも福島行かない?華も久しぶりにおばあちゃんに会いたいでしょ?
華:行けないよ。学校あるんだから。
(時計の時報)
音:ん~…。
(ため息)
音:つまらないわ…。う~ん。
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。