朝ドラ【エール】21週102話、華の言葉「私にはお父さんみたいな才能もないし お母さんや渉さんみたいな目標もないし 好きなものも分かんないし何がやりたいのかも分かんない」。
何かに一生懸命な母親とそれに反発する娘が対立する構図で、思い出すのは「あさが来た」のあさと千代。
いや、もっと激しく反発していたのは「べっぴんさん」のすみれとさくらの母子。
ジャズ喫茶に入り浸り始めた頃からぐれ始め、世に言う「さくらの暗黒時代」なる言葉も出来たような記憶がある激しい反抗期。
この「エール」でも喫茶「バンブー」が、いつの間にかJAZZ喫茶「バンブー」に替わっていて、母娘対立がある時、そこにはジャズ喫茶が関わっているという新たな法則を発見です。
【エール】21週102話セリフ書き出し
●古山家・裕一と音の寝室
華:はい。
裕一:うん。ありがとう。頂きます。うん! おいしい。
華:あ~よかった。「風は万病のもと」だからね しっかり治してよ。
裕一:はい。
(OP)
音:裕一さん!
裕一:あ~お帰り。
音:大丈夫です?
裕一:大丈夫 大丈夫。ごめんね。
薬ものんだし 大したことないから。
華:お水 替えてきたよ。
音:あっ ありがとう。
裕一:うん。ありがとう。
音:ごめんね 世話かけてしまって。
華:いいよ。お母さん 最終審査残ったんでしょ?
音:うん。
華:練習いっぱいしないといけないんでしょ? 家のこともお父さんの世話も私やるから。
音:フフフ…それはいけません。
華:何で?
音:だって これはお母さんのお仕事だから。華は自分のやりたいことやりなさい。
華:別にやりたいことなんてないし。
音:若いのに何言ってんの。あとはお母さんがやるから。貸して。はい 裕一さん 上げて下さい。
裕一:華 ありがとね。
華:うん…。
●古山家・台所
裕一:おはよう!
音:わっ! 裕一さん。
裕一:おはよう。
音:大丈夫?
裕一:うん。ぐっすり寝たら熱下がった。
音:よかった。華のおかゆが効いたかしら。
裕一:いや~優しい味でおいしかったな。華 よく気が利くね。いい子に育った。
音:そりゃ 私たちの娘ですもん。
●JAZZ喫茶「バンプー」
保:いらっしゃい。
恵:いらっしゃい。
渉:こんには! 伝説のミルクセーキを頂きに来ました。
保:おっ! 今日はちょうど卵が手に入ったんだ。
渉:本当ですか! あっ 華さん 来てたんだね。ちょうどよかった。お父さんにお礼を伝えてほしいんだ。
華:お礼?
渉:東京で一番強く高校と練習試合して完封したんだ。また一歩 甲子園に近づいた。
華:うわ~ よかった! おめでとうございます。
渉:きっとお父さんのサインの後利益だと思う。
華:伝えときます。
恵:そういえば 裕一さん 体調大丈夫?
華:はい。もうすっかり。
保:よかった~。華ちゃんや音さんにうつったら大変だからね。
恵:うん…音さん 最終審査控えてるしね。
渉:最終審査?
華:今 オペラのオーディション受けてるんです。
渉:オペラ…。
華:母は歌手になるために東京に出てきたんです。私が生まれたんで学校も歌もやめたけど 最近またやり始めて。
渉:へえ~そうだったのか!すごいね。
華:別にすごくは…。
渉:お父さんは天才作曲家 お母さんはオペラ歌手。いや~すごいよ!あっ…華さんはやらないの?音楽。華さんだって音楽の才能あるんじゃないのかな?
華:ないですよ。音楽…特に好きでもないし。
渡り:やってみたら楽しくなるかもしれないよ。僕も友達に誘われて始めた野球だったけど 今では人生で一番大切なものになった。
華:私 帰ります。宿題あるんで。
渉:えっ?
保:またね。
恵:気を付けて。
●古山家・華の部屋
華:ああ~! 何で 私 あんな態度…。バカだ 私…。
<<♪(音の発声練習)
華:どうせ 私には何にもないよ。
●ベルトーマス羽生の家・レッスン室
(音の歌声)
羽生:一旦休憩。よくなってきてるけど まだまだ課題は山積みよね。
音:はい…。
御手洗:ワオ! 音さん。あなたの未来 明るいみたいよ。
音:ティーチャー ちょっと何 勝手に占ってるんですか!
御手洗:このカードの意味 成功 満足 グッドエンディング。
羽生:あら~!
音:当たればいいですか…。
御手洗:私の占いが信用できないって言うの?
音:そういうわけでは…。
御手洗:まあ 確かに…占いは道しるべ。あとはあなたの努力次第よ。頑張って。
音:シー。
●ラ・ボエーム」ミミ役 最終審査会場
そしていよいよ 最終審査の日がやって来ました。
音:千鶴子さん…。
千鶴子:お久しぶり。
音:びっくりしました。こんなところで再会するなんて。
千鶴子:私は…また会える日を待っていたわ。でも審査は公平にやりますから。
音:もちろんです。よろしくお願いします。
●古山家・居間
裕一:そっか~。今週中に合否の連絡来るのか~。あ~あっ 緊張するな~!
音:今回は難しいかも。
裕一:えっ? うまく歌えたんでしょ?
音:あっ…力は出し切りましたよ。
裕一:うん。
音:でも…やっぱ 最終に残った方々はさすがだった。圧倒的にうまくて 実力の差を見せつけられた。とても私がかなうとは…。
裕一:いや 見込みがあるから最終まで残ったんだよ。ねえ 華? お母さんすごいよね? あんなにブランクあったのに よく頑張ってるよ。音は本当にかっこいい。
音:いつも好きにやらせてもらって感謝してます。華も好きなことを見つけたら どんどんやっていってね。ありがとう。
裕一:うん。
華:やりたいことがないと駄目なの?
音:えっ?
華:目標あるのがそんなに偉いの?私だって何にも考えてないわけじゃないよ。私なりに毎日頑張ってる。でも…。家の事手伝うって言ってもお母さんはやらなくていいって言うし。私を産んだせいでお母さんも人生を変えちゃったのなら申し訳ないと思って こっちは精いっぱい頑張ってるのに!
音:華…。
華:お母さん 私の気持ち 全然分かってない。もういい!
<<(戸の開閉音)
裕一:華…華!待ちなさい!
●古山智彦の家
<<(戸の開閉音)
吟:ただいま~。
ケン:あっ…。
吟:うん? 華ちゃん?
(吟と音の電話)
音:えっ お姉ちゃんのところに?
吟:うん。明日はお休みだし いいでしょう?ねっ?
音:ごめんなさい。明日 迎えに行くから。
吟:うん。じゃあね。
音:おやすみなさい。
吟:うん。
華:本当に泊まってってもいいの?
吟:もちろん。さあ 夕ご飯の準備しよう! 手伝ってくれる?
華:うん。
吟:さあ…。
♪
華:最近 自分がダメな人間に思えてきちゃって。
吟:駄目って?
華:私にはお父さんみたいな才能もないし お母さんや渉さんみたいな目標もないし 好きなものも分かんないし何がやりたいのかも分かんない。
吟:確かに…最近 世の中の空気もどんどん変わってきたよね。婦人代議士が誕生したり女子大が次々に出来たり 女もどんどん社会に出るべきだっていろんな人が言ってる。でも…人それぞれだと思うのよね。私だって若い頃はやりたいことなんてなかったもん。
華:そうなの?
吟:うん。たま~に 音や梅を見て羨ましく思うこともあったけど 夢を追い続けるなんて それはそれで大変そうだし。
華:何かの才能があればって思わなかった?
吟:うん…才能って大げさに聞こえるけど普通の日常の中に転がってると思うのよね。人の話を聞くのがうまいとか家事の手際がいいとか。それだって才能でしょう?コロッケ上手に揚げられた日は「私 天才!」って思うし。
華:フフッ…。私も吟おばちゃんみたいになれたらいいのにな。
吟:まあ…若いうちは いっぱい悩みなさい。話ならいつでも聞くから。ねっ?
華:ありがとう。
●古山家・裕一と音の寝室
音:母親失格ね…娘に気を遣わせて そのことに気が付かないなんて。やりたいことやれって言ったのも せっかく自由を謳歌できる時代になったんだし 伸び伸びと羽ばたいてもらいたくて。
裕一:あの年頃はさ 感受性も強いし のんびり見守ってあげよう。
音:うん。
裕一:うん。電気 消すね。
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。