朝ドラ「おかえりモネ」第7週「サヤカさんの木」33話、朝岡の登米再訪により、サヤカと中村先生との関係も明らかに。それは4年前の大震災…。
中村先生は災害支援の医者として、朝岡は救援ヘリ支援のための気象データを取るために観測器の設置で沿岸部を回っていたと。
そしてサヤカは、そんな復興支援に入った人たちの拠点として所有する建物を提供していたと。
あの時、何もできなかったと自責の念にかられる百音に対して、朝岡が
何もできなかったと思っているのは あなただけではありません。私たちはサヤカさんも もしかしたら誰もが自分は何もできなかったという思いを多少なりとも抱えています。でも 何もできなかったと思う人は 次はきっと何かできるようになりたいと強く思うでしょ? その思いが 私たちを動かすエンジンです。
という言葉を送り、その言葉の聞く百音の表情が素晴らしいと大拍手。そして、なぜか朝岡にだけ長セリフを語らせる脚本家さんに、西島秀俊さんへの愛を感じてしまうのは筆者だけでしょうか?
「おかえりモネ」セリフ書き出し第7週33話
●森林組合内カフェ「椎の実」
みよ子:食べてないでしょ。
内田:いやいや…そろそろお開き…。
文子:はいはい 今から食べんの。
百音:は~い 登米名物の油ふ丼ですよ~。
サヤカ:登米の米は宇宙一だがらね!
野坂:ああ だから日本酒がおしいわけですね。
翔洋:とにかぐ 米食わねえと帰れないのよ。
川久保:こごの米は東京の三ツ星シェフが舌を巻いたんだ。
中村:ああ いたいた! 朝岡さんがこっち来てるって聞いたから 私も早めに来ちゃいましたよ! ねっ 後で…。こんばんは。みよちゃん まだはっと汁残ってる?
みよ子:当たり前だっちゃ!まず ここさ座らい。
中村:腹ぺこぺこですよ~。
(OP)
サヤカ:あれがらもう4年ですか。
朝岡:そうですね。
百音:あの…お二人とサヤカさんは もともと どういう…。
サヤカ:4年前だよ。モネの島も大変だったね。中村先生は災害支援のお医者さんどして東京がら来てで 朝岡さんは…。
朝岡:観測器の設置で沿岸部を回ってました。救援ヘリ支援のための気象データも不足していたんで。
サヤカ:そうでしたね。
中村:姫はね この辺の建物を復興支援に入った人たちに開放してくれてたんです。
朝岡:私たちは登米を拠点に あちこち救援活動に出向いてました。
百音:そうだんですね。
朝岡:以来 何となく… お互い分野は違いますけどね。
サヤカ:こうして 2人の関係が続いてんの うれしいですよ。
中村:しかし まだまだだなあ。
朝岡:まだまだですね。
●亀島 永浦家 居間
未知:大学には行かないって前がら言ってだよね?私はすぐに働きたいの。水産試験場に行きたいの!
耕治:いやいやいや それは聞いでだげどさ みーちゃんなら これがら大学受験に切り替えだって 好きなとご行けんだろ?
未知:県職員試験 今月末だよ?学校がら出願してるし 今更受けないわけにはいかないの!
耕治:いやいや だがら 受からないようにすれば…。
未知:それ…わざと落ちろってごど? 何?
耕治:みーちゃん 無理してないが?
未知:え? 無理なんかしてない。
●森林組合内カフェテラス
百音:駅までお送りします。いつもお忙しいんですね。
朝岡:南の海上で台風が発生しそうなんですけど 東から別の台風も接近してきています。2つが影響し合う可能性もあるので 今から警戒しないと。
百音:それは…そうですね。
朝岡:分かりますか?
百音:少しは…。あっ あの…。
朝岡:はい。
百音:昨日 野坂さんたちとお話しされてたリードタイムって…。
朝岡:よし 来た。やっぱり食いついてきましたね。以前 10分後の天気が分かると行った時も食いつき方がすごかったので。
百音:ああ…。
朝岡:未来は平等に誰にも分かりませんよね。
百音:はい。
朝岡:でも 気象は分かります。今 私たちの頭の上で起きている気象現象は数日前 南の海や北の大陸で起きた現象に必ず起因しますから。だから それを分析すれば未来に何が起きるかが分かります。つまり 気象においては危険を予測し回避する時間が得られる。これが我々のリードタイムです。私たちが全力を尽くして提供するのは大切なものを守る時間です。あと…。ああ…いや。何もできなかったと思っているのは あなただけではありません。
回想・百音:あの日…何もできなかった。
●登米 米麻町 新田家 居間
(テレビ・朝岡)「台風18号は 日本海で温帯低気圧に変わりましたが東から近づいてくる台風17号との間で 湿った空気がぶつかって雨雲が発達しています。南北に連なった活発な雨雲が関東付近にかかり続けていましたが この時期 雨の中心は東北へと…」。
百音:サヤカさん。サヤカさんの部屋 山側だから 今晩はやっぱり私の部屋で一緒に寝ましょう。
(テレビ・朝岡)「東北は200ミリ。既にこれまでに経験したことがないような大雨になっている地域もあります。最大級の警戒をよろしくお願いします」。
●登米 米麻町 新田家 百音の部屋
サヤカ:何かウキウキするね!修学旅行みたい!
百音:何 のんきなごど言ってんですか。非常時ですよ! よし。おお かわいい。
サヤカ:んだっちゃ。お気に入りなの。
百音:フフフ。
サヤカ:へえ~あなた こんなの貼ってたの。
百音:最近は 仕事の記録みたいになっちゃってますけど。
(ラジオ)「先ほど 宮城県に大雨の特別警報が発表されました。気象庁によりますと これまでに経験したことのないような大雨になっている。重大な危険が差し迫った異常事態といっていい状況…」。
サヤカ:私ねえ…。超大型台風が来た日に生まれだのよ。カスリーン台風っていってね 登米も そりゃもう ひどい被害だ出だらしいの。
百音:私も…私もです!
サヤカ:ん?
百音:私も台風の日に生まれたんです。海が荒れて 島がら出られなくて 友達のお父さんに船だしてもらって…。
サヤカ:ふ~ん…んで 9月?
百音:はい。
サヤカ:何日?
百音:17日。
サヤカ:おんなじじゃないの!
百音;え~っ! うそみたい 本当に!?
サヤカ:うん。 ほらぁ あんだ やっぱり こごの山に引っ張られできてんのよ。
百音:え? 私 山の神様のお怒りを鎮めらんないですよ?
サヤカ:ハハハハハハ! そんなもん 私だって鎮めらんないよ。
百音:お~。
サヤカ:山の神様がぁ!
百音:ちょ…ふざけないでください!
サヤカ:みんな大丈夫がね…。大した被害がないといいげど…。
百音:だいぶ 雨雲は切れてきてるから 多分 あと1時間ぐらいでこの雨はやむと思います。
サヤカ:そう。水害でね こごらの集落は全部 壊滅状態になったらしい。私はその混乱の中で生まれで こごの山主に引き取られだ。
百音:そうだったんですか…。
サヤカ:山主の この新田の家は 代々 伊達の殿様の言うごどを守って 山にコツコツど 木を植えできた家だった。
百音:そんな昔から植樹してたんですか?
サヤカ:木は家になるでしょう。暖を取る燃料にもなる。船にもなる。
百音:すごいですね 木って。
サヤカ:何もかも失ってしまったどしても そごに木があれば 人は必ずそれを使ってまだ生ぎようどするよ。
百音:もしかして あの300年のヒバは…。
サヤカ:あの木は 人々の暮らしを守る最後のとりで。そう教えられで フフ…育って。私はこの土地を守んのが役目だと思って生ぎできたのよ。案外 真面目でしょ?
百音:知ってます。
サヤカ:おっ! フフフ こりゃ参った。
百音:ん…ついた。
♪
(サヤカの電話)
サヤカ:みんな頑張ってくれたんですね。そうですか。じゃあ迫川も 北上川の方も大丈夫? じゃあ さほど大きな被害は…。
(回想)
朝岡:何もできなかったと思っているのは あなただけではありません。私たちはサヤカさんも もしかしたら誰もが自分は何もできなかったという思いを多少なりとも抱えています。でも 何もできなかったと思う人は 次はきっと何かできるようになりたいと強く思うでしょ? その思いが 私たちを動かすエンジンです。
(回想閉じ)
(テレビ・朝岡)「関東から東北へと移り 各地で記録的な大雨となりました。ただ これまでの雨量は多い所で関東の山沿いや東北の南部 400ミリを超えている記録的な大雨になっている所もあります。土砂災害など厳重な警戒が必要です。また平野部でもこれから川が増水して…」。
回想・朝岡:何もできなかったと思う人は 次はきっと何かできるようになりたいと強く思うでしょ?
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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