【おちょやん】セリフ書き出し第19週94話|ヨシヲさん 逃げ遅れた女の人 助けようとして撃たれて亡くなりはったて。

朝ドラ【おちょやん】第19週「その名も、鶴亀新喜劇や」94話、寛治が満州・新京でのヨシヲとの出会いと別れを告白。

何日も飲まず食わずで逃げて逃げて 寒さに震えながら雨ざらしの列車に乗って…。いっそ死んだ方がマシやって何べんも思たけど そのガラス玉 千代さんに渡さなあかんて その一心で耐えました。引き揚げを待つ間 収容所に入りました。やっと日本に帰れる…そない思た時 ヨシヲさんの店に出入りしてた人に出会て…。ヨシヲさん 逃げ遅れた女の人 助けようとして撃たれて亡くなりはったて。それ聞いた時 僕の気は変わりました。僕はヨシヲさんみたいに誰かの役に立つために満州行ったのに 一平さんと千代さんとそない約束したのに…。その収容所で できるだけ引き揚げ待つ人たちのお世話して 自分より先 送り出そて決めたんです。遅なってしもてすんません。

日本が負けると知った時から、おそらくヨシヲは死ぬ覚悟をしていたんじゃないかと。世話になった人たちを逃がすことが自分の最期の役目と決めて満州に居残り。

思うような人生を送れなかったけど、最期の最期は人生の碇の降ろし場所を見つけたヨシヲ。そう前向きにとらえたいほど演じた倉悠貴さんの表情が素晴らしく、大ブレークすること間違いなしです。

【おちょやん】セリフ書き出し第19週94話

●天海家

千代:あんた ヨシヲに会うたんか?

寛治:僕が生きて帰ってこられたんは あの人のおかげです。

(回想)

千代:お母ちゃんから貰たお守りや。これ持っていき。そのかわり いつか必ず返しに来んのやで。約束な。その時まで姉やん うんと気張って飛び切りの喜劇 あんたに見せたるさかいな。

ヨシヲ:楽しみやな。

●満州・新京・ヨシヲの店

男:はい 残念でした。

寛治:こんなん イカサマやんけ!

男:ああ?

(悲鳴)

男:金もねえのに博打来るとは いい度胸じゃねえか!

男:悪い にいちゃんだな おい。おっ…いたたた 痛い…。

●天海家

寛治:僕が博打に負けて絡まれてるとこ 助けてくれて。

●満州・新京・ヨシヲの店

寛治:えっ…家庭劇のこと知ってはんのですか?

ヨシヲ:何ちゅうたかな あのええ女優さん。

寛治:ええ女優さん…。ルリ子さんですか?

ヨシヲ:違うなあ。

寛治:えっ…ほな 香里さんや。

ヨシヲ:それも違う。

寛治:え~…。ああ ほな 千代さんか。

ヨシヲ:それ! その人! 今 どないしてる?

寛治:どないもこないも 僕 満州来る前は その千代さんと一緒に住んでました。座長の一平さん…ああ 2代目天海天海さんと夫婦で 僕の面倒見ててくれはったんです。

ヨシヲ:ほうか…。

寛治:けど…もう戻られへん。僕が裏切ってしもたさかい。

ヨシヲ:裏切った?

寛治:あないようしてもろたのに 千代さんの反対押し切って満州来て 仕送りも女と博打にみんな使てしもた。もう合わせる顔あれへん。もう大阪帰られへん。

ヨシヲ:フッ…フフフフフ…。そないなこと気にせえへんて あの女優さんは。

寛治:何で分かりますの?

ヨシヲ:そら…。まあ ええから飲も。ほら。

寛治:はい。

ヨシヲ:もっといろいろ話聞かしてくれ。

寛治:はい。くう~。

●天海家

寛治:結局 その日は朝まで芝居の話して 千代さんはどないな役やったんやとか うれしそうに話聞いてはりました。それからは ほんまによう世話になって…。戦争が終わる前の日に…。

●満州・新京・ヨシヲの店

ヨシヲ:おい 起き。起きるんや! もうすぐ日本は降伏する。

寛治:えっ…。

ヨシヲ:日本は負ける。軍のお偉いさんに聞いたんや。間違いあれへん。そうなったら ソ連の軍隊が攻めてくる。お前はすぐに行け。絶対に日本に帰るんや。

寛治:店長さんは?

ヨシヲ:世話になった人たちがまだ ぎょうさんいてる。その人たちにも知らせなあかん。これを竹井千代さんに渡してくれ。きれいやろ…。ほんまにお月さんみたいや。

寛治:ヨシヲさんですか? 千代さんからよう話聞かされてました。

ヨシヲ:頼むで。フッ…心配いらん。姉やんやったら あほなやなあ言うてお前のこと 笑て許してくれる。あんだけ ひどいことした俺のことさえ許してくれたんやさけ。生きて帰るんや。姉やんが待ってる。行け!

●天海家

寛治:それから 何日も飲まず食わずで逃げて逃げて 寒さに震えながら雨ざらしの列車に乗って…。いっそ死んだ方がマシやって何べんも思たけど そのガラス玉 千代さんに渡さなあかんて その一心で耐えました。引き揚げを待つ間 収容所に入りました。やっと日本に帰れる…そない思た時 ヨシヲさんの店に出入りしてた人に出会て…。ヨシヲさん 逃げ遅れた女の人 助けようとして撃たれて亡くなりはったて。それ聞いた時 僕の気は変わりました。僕はヨシヲさんみたいに誰かの役に立つために満州行ったのに 一平さんと千代さんとそない約束したのに…。その収容所で できるだけ引き揚げ待つ人たちのお世話して 自分より先 送り出そて決めたんです。遅なってしもてすんません。

(すすり泣き)

千代:おおきに 寛治。ヨシヲとの約束 守ってくれて…。生きて帰ってきてくれて…おおきに。

(泣き声)

千代:明日も晴れやな…。ヨシヲ…。

●鶴亀株式会社・稽古場A

徳利:ハハハハ!

香里:ひと言多いねん 徳利さんは。

こうして寛治君も 鶴亀新喜劇に入ることになりました。

(ドアが開く音)

寛治:初めまして 松島寛治いいます。よろしゅうお願いいたします。

万歳:戦地は どちらへ?

寛治:満州の新京です。僕は慰問やったさかい 皆さんのご苦労とは比べもんになりませんけど…。

万歳:それでも 引き揚げを待つ間は苦労したやろ。

寛治:お二人は?

万歳:俺は仏印のサイゴンや。半年前にようやっと。

千兵衛:僕はジャワです。

寛治:お二人とも ほんまにようお戻りになりました。

(すすり泣き)

千代:万歳さん 千兵衛さん。この寛治を向こうで面倒見てくれはった人がいててな…。うちは昔 その人と約束したんだす。いつか 飛び切りの喜劇 見せたるて。せやさかい うちはこの鶴亀新喜劇でその約束 果たしたい。あんさんたちと一緒にええお芝居作りたい。うちらは そのために生きてここにいてんのやおまへんの。

一平:千さん。すんませんけど 千さんの書いた台本に手ぇ入れさしてもたいました。

千之助:何じゃと コラ。

一平:読んでもらえませんか? 俺らは これからの時代を担う人たちのための芝居を作らなあきません。

千之助:おもろなってんのかい。

一平:はい。

千之助:分かったわ。

一平:若いもんの役 増やして筋 膨らましてみた。増やした役を 寛治。

寛治:はい。

一平:それと 灯子。

灯子:はい。

一平:ほんで 万歳さんにやってもらいたい。お願いします。

(泣き声)

万歳:分かりました。やるからには ちゃんとやらな 万太郎さんにどやされるさかい。

(万歳の泣き声)

一平:ほな 読み合わせや。千さん よろしいですね? 千兵衛さんには1本目と2本目に出てもらいますさかい。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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