「おかえりモネ」セリフ書き出し第6週29話|積極治療っていうのは明確な目標を掲げた前向きな治療のことばかりを言うんじゃない

朝ドラ「おかえりモネ」第6週「大人たちの青春」29話、大きなダイニングテーブルと椅子の発注を突然キャンセルした田中を訪ねた百音。

その理由の裏には、田中曰く「昭和の倫理感」という浮気の積み重ねで、奥さんと娘さんが家を出て行った過去が。

しかも、去年に結婚したという娘にはこの夏、孫が生まれると聞いて、会いたいけど今更会えない、会ったところでレベル4のガンを患っている自分を見せたくない…。

複雑な心情の田中。そして百音に田中さんを助けてと言われた菅波は、

助けられるなら やってます! 今の知識や技術では田中さんを助けられない。絶対に助けられないと僕は分かっているし 向こうも分かってる!そういう相手の内面に心情に無理やり飛び込んでいくことが どういうことか分かりますか?

しかし、この後、百音に大きな声を出したことをきっかけに菅波の中で何かが変わり…。

一日でも長く生きたいって思う日もあれば もう終わりにしたいって思う日もある。当然です。ただ もし そんなふうに毎日考えが変わってしまうなら 固定概念や意地や罪悪感のために結論を急ぐようなことはやめて 本当に自分がそうしたいと思った方向にいつでも針路を変えられるように 結論を先延ばしにできる治療を続けてみませんか?

積極治療っていうのは 明確な目標を掲げた前向きな治療のことばかりを言うんじゃないと僕は思うんです。迷う時間を作るための治療だと思いたいです。

菅波と田中、ともにサヤカが言うところの

若い あんだがら見っと 余裕しゃくしゃくで生ぎでるように見える立派な大人もね 本当はじだばだ もがぎながら生ぎでんの。案外 傷ついでるし 必死なのよ。

ということになり、上手い脚本だなと唸った本日の「おかえりモネ」感想でした。

「おかえりモネ」セリフ書き出し第6週29話

●登米 米麻町 新田家

百音:子のテーブルすごぐ大きいですよね。誰か来た時に一緒にごはn食べられるようにって 大きなテーブルを買ったんですよね?

サヤカ:うん…そりゃ まあ。

百音:そうですよね…大きなテーブルは…やっぱり そうですよね。

●登米 ジャズ喫茶「Swifty」

百音:もう一度 考えてみませんか?

田中:えっ…テーブル?

百音:はい。組合としても契約中断は痛くて…。

百音は再び 田中さんにテーブルと椅子を作らせてもらえないか 頼みに来ていました。

百音:えっ…。

田中:えっ?

百音:ひど…。トムさん それ ひどくないですか?いっぺんに そんな…何人も? えっ 結婚してんのに?

田中:いや…引くな引くな 引くな引くな。いや 割と よくある話だったんだよ。昭和の倫理観だよ。

百音:ひどい…ひどすぎます!奥さんがかわいそう!娘さんだっていんのに?ひどい…。

田中:だから 愛想尽かされて 有り金引っぺがされて 今 このザマじゃねえかよ。フフフ…。

百音:会ってないんですか?

田中:元奥さん? うん…会ってないねえ。どこにいるかは知ってるんだけど…。娘が去年 結婚したって人づてに聞いてね。コーヒーいれるよ。

百音:トムさん この…大きなダイニングテーブルを作ろうと思ったのは その…奥さんと娘さんと もう一度 一緒に食卓を囲ん…。あっ すいません。

田中:最後にな そんな夢も見たよ。でもなぁ…。こんな姿も見せたくねえって思ったりもするしさ。でもなあ…でも…孫が…生まれるらしいんだ。夏に…。それまでは頑張ろうかなとか思ったり…。いや でも…頑張ったとこで会えるわけねえし…。

●登米 森林組合内「よねま診療所」

百音:田中さん 本当はもう少し 頑張れたらって 思ってるんじゃないでしょうか?頑張って できればご家族ともう一度 会いたいって…。

回想・田中:もう面倒くさくって。ハハハハハハ…。若さはいっときだよ 若先生!

菅波:お疲れさまでした。

百音:先生 待ってください。田中さんが本音を話してくれても私には何にもできないから先生に相談してるんです。

菅波:相談なら中村先生にしてください。中村先生の方が知識も技術もありますから。では。
百音:先生だって 知識も技術も資格もあるじゃないですか。資格がある人は人の財産や命に係わる仕事ができるって。先生だったら田中さんを助けてあげられるのに…。

菅波:助けられるなら やってます! 今の知識や技術では田中さんを助けられない。絶対に助けられないと僕は分かっているし 向こうも分かってる!そういう相手の内面に心情に無理やり飛び込んでいくことが どういうことか分かりますか?僕が挫折したことないって言いましたよね。

菅波:大きな声出して すみませんでした。

菅波:はあ…。

●森林組合内カフェ「椎の実」

(戸が開く音)

サヤカ:フフフ…。けんかでもしたの?

百音:うん…。

サヤカ:若いねえ。

百音:私が無神経なごど言っちゃって…何も分かってないのに。

サヤカ:若い あんだがら見っと 余裕しゃくしゃくで生ぎでるように見える立派な大人もね 本当はじだばだ もがぎながら生ぎでんの。案外 傷ついでるし 必死なのよ。

百音:うん…。

サヤカ:医者の大変さなんてのは 私でも分がんないよ。

●登米 ジャズ喫茶「Swifty」

田中:悪いね 日曜でヘルパーさん つかまらなくて。

百音:大丈夫です ちょうと今来たとごで よかったです。新聞まとめたのって 裏に出しといた方がいいですか?

田中:ああ ありがとう。

(戸が開く音)

菅波:すいません。

田中:あれ? どうしたの? 先生。

菅波:あの…高速バスが事故渋滞で遅れてるみたいで…時間潰させてもらってもいいですか?

田中:ああ…どうぞ。

田中:東京に帰られるんですか?

菅波:はい。

田中:大変だねえ 行ったり来たり。

菅波:ええ。時々 うんざりします。でも時々 東京で 無性にこっちに来たくなったりもします。

田中:へえ…意外だな。

菅波:どっちが本心かって聞かれたら 自分でも分かりません。本心なんて あってないようなもんです。でもいいんです。毎日 言ってることが変わっても。人間の気持ちなんて そんなもんです。

田中:俺に言ってるんだな。

菅波:一日でも長く生きたいって思う日もあれば もう終わりにしたいって思う日もある。当然です。ただ もし そんなふうに毎日考えが変わってしまうなら 固定概念や意地や罪悪感のために結論を急ぐようなことはやめて 本当に自分がそうしたいと思った方向にいつでも針路を変えられるように 結論を先延ばしにできる治療を続けてみませんか?

菅波:積極治療っていうのは 明確な目標を掲げた前向きな治療のことばかりを言うんじゃないと僕は思うんです。迷う時間を作るための治療だと思いたいです。

田中:俺 優柔不断なんだよね。好きな女もあっちかなぁ こっちかなぁ いや案外 そっちかもしんねえぞって…フラフラしちまうんだよねえ。

菅波:え?

田中:ハハ…おいおい 先生もドン引きかよ。

菅波:いや…。

田中:潔癖だねえ! ハハ…。迷う時間か…。もうちょっとだけ 頑張ってみっか。

菅波:やめたくなったら いつでも言ってください。また考えましょう。

田中:ああ…そうだな。

百音:すみません 聞いちゃって…。

田中:面白え先生だな あの若先生。最後までニコリともしねえ。

百音:そうですね。

田中:やっぱ 作ってもらってもいいかな? テーブルと椅子。諦めたくないって 思ってんのかもしんねえな。だから頼むよ。

百音:はい ありがとうございます。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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