朝ドラ「おかえりモネ」第4週「みーちゃんとカキ」18話、りょーちん(亮)の父親・及川新次と、百音の父親・永浦耕治は幼なじみ。
しかし、震災で船を失った新次と、新たに船購入の融資を担当した耕治の間には、わだかまりが残り…。
と、船を購入する際の出来事は後日、改めて展開するはずで、いかに2人が揉めたかは、みーちゃんのこのセリフで分かるというもの。
お父さんにとって お金で損するごどが一番の悪だもんね。返済が正義だもんね!そうやって りょーちんのお父さんにも船 諦めさせたもんね! りょーちんのうち あんなに大変だったのに!
これに比べたら、みーちゃんと龍己じいちゃんの地場採苗についての意見の相違なんて可愛いものだと百音に言い聞かせたいところです。
「おかえりモネ」セリフ書き出し第4週18話
●亀島 永浦家 居間
亜哉子:ああ…モネ~ 洗濯物入れてくれたの?ありがとう。今 そこで悠人君のママに会って話し込んじゃって。何かあった?
(回想)
龍己:雨で海の塩分濃度が変わったらタネは沖さ 流される。2~3時間延ばしたどこで 数は変わんねえぞ。
未知:でも この程度の雨なら 濃度がそんなに変わんないよ。もうちょっと粘りたい。
龍己:もう とにかく 明るいうぢに揚げるぞ 来い。
未知:待ってよ! 自分で決めろって言ったの おじいちゃんじゃん。これは私の研究なの。私が決める。
龍己:よし。勝手にしろ!
(回想閉じ)
亜哉子:もう 2人とも強情っぱりなんだから。勝手にしろって言ったって未知一人じゃ原盤揚げられないし…。
(携帯の着信音)
亜哉子:おとうさんだ。もしもし おとうさん? 今ね おじいちゃんと未知が…。
耕治:ああ 悪い。今 人と一緒だがら。
亜哉子:あってごめん。
耕治:新次に会った。
亜哉子:えっ…。
耕治:ちょっと飲んでぐがら 遅くなる。
亜哉子:分かった。
●亀島 居酒屋
新次:あれ まだ吹いでんのが。
耕治:ああ メンテナンスだげな。吹くごどはもうないよ。
新次:もったいねえなぁ。
耕治:もったいねえのは おめえだよ。才能の塊だろ 亀島の新次っつったら。
新次:いづの話だよ。
耕治:漁労長のクチなら 今だって山ほどあんだろ。「及川新次が乗って魚群に当たらない日は一日もねえ!」って 言われてたんだがらさ。
新次:今更 よそんちの船なんか乗れっかよ。よし。ダラダラすっど 優等生の息子がうるせえがら帰るわ。これな。ありがとう。
店主:どうもね。
耕治:外 前強くなってんじゃないが?ああ…傘 使えよ。
新次:フフフフ…。
耕治:何だよ。
新次:準備がいいな おめえは。昔っから そつがねえっつうがよ。俺の船ん時もそうだよ。おめえの判断 正しがったよな。でもよ 焚ぎつけだのは おめえだろ。金で首が絞まるって分がってでも なんとがすんのが銀行員でねえの?なんつうのは甘えがね。フフッ…。んでな。
●亀島 漁港
未知:待って おじいちゃん!私も行く!
龍己:そっちで待ってろ!
未知:でも!
龍己:この雨では危ねえ!
未知:ごめん!こんなに急に振るって…。
百音:みーちゃん!
●亀島 永浦家 作業小屋
龍己:ああ もう そんな貼んなくていいって。
百音:でも 腫れてきてっから…。
龍己:もう十分だよ。
●亀島 永浦家 居間
亜哉子:おとうさん 夕方電話くれたでしょ?雨が降ってきた頃。
耕治:ああ ああ。
亜哉子:あの時 揚げちゃえばよかったんだけど…。
未知:タネの数 増やせると思ったから…。
亜哉子:でもね そもそも 暗くなる前に揚げておかなきゃいけなかったのよ。おじいちゃん 今はもう 暗くなったら海には出てないんだから。それにあの雨でしょ?
耕治:で「猿も木から落ちた」。
龍己:おい 落ちでねえよ。足ひねっただげだ。
亜哉子:本当はちょっと危なかったんじゃないかな。
龍己:原盤がいかだに引っ掛かって ちょっとよろげだだげです!
百音:大丈夫?
龍己:ああ 大丈夫ですよ。
耕治:さすがに年だな…。
亜哉子:あのね 未知。おじいちゃんね 未知が一生懸命頑張ってるから 真剣につきあってくれてるのよ。でもね それで おじいちゃんがけがしちゃったら 元も子もないの。だからね 研修熱心なのはいいことだけど…。
龍己:亜哉子さん もういいですよ。俺がしくじったんだ。そんな怒ることねえべ。あのね たかが高校生の自由研究です。
未知:たかが…。
耕治:おお おお おい!未知!
未知:地場採苗は今 いろんな養殖地でやり始めてるよ。限られた産地の種ガキに頼ってたら そこが駄目になった時 どうしようもなくなっから!みんな 自分とごで タネから育てててるようにやってんじゃん。
龍己:みーちゃんな 気仙沼は水深が深いんだよ。タネが根づいだどしても ものになるまで育ててやる場所がねえんだよ。だがら 浅瀬のある石巻や松島から いいタネを買うのが一番なんだよ。
未知:この辺にだって浅瀬はあるよ。支柱立てるぐらいのごどはできるよ!
龍己:誰が立でるんだよ!設置費用は?失敗したらその金はどうなるの?
耕治:ちょいちょい ちょいちょい… じいちゃん! 子供相手に本気になんないでよ。
未知:違う! おじいちゃんも お父さんも何で高校生とか子供とか言うの!? 私は地場採苗は絶対必要だし 実現させなぎゃいけないって思ってるし 不可能じゃないって言えるだけのデータだって集めてる。高校生の自由研究とか バカにしないでよ。本気で一緒にやってよ!
亜哉子:未知 あのね…。
耕治:悪がった。ごめんな。分がってるよ。夏休みの自由研究レベルじゃないってごどは。未知が養殖業の将来まで心配してやってんのも分がってる。でもな この…こごの…うぢの仕事はさ この3年 じいちゃん なんとか立て直そうって頑張って今 やっと元に戻ってきて。でもまだギリギリなんだよ。ああ すまん。これは…金の話な? 船やいかだに補助金は出でも 流されたもん 全部 元に戻すには借金もしなぎゃなんない。お父さんの給料で賄える額でもながったし…。で 3年たって ようやく返済のめども立ってきたどごで。申し訳ないけど 今 未知の夢にまでは手が回らない。
未知:夢…。
耕治:だがら 今から本気で うぢで地場採苗やんのは無理なんだよ。
亜哉子:でもね おじいちゃんのカキ 全国にファンもいるし じかに売ってくれって 声かえてくれるレストランなんかも増えてるのよ。
耕治:おお おお…そうだよな。そういうとごは高く買ってくれるバンバン売ってジャンジャンもうけよう! なっ?
未知:さすが銀行員だね。
耕治:ん?
未知:お父さんて お金の話ばっかり。
耕治:ハハ…おいおい じいちゃんには刃向かえないがらって 俺に絡むなよ。
未知:具体的に論理立ててできない理由を言う。お父さんにとって お金で損するごどが一番の悪だもんね。
亜哉子:ちょっと 未知。
未知:返済が正義だもんね!そうやって りょーちんのお父さんにも船 諦めさせたもんね! りょーちんのうち あんなに大変だったのに!
亜哉子:いいがけんにしなさい!
(笛の音)
百音:アハハハハ…これ お父さんが登米の木で作ったの。ひっどい音だよね。まあ でもすごぐ よく鳴るの。
亜哉子:モネ…。
百音:そうだ おなががすいたのよね?はっと汁 作ったげる!
亜哉子:登米の?
百音:そうだよ お父さん 食べたよね?
耕治:ああ…。
百音:おいしかったでしょ? 私 おばあちゃんたちが作るの手伝ったし。作ってあげる。そうだ みんなも手伝って!小麦粉練ったりすんの 結構 大変だから。
亜哉子:そう言われれば おなかすいたわね。
耕治:ああ ああ…あれは何だ? うどん粉みたいに こねればいいのが?じゃあ 俺やるよ。おい こっちはどうすりゃいいんだ?
百音:ウイ~ン ウイ~ンって伸ばしながら 耳たぶみたいな形にちぎって。ぱぱぱぱぱって 手裏剣投げるみたいに。
耕治:耳たぶと手裏剣って…。
龍己:貸してみろ。俺 昔 似だようなものを作ったごどあるよ。
耕治:でぎんのがよ。
百音:みーちゃん。みーちゃんも これ 一緒にやって。
未知:ごめんなさい。
耕治:いいって。ほら こんなもんが? 何か 白玉みたいになっちゃったな。
(笑い声)
耕治:ほら 未知もやってみろ。
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
NHK連続テレビ小説第104作「おかえりモネ」のネタバレとあらすじ、そして感想を最終回まで書き続けています。朝ドラ「おかえりモネ」は令和の今を生きる人々に元気と希望を与える現代ドラマ。ヒロインのモデルとなる人物が存在しないオ[…]