【エール】セリフ書き出し21週104話|実力不足を自覚して降板を申し出る音

朝ドラ【エール】21週104話、オペラ「ラ・ボエーム」の主役ミミに抜擢された本当の理由を千鶴子から教えれた音。

「古山裕一の妻である音が主役になれば話題になるしいい宣伝になる」。こう聞かされた音は千鶴子にあなたならどうする?との問いかけ。

千鶴子は、その悔しさをバネに必ずいい舞台にしてみせると覚悟を決めるというが、今の自分では無理だと悟る音。

かくして、音は自ら降板を申し出て、裕一に涙を流してお詫び。

もっと若い頃だったら挑戦し続けようって思えたかもしれない。でも残念だけど 大人になるといろんなことが見えてきてしまう。はあ…。分かってしまったんです。私…私はここまでだって。悔しい…。悔しいけど…どうにもならん。裕一さん ごめんなさい。裕一さんとの約束…果たせなかった。大きな舞台で歌う歌手には…なれなかった。ごめんなさい。ごめんなさい…。ごめんなさい…。

こんな傷心の音に無駄に反発する華は、反抗期ということで大目に見てあげましょうね。

【エール】21週104話セリフ書き出し

●ベルトーマス羽生の家・レッスン室

(音の歌声)

羽生:今日はここまで。あんまりやり過ぎない方がいいと思うけど。

音:頑張らないと追いつけないので。

羽生:でもね…。

音:あっ 最後に…最後にここだけ。ここだけお願いします。

羽生:一回だけよ。

●古山家・台所

(足音)

音:ただいま。

華:お帰り。ごはん もうすぐ出来る。

音:ごめんね。あとで頂くね。

<<(音の歌声)

●JAZZ喫茶「バンプー」

渉:うん! おいしい!

華:フフフ よかった。

保:うれしいね~。お小遣い握りしめて うちのミルクセーキ飲みに来てくれるなんて。本物の砂糖があればもっとおいしくできるんだけどな~。

恵:若いっていいわね~。思い出すわ~…。

保:何を?

渉:お母さん オーディション受かったんだ!すごいね。

華:う~ん…。でも何かあんまり楽しそうじゃないんですよね。

渉:どういうこと?

華:毎日 疲れ果てて笑うことも少なくなって…。あれがお母さんのやりたいことなのかな?

●「ラ・ボエーム」練習会場

(伊藤と音の歌声)

駒込:うん…。ちょっと伝わりにくいかな。

音:はい…。

伊藤:古山さんは 譜面どおりに歌えばそれでいいって思ってませんか? 大切なのはそこから先でしょう。あなた 浦東にミミを演じる覚悟があるんですか!?

駒込:伊藤君 伊藤君…。古山さん 大丈夫。頑張りましょう。ねっ?

●「ラ・ボエーム」練習会場・廊下

音:千鶴子さん。

千鶴子:二次審査まで通過できたのは確実にあなたの実力よ。ただ…最後の審査の席で常務の脇坂さんが突然言い出したの。古山裕一さんの妻であるあなたを主役に起用すれば話題になるし宣伝にもなるって。

音:それ…ほかの方々は?

千鶴子:みんな 知ってる。

音:千鶴子さんなら…どうする?

千鶴子:私は…。悔しさをバネに何としてもいい舞台にしてみてるって覚悟を決めると思う。
音:できると思う? 今の私に。

千鶴子:…。

音:うん…。

●「ラ・ボエーム」練習会場

音:この舞台を降板させて下さい。

駒込:はっ? いや 何言って…。えっ 冗談やめてよ。

音:今 ここで降りることがどれだけご迷惑をかけるか…無責任だと重々承知しています。

駒込:そうだよ そのとおりだよ。えっ あんた 一体…。

音:ですが…力不足の私がこのまま続けるのは舞台にもお客様にも失礼なことだと思い至りました。この役は本来やるべきだった方にやって頂きたいです。

駒込:ねえ…ちょっと待って。ねっ? ちょ…ちょっと待って。

音:申し訳ありません。

駒込:あああ…。

伊藤:いいんじゃないですか? ここは本人の意思を尊重してあげるべきと思います。

駒込:いや しかし…。

伊藤:古山さんだって ここままじゃつらいと思いますよ。

●古山家・玄関

裕一:えっ!? こ…降板!?

音:うん。おわびして 演出家の方にも了承して頂いて。

裕一:ちょちょ…ちょっと待って。ねえ…ど…どういうこと?

●古山家・居間

音:千鶴子さんも黙ってるの苦しかったと思う。本当のことを教えて頂いてよかった。2人とも協力してくれたのにごめんなさい。

裕一:ねえ…あの…別のオーディション受けてみなよ。ほら…せっかくここまでレッスン頑張ってきたんだからさ。

音:う~ん…う~ん…。でも…もういいかな。少し疲れちゃった。さあ お夕飯にしましょうか。華 これ片づけといて。

●JAZZ喫茶「バンプー」

音:そんな甘い世界じゃないことは分かってました。でも…どれだけ努力しても根本的に力がない。稽古していても私だけ空気が違うんです。私以外の皆さんはずっと先を見ていた。でも私はオーディションまでしか見えてなかった。覚悟がなかったんです。

●古山家・居間

華:お母さん。

音:うん?

華:レッスンは?今日も行かないの?

音:しばらくお休みすることにしたの。

華:しばらくっていつまで?

音:さあ? いつかしら…。

華:何それ…。人にはやりたいことやれって言っときながら何なの!?それ。

裕一:華。

裕一:華もさ きっと心配してるんだよ。

音:うん。

裕一:音…。本当にもう歌わないつもりなの?

(音のため息)

音:もっと若い頃だったら挑戦し続けようって思えたかもしれない。でも残念だけど 大人になるといろんなことが見えてきてしまう。はあ…。分かってしまったんです。私…私はここまでだって。悔しい…。悔しいけど…どうにもならん。裕一さん ごめんなさい。裕一さんとの約束…果たせなかった。大きな舞台で歌う歌手には…なれなかった。ごめんなさい。ごめんなさい…。ごめんなさい…。

●古山家・廊下

半年後

裕一:音。

音:はい。

裕一:今 ちょっといい?

音:はい。

裕一:一緒に行きたい所がある。

●孤児院「聖マリア園」

裕一:音…この教会でもう一度 歌ってくれないかな?

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。