【おちょやん】セリフ書き出し第16週80話|うちらはあんたを絶対に裏切れへん。せやさかい なっ 一緒に暮らそ。

朝ドラ【おちょやん】第16週80話、高城百合子と小暮真治が天海家から向かったソ連への亡命、しばらくしてから新聞の記事となって世間を賑わせていた。

樺太国境で謎の雲隠れ 
高城百合子 雪中の越境 
左翼劇団演出家の夫・小暮真治と

馬橇捨てて姿消す

計画的犯行?
大阪福楽座出演を断った百合子
小暮氏は父へ‘詫びの言葉’

そして千代と一平は、同じ境遇の寛治のことが心配で心配で…。

寛治…うちらと一緒に暮らせへんか?

ここから始まる千代の長~いセリフ。朝ドラのセリフを書き出して以来、もっとも長いセリフだと断言しておきます。

ちなみに、これまでの最長は「半分、青い。」の作家・佐野弓子の「私 物書きのくせに大学出てないの~」で始まる独白のセリフ。

演じていたのは、千鳥師匠こと若村麻由美さんでした。

【おちょやん】第16週80話セリフ書き出し

千代:いちら大人にはあの子を守る責任がありますのや。人生はもっともっと楽しいんやてこと うちらが見せてあげな誰が見せたげられますのや!

寛治:もうやめてくれや!

●天海家

一平:これ。

そして しばらく 高城さんと小暮君が樺太からソ連への国境を超えたニュースが世間を賑わせました。

一平:すごいなあ あの2人は。

回想・百合子:あなたはあなたの信じることを貫きなさい。

千代:一平…ちょっとええ?

一平:ああ。

寛治:何ですか?話って。

千代:あのな…。

寛治:あっ あれですか? この前のこと まだ謝ってなかったさかい。

千代:そないなことももうええ。

寛治:まさか まだお母ちゃんて呼んでほしいてか。そら勘弁やな。僕も恥ずかしいよって。
千代:それももうええ。

一平:ええさかい 黙って聞け。

寛治:何や 怖いなあ。

千代:あのな うちが生まれたんは南河内のものすご田舎でな…。うちもお母ちゃんがはように死んで 酒と博打ばっかりでろくに働くもせんクズみたいなお父ちゃんと まだちいちゃい弟の面倒見ながら 学校にも行かれへん毎日を送ってたんや。ほんであげくの果てに そのお父ちゃんが別の女連れてきてな うちは9歳で家追い出されたしもた。うちもあんたとおんなじなんや。お父ちゃんに捨てられてしもた。ほんでな…岡安いう芝居茶屋に奉公さしてもろたんやけど 8年勤めて年季明けた頃には お父ちゃんが来て うちは借金の代わりに身ぃ売れれそうになって道頓堀逃げ出したんや。ほんでそのあと 京都行ってものすご厳しい座長のいてる一座に入ったり撮影所入って売れへん大部屋女優やってたんやけどまたテルヲが来て…。あっ お父ちゃん テルヲいうねんけどな。テルヲがお金せびって…。ほんでいろいろあってうちはまた道頓堀戻ってくることなって 家庭劇で喜劇やることになったんだす。その年明けくらいやったかな 十年年ぶりに弟のヨシヲに会えたんやけどな 結局また生き別れになって…。うちはまた独りぼっちになってしもた。あの時はほんまにつろうて うちの人生ってこないなんかて思てた時には 一平が一緒になろうて言うてくれて。5年前に死に際のお父ちゃんが来てな まあ今までのことがあったさかい うちはどないしても許されへんて思てたんやけどな みんながようしてくれてな。最後の最後にちょっことだけ許すことでけて ほんで今のうちがあるちゅうことなんや。

一平:次は俺の番や。俺のおやじも役者でな。小さい頃に母親が男つくって家出てってしもて 俺もな おやじとずっと2人やったんや。同じやな。ほんでな いやいややったけど子役として舞台に立たされて はようにおやじが死んでしもた。まあほんで すぐに一座は解散して俺は台本の勉強やら芝居の勉強してた。そないな時に鶴亀が新しい一座作るっつってな それが今の鶴亀家庭劇や。フッ…ええ名前やろ。

(笑い声)

一平:芝居の勉強してる時にな 家族連れのお客さんがみんなで笑て泣いて ものすご楽しそうにしててな。そないな どこにでもいてるような人たちのために芝居を作りたい思たんや。俺は家庭いうもんをよう知らん。けどな この一座が俺の家庭や思てる。愛情いうもんをよう知らんかったけどな。家庭劇のみんなと千代と 一緒に暮れしてるようになってな そういうもんがちょっとは分かるようなってきてる気がする。ほんでやっと今の俺があるんや。

寛治:そうですか…。ほな 僕はぼちぼち…。

千代:待ち。本題はこっからや。あんたにな うちらのこと知っててほしかってん。

寛治:何で…?

千代:寛治…うちらと一緒に暮らせへんか?

寛治:えっ?

千代:うちはどない逆立ちしても あんたのほんまのお母ちゃんにはなられへん。せやけどな あんたのこと心配やねん。心配でたまれへんねん。せやさかい そばにしてて。うちらがあなたのこと守ったげるさかい。あんたはまたきれい事やて言うかも分かれへんけどな うちは悩んだで。悩んで悩んでほんでやっと出した答えなんや。だんない。うちらはあんたを絶対に裏切れへん。何でか分かる?うちらはあんたの痛みを分かってるから。せやさかい なっ 一緒に暮らそ。

寛治:また そんな…無理やろ どうせ。

一平:無理やあれへん。

寛治:だまされへんで 僕。

一平:笑わんかてええ。

寛治:えっ?

一平:笑いたないのに 無理に笑うことなんかあれへんね。

寛治:せ…せやけど 泣くよりええやろ。

千代:泣きたい時は思いっきり泣いてええのや。

(泣き声)

千代:ええんやで。

(泣き声)  

この日から千代ちゃんと一平君には新しい家族ができました。

●天海家・二階の書斎

千之助:次は愛国もん やれへんちゅうんか。

一平:そうです。今回だけ トリが別の芝居にしたい。

千之助:その 小暮っちゅうやつが言うてたような芝居か。

一平:必死に働いてる人間が報われるような そないな芝居を。これはあの2人への はなむけです。

●えびす座・舞台

そしていよいよ家庭劇の年明け最初の興行「人生双六」が幕を開けました。人生のどん底にある宇田と浜本の2人が 5年後の成功を誓って再会を約束するというお話です。

千之助:勤めるはずやったお店がのうなってしもてね。

その舞台には寛治君の姿もありました。

千代:そない ジロジロみたらあきまへん。はよ食べなはれ。

寛治:へえ! すんまへん ご寮人さん。

一平:せやけどな 宇田さん。

千之助:はい。

一平:腐らず諦めず 頑張り続けたら必ずその頑張りが実る時が来るんやないかて 僕はそない思てるんです。

千之助:腐らず諦めずですか…。

一平:ええ。今まで つらいことばっかりやったから分かれへん。けどな いつかきっと心の底から笑える時が来る。きっと来ますって!

寛治:はい!

一平:えっ? 何や 君は。

千之助:何 君「はい!」言うたの?

千代:いや 松吉! すんまへん。余計なこと言いなはんな。

寛治:すんまへん! お母ちゃん。

千代:誰がお母ちゃんだす。ご寮人さんやろ。

寛治:あっ…そやった すんまへん。

千代:ほんまに…はよ行きますで。

寛治:はい。

千代:ご主人 ごっつぉさんだした。

小山田:ああ おおきに。

一平:せや 宇田さん。

千之助:はい?

一平:僕と約束しませんか?

千之助:約束?

一平:ええ。お互い 一生懸命働いて 石にかじりついてでも成功するいう約束や。それも今日から5年…5年という月日を切ろう。今 これから…そや 人生の双六の始まりや。

千之助:人生の双六…。

一平:ええ。それを励みに頑張ろいうことや。

千之助:よろしですな。

一平:ほな 約束や。

千之助:はい。

ところが現実の人生双六は5年どころか1年先のことまで分かれない時代へと突入していきました。

昭和13年4月 国家総動員法 公布

昭和15年9月 旧独伊三国軍事同盟 締結

昭和15年10月 大政翼賛会 創立

そして昭和16年12月8日。

(ラジオ)「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。大本営陸海軍部…」。

太平洋戦争の開戦です。

●岡安

富士子:これ きっと日本が勝ってるいうことだすな。なあ?

かめ:そやな。なあ。うんきっとそうや。

●鶴亀家庭劇・稽古場

(ラジオ)「本8日未明 西太平洋において…」。

百久利:日本万歳! 日本万歳! 万歳! 日本万歳! よいよい よいよい! 日本万歳! よいよい よいよい!

(ラジオ)「日本の今朝3時5分 ホノルルに初の空襲を開始しました」。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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