【エール】セリフ書き出し21週103話|「ラ・ボエーム」主役ミミ役に抜擢された音

朝ドラ【エール】21週103話、吟の家に一泊した華を迎えに来た裕一は、途中で孤児院「聖マリア園」を訪れた。

そこでシスターの飯塚佐代(黒川智花)から、子供たちがようやく娯楽を楽しめるようになった。でもこれからが大変になると。

一方、音はオペラ「ラ・ボエーム」の主役ミミの最終審査に合格。すぐに練習が始まるが、ほかのメンバーとの実力の違いに戸惑いを覚え…。

実は最終審査の際に「ラ・ボエーム」の公演を企画した千代田音楽協働社の脇坂常務が、独断で音を主役に抜擢したことが判明。

本来なら、最終審査で3票を獲得した井上秀子と、千鶴子も投票し同じく3票を獲得した橋本百合子がもう一度、競うはずだったのだが、脇坂の鶴の一声で決まってしまったという事実を知る由もない音だった。 

ロドルフォ役 伊藤幸造:海宝直人

マルチェッロ役 八田 武:田中俊太郎

【エール】21週103話セリフ書き出し

●古山智彦の家

ケン:大丈夫だよ。このぐらいしっかり塗らなきゃ。

智彦:あ~そうか。

吟:華ちゃん お父さん迎えに来てくれたわよ。

裕一:おはようございます。どうも 華がお世話になりまして。

智彦:あっ いて…またいつでも来て下さい。

吟:私もケンも出るので そこまで一緒に行きましょう。

裕一:はい。

吟:ケン 支度して。

ケン:は~い。

裕一:華…帰ろう。

●孤児院「聖マリア園」

子ども:あっ ケンにいちゃんだ!

ケン:おう! 強いメンコ作ったぞ。

裕一:教会…。

吟:そうだ。ねえ 知ってた? 音と裕一さんが初めて出会ったのって教会なんだって。

裕一:いや あの…。

華:えっ? 文通って言ってなかった?

吟:それがね…子どもの頃に川俣の教会で歌ってた音のことを裕一さんが偶然見てたって。

裕一:いいじゃないですか その話はもう。

華:ふ~ん。

ケン:華姉ちゃんもやろうよ!

華:えっ?

華:ボタン…ボタン ずれてる。

吟:優しいですよね 華ちゃん。

裕一:ええ!

佐代:子どもたちのためにいろんな催し物をやってるんですよ。

吟:佐代さん こんにちは。

佐代:こんにちは。

吟:古山裕一さんと華ちゃん。

裕一:初めまして 古山裕一と申します。

佐代:えっ? 古山裕一さんって あの作曲家の?

裕一:い…一応。

佐代:「鐘の鳴る丘」子どもたち いつも楽しみに聞いてるんですよ。「とんがり帽子」も一緒に歌ってます。

裕一:え~!うれしいです。ありがとうございます。

佐代:この子たちも ようやく娯楽を楽しめるようになって…。今までは命をつなぐことに必死でしたからね。

吟:佐代さんたちのおかげですね。

佐代:最低限の衣食住は満たされても本当に大変なのはこれからなんですけどね。

●古山家・玄関

<<(戸の開閉音)

<<ただいま。

音:お帰りなさい。

華:ただいま。

●古山家・華の部屋

音:華の気持ち ちゃんと考えてあげられなくてごめんなさい。駄目ね…。

華:私も…言い過ぎたし。

音:あのね 華…。お母さんが歌を中断したのは華のせいじゃない。お母さんが華を選んだの。華に会いたかったの。

●古山家・階段下

裕一:ちゃんと話せた?

音:伝わったかは分からないけど。

裕一:そっか…うん。ゆっくりいこう。

音:うん。

●古山家・居間

それから数日後 最終選考の連絡が来ました。

音:(電話)はい…分かりました。ありがとうございました。はい…失礼します。

裕一:えっ…ど…どうだった? ちょちょ…音? 音? えっえっ?

音:どうしよう…。

●古山家・玄関

<<えっ えっ えっ?

華:ただいま。

<<受かってしまった!

<<えっ!? えっ えっ?

裕一:受かった!? 受かったの!? 本当に!?

音:信じられない…本当に私でいいのかしら?

裕一:いいんだ いいんだ いいんだよ いいんだよ いいんだよ! えっ…おめでとう!おめでとう!本当におめでとう!

音:うん…頑張る。絶対にいい舞台にする。

裕一:できる…絶対できる…。おっ 華 お帰り! お母さん受かったよ!

音:華!これから忙しくなると思うけど…お手伝い 頼んでもいいかしら?

華:お弁当は自分で作るよ。

音:ありがとう。

華:おめでとう。

●「ラ・ボエーム」練習会場

そしていよいよオペラ「ラ・ボエーム」の顔合わせの日がやって来ました。

駒込:古山さん お待ちしていました。皆さん 主役のミミを演じる古山音さんです。

音:古山音です。よろしくお願いします。

(拍手)

駒込:演出家の駒込です。

音:よろしくお願いします。

駒込:お席はあちらです。

音:はい。

伊藤:古山さん 伊藤と申します。よろしくお願いします。

音:ロドルフォの…。古山です。よろしくお願いします。

伊藤:いい舞台にしましょうね。

音:はい。

駒込:さて 皆様おそろいになられましたので 顔合わせを始めたいと思います。…が 最初に私からご挨拶を申し上げます。「ラ・ボエーム」は青春偶像劇です。芸術家志望の貧しい若者4人に2人の女性が関わることで 彼らが大人になっていくさまを描いていきます。

「ラ・ボエーム」マルチェッロ役 八田 武

「ラ・ボエーム」ムゼッタ役 橋本百合子

「ラ・ボエーム」ロドルフォ役 伊藤幸造

古山音 東京帝国音楽学校中退

駒込:どうぞよろしくお願いいたします。

(拍手)

●JAZZ喫茶「バンプー」

保:どうぞ。

音:はあ~疲れた。コーヒー おいしい。

恵:どうぞ。

音:ありがとうございます。

恵:お稽古 大変そうね。

音:すごい方ばかりなんです。ついていけるかしら…。

恵:音さんなら大丈夫。

音:ありがとうございます。頑張るしかないですよね。

保と恵:うん。

音:うん。

●NHK放送会館・放送室

池田:帝都劇場の「ラ・ボエーム」!? えっ 奥さん 舞台経験あるんだっけ?

裕一:いやいや…音楽学校を中退してずっと休んでたんで これが初めての舞台なんですよ。必死に練習してオーディション勝ち抜きました。

池田:へえ~! ブランクあるのに大したもんだ。あっ 演出家は?

裕一:え~っと…駒込さんって言ってたと思います。

池田:駒込?

裕一:はい。

池田:あ~あの調子のいいやつか。

裕一:えっ ご存じですか?

池田:うん。まあね。そっか…駒込か。へえ~。

●「ラ・ボエーム」練習会場

伊藤:古山さん どこ見てるんですか? 僕を見て下さい。

音:あっ…すみません。

伊藤:指揮は見るものじゃなくて感じるものでしょ。それから この先の話なんですけど ハイツエー もう少し伸びませんか?

音:はい。

伊藤:それと ここの歩き方なんですけど…。

駒込:伊藤君 伊藤君。そういうのは演出の仕事だから。ねっ? 古山さん 大丈夫。少し休憩して。もう一度 今のところからいきましょう。

音:すみません。お願いします。

駒込:大丈夫。休憩しましょう。

伊藤:はい。

●古山家・台所

裕一:置いとくね。

華:はい。これと…。

裕一:もう一個?

華:うん。もう一個。

(足音)

音:ただいま。

裕一:お帰り。音が作ってってくれた煮物 ちょうど あったまったところ。

音:先に召し上がっていて下さい。今日の復習しないと。

裕一:えっ ごはん食べてからでもいいんじゃないの? 大丈夫かな?

●「ラ・ボエーム」練習会場

<<♪~(音の歌声)

歌手仲間:千鶴子さん 先に行くわね。

千鶴子:あっ ごめんね。

駒込:よし…ちょっと休憩にしよう。

(伊藤のため息)

音:伊藤さん…いろいろご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありません。

伊藤:僕に謝ることじゃないです。

駒込:脇坂常務!

脇坂:ご苦労さん ご苦労さん。

駒込:古山さん こちら今回の公演を企画された千代田音楽協働社の脇坂常務。

音:あっ…古山です。よろしくお願いします。

脇坂:どうですか? 調子は。

音:皆さんにご迷惑をおかけしてしま…。

脇坂:大丈夫ですよ。あなたならきっとやれる。

音:あっ…。

(回想)

駒込:よろしいですね? ではこの2人でもう一度…。

(ドアの開閉音)

駒込:脇坂常務。

脇坂:ご苦労さま。

駒込:今 オーデションが終わりまして ちょうど最終審議を。

脇坂:主役は…古山音さんでいこう。彼女 古山裕一さんの奥さんだそうだ。話題になるだろう。宣伝にも使える。

千鶴子:あの…お言葉ですが…それでは何のためのオーディションだったのでしょう?

脇坂:駒込君 いいよねえ?

駒込:はい。

(回想閉じ)

脇坂:古山さん 期待してますよ。

音:はい…頑張ります。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。