【おちょやん】セリフ書き出し第20週96話|灯子「すんません…。私 劇団辞めさしてもらいます」

朝ドラ【おちょやん】第20週「何でうちやあれへんの」96話、鶴亀新喜劇の旗揚げ興行と千之助の引退から1年が経った昭和25年。

1周年記念興行のトリをもう一度「お家はんと直どん」にしようと言い出す一平。その裏には新作のアイデアが浮かばない書けないという事情があった。

そんな時、灯子が突然「すんません…。私 劇団辞めさしてもらいます」。

その理由は…、

一平さんと こないなことになってしもて…。忘れよ思たけど 無理やった。もうこれ以上 千代さんの前でお芝居続けられへん。こないな間違い犯してしもて 虫がええのはよう分かってます。けど 私は…千代さん 悲しませたないんです。せやさかい 絶対に言うたらあきません。そんなん 自分の後ろめたさに負けて 打ち明けたいだけや。私がこのままいてへんようになったら済む話です。

要は、一平と男女の関係になった灯子が千代に合わす顔がないから劇団を辞めたいということで、今週は修羅場です。

【おちょやん】セリフ書き出し第20週96話

●天海家・二階の書斎

(一平の夢)

千之助:元気での。

一平:あなたから貰たもんは何一つ無駄にしません。

(千之助の鼻歌)

えっ…。

帰ってきた。

千さん…千さん 帰ってきた…。

天晴:千さん。

徳利:千さん。

漆原:千さん。

千之助:お前に任せられるか ボケ。

(夢終わり)

千代ちゃんたちが鶴亀新喜劇を旗揚げし 千之助さんが去ってから1年がたちました。

一平:なんちゅう夢や…。

<いや 夢とちゃうな。>

千代:だんないか?

一平:ああ。

千代:朝ごはん出来てるで。今日は午前中から話し合いやろ。

一平:せやった。顔 洗てくるわ。

●鶴亀株式会社・稽古場A

一平:今度の1周年記念興行のトリはもっぺん「お家はんと直どん」にしよ思う。

天晴:新作やのうてか?

一平:この1年 千さん抜きで どないかこないかやってきた。1幕もんも含めて新作も30本以上やってきたし いっぺん初心に返るいう意味でも「お家はんと直どん」で どないやろ。
万歳:ええのんと違いますか。あれやったら人気もあったし また見たいていうお客さんもようけいてはるし。

(回想)

千代:あんたの気持ち分かって うれしいわ~直ど~ん!

(拍手)

一平:嬢さん。

千代:直どん。

一平:ん~ 嬢さん。

千代:直どん。

一平:嬢さん。

千代:ああ~もうええ年して恥ずかしい!

灯子:すんません みんな聞いてしまいました。

千代:嫌だ もう恥ずかしい!

万歳:よかったな。

(回想閉じ)

千兵衛:せやな。この1年でどんだけ成長したか 自分の力試すのも悪ないな。

香里:あんた 前 出てへんかったやん。

千兵衛:せやさかい 今度こそ出さしてくださいっちゅうことですよ。

香里:何や 売り込みかいな。

一平:ほな なんぼか台本手直して 来週から早速 稽古始めましょ。

寛治:はい。

灯子:あの…。すんません…私の役は どなたか ほかの方でお願いします。

千代:どないしたん?

香里:この芝居 やりたないの?

灯子:すんません…。私 劇団辞めさしてもらいます。

千代:ちょっと待ってぇな 何で? あんた言うてたわな うちらの喜劇に救われたて。自分もそないなお芝居がやりたいんやて。

灯子:すんません 見るのとやるのでは大違いでした。やっぱり私には 喜劇女優なんか無理です。

千代:そないなことあれへん。あんた この1年 よう頑張ってはりましたで。うちの教えたことかて ちゃ~んと覚えてどんどんうまなってるいうのに。

香里:せや 今辞めたらもったいないわ。

千代:あんたは見込みある。なあ 一平。

一平:ああ。

千代:「ああ」て…。

灯子:勝手なこと言うて ほんま すんません。

千代:ちょっと待って。

灯子:すんません。

一平:千代。俺が行く。

●うどん屋「岡福」

(むせる声)

熊田:辞めるて?何でや急に。

千代:うちもよう分かれへんのだす。

宗助:そら あれやな。自分が必要とされてんのか 不安になってしもたんと違うか?

千代:必要だす。灯子がいてな お芝居でけへんし 大事な仲間だす。

宗助:一回 開き直ってしもたら楽なんやけどなあ。

千代:旦さんが言いはると 説得力おますなあ。

みつえ:お父ちゃん はよ 丼 洗てんか。

宗助:わし 必要とされてますやろ。ハハハハハハハ!

みつえ:はい どうぞ。一平に任しといて 大丈夫やの?

千代:まあ あれでも一応 座長やさかいな。

熊田:とにかく そないなことが大山社長の耳にでも入ったらどやされる。何としても辞めんの やめさしてや。はあ~ごっつぉさん。

みつえ:おおきに。

千代:えっ えっ もう行きはんのだすか? まだ話終わってしまへん。

熊田:社長の代わりに やらなあかんことがようけあってな。

シズ:大山社長 まだ お体の具合 悪おますのか?

熊田:今までずっと働きどおしやったさかいな。ちょっと ゆっくりしてもらわんと。ハハッ…ほな。

シズ:毎度おおきに。お気張りやす。

宗助:おおきに。

熊田:ごっつぁさん。

一福:はい お待っとおさん。

千代:おおきに。

一福:せやけど 心配やな 灯子さん。

千代:うん…。

みつえ:まあ 人間 生きてたら 何もかんも嫌になってしまうこともわるわ。

●天海家

(戸の開閉音)

●道頓堀・街中

一平:すまんかった。

灯子:私かて 立場はおんなじです。謝らんといてください。一平さんと こないなことになってしもて…。忘れよ思たけど 無理やった。もうこれ以上 千代さんの前でお芝居続けられへん。

一平:悪いのは俺や。千代に全部 話して謝るわ。灯子はそないなつもりやなかったんやて。
灯子:あきまへん。こないな間違い犯してしもて 虫がええのはよう分かってます。けど 私は…千代さん 悲しませたないんです。せやさかい 絶対に言うたらあきません。そんなん 自分の後ろめたさに負けて 打ち明けたいだけや。私がこのままいてへんようになったら済む話です。

●灯子の家の前

千代:お帰り。一平のせいだすやろ。あのあほ 無神経やさかいな。灯子の気持ち 逆なでするような引き止め方したんと違いますのか?

灯子:いえ…そないなことは…。

千代:うちもな お芝居やり始めた頃は 何やってもうまいこといけへんかってな 辞めてしまおて思たこともある。けどな そないな時にこれが贈られてきて。それから 事あるごとに届くようになって 誰から贈られてきてんのか分かれへんけど たった一人でも自分のこと見ててくれる人がいてる思たら なんとか今日までやってこられた。

灯子:私には そんな人いてへんよって。

千代:目の前にいてるで。うちがずっと見てる。ずっと応援してる。せやさかい これからも一緒に芝居やろ。

灯子:もう ええかげんにしてください! あんたの顔なんか見たないねん!はよ帰って…はよ帰って!

●天海家

千代:ただいま。

一平:お帰り。どないしてん。

千代:あんたこそ。

一平:いや…。灯子のことに決まってるやろ。

千代:そらそやな…。

一平:うん。あんな…。

千代:堪忍! 多分 うちのせいだす。

一平:何が?

千代:今日 灯子に言われてしもた。あんたの顔なんか見たないて。劇団辞めんのは うちのせいだす。どないしよ うち 灯子に嫌われてしもた。

一平:落ち着いて。多分 違うのとちゃうか。ほかに原因あるような気ぃするけどな。

千代:ほかて何?

一平:そら いろいろとな…。

千代:うち 厳しすぎたんやろか。それとも知らん間にあの子のこと傷つけるようなこと言うてしもたんやろか。もう座長の妻 失格や。

(戸をたたく音)

千代:もしかして 灯子? 今 開けます。 寛治 どないしてんな?

天晴:ちょっと 千兵衛とやり合うてな。

千代:千兵衛と? 何でまた?

寛治:あいつがええかげんなこと言うさかい。

千代:ええかげんなこと?

天晴:しょうむないこっちゃ。なあ 寛治。

天晴:ほな 帰るわ。

千代:ちょっと待って。何だす? しょうむないことて。

寛治:ちょっと前に 一平さんが灯子の家から出てくんの見たて。

(回想)

千兵衛:せやさかい この目で見たんや! あの2人 デキてるて!

寛治:ええかげんなこと言うな!

徳利:あかんて お前!

千兵衛:何や コラ!

(回想閉じ)

寛治:灯子が辞めんのは 一平さんと何かあって居づらなったんとちゃうかて…。

天晴:千兵衛も気になって ついつい言うてしもたんやろ。

寛治:なんぼなんでも 言うてええことと悪いことあるわ。なあ 一平さん。

千代:何やねんな もう そないしょうむないことでケンカしたんかいな。あほやなあ あんたも。一平は座長やで。そら 劇団員の家行って 話することもありますがな。千兵衛もえらい早とちりしたもんやなあ。なあ 一平。一平?

一平:堪忍!

千代:はあ?

は~あっ!?

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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