朝ドラ【おちょやん】第16週79話、特別高等警察(特高)の家宅捜査、押し入れの中から見つかったのは寛治で、その子は陸軍のお偉いさんとの隠し子だという千代。
「どうかこの子のことは見てへんかったことにして帰っとくなはれ」という千代の言葉に、渋々引き下がる特高。
かくして、小暮と高城百合子はソ連へ亡命すべく旅立っていった。
そして天海家では次の公演の準備金300円が無くなり、寛治が盗んでいたことが判明。その理由は
千代さんも一平さんもええ人や。せやさかい 見てていらつくねん。そうやってええ顔してきれい事並べてるやつほど ほんまは自分のことしか考えてへん。
死んだ父親への拗らせた感情を持ち続ける寛治。それに対して千代は
あんたと一緒に暮らしてまだ半月にもなってへんけどな うちはあんたにいろんなこと教えてもろた。大山社長…寛治にもっぺんだけ やり直す時間をあげてもわられしまへんやろか。うちら大人にはあの子を守る責任がありますのや。人生はもっともっと楽しいんやてこと うちらが魅せてあげな 誰が見せたげられますのや!
ということで、寛治が千代に心を開いてくれることを願い、明日に続くです。
それにしても高城百合子の帽子姿は、完全に銀河鉄道999の「メーテル」にしか見えず、美しいことこの上なしです。
【おちょやん】第16週79話セリフ書き出し
小暮:ソ連に亡命するつもりだ。
百合子:それが現実よ。もうこの国では 私たちのやりたい芝居はできないの。
<<荒木:開けなさい。
(戸をたたく音)
千代:あっ あっ…。この中はガラクタがぎっしりで なんぼなんでも人なんか入られしまへん。開けたら崩れてくるさかい やめた方が…。
(物音)
荒木:ネズミがいるようだ。
千代:待っとくなはれ。全くなはれ!そこはあかん!
荒木:誰だ お前は。
●天海家・二階
荒木:誰だ お前は。
千代:すんまへん! 見逃しとくはなれ!この子は世間様には内緒にしてる隠し子なんだす。
荒木:何?
千代:父親の名は口が裂けても言われへん。陸軍のお偉いさんだす。どなしてしもと言いはんねやったら打ち明けますけど 聞きがれへん方がよろしのと違いますやろか。もし嘘や思いはんねやったらこれ見とくなはれ。その人がこっそりくれた階級章だす。えらい昔のことやから 今はもっと偉なってはりますやろな。せやさかい どうかこの子のことは見てへんかったことにして帰っとくなはれ。お頼申します!
♪
千代:もう よろしおまっせ。
小暮:ありがとう 助かった。
千代:一か八かやったけど 寛治にも押し入れに隠れるよう頼んだんだす。先に一人見つかったら その奥に隠れてる2人のことは目につかんようなる思て。うまいこといったわ。寛治 おおきに。
一平:しかし 陸軍のお偉いさんの子て そないなこと ようとっさに思いついたな。
千代:衣装の軍服直そ思て たまたま小道具持ってたさかい。これも愛国もんの芝居やってたおかげだすわ。
百合子:なかなかいいお芝居だったわよ。
千代:どうせやったら もっとちゃんとしたお芝居で褒めてもらいとおましたな。
(笑い声)
●天海家・玄関先
(鶏の鳴き声)
千代:これ お握りとお煎餅とおまんじゅう。あと 少しだすけど お酒も入ってます。
一平:お気をつけて。幸運を祈ります。
小暮:君たちのことは誰にも言わない。僕たちが捕まることは絶対にないから安心してくれ。
千代:はい。
小暮:それじゃあ。 行こう。
千代:小暮さん 百合子さん お元気で。
(百合子の抱擁)
千代:百合子さん。おおきに。うちに役者になるきっかけ くれはって…。おおきに。
(蒸気機関車の汽笛)
●天海家・居間
千代:さあ 遠慮せんとお食べ。
寛治:またニンジン入ってんのとちゃうやろな。
千代:入ってへんわ。昨日のお礼やさかい。
寛治:僕はただ押し入れの中 隠れてただけやん。
千代:なんのなんの。特高警察相手に なかなか堂々としたもんやったわ。あんた やっぱり役者に向いてるわ。
寛治:向いてへんて。
千代:前に一福のことで言うてたやんか。
回想・寛治:でけへん言うてんのにあない無理やりやらしたら 好きなことかて嫌いになってまう。そんなん かわいそうや。
千代:ほんまは お芝居やりたかったんと違うの?
寛治:そないなこと…。
一平:千代 芝居の準備金 知らんか?
千代:準備金?
一平:ああ。
千代:知らんけど…なくしたん?
一平:いや…書斎のいつものとこに しもといたはずなんや。
千代:ほな 何であれへんねんな。
一平:分かれへんさかい お前に聞いてんねやろが。
千代:どっかにしもたん 勘違いしてんのと違うの?
寛治:高城さんらとちゃいますか?
千代:そら違うわ。高城さんと小暮さん そないなことするようなお人やあれへん。
一平:とにかく 大山社長に話してくるわ。
●天海家・二階
寛治:もう よろしいやん。きっと大山社長がなんとかしてくれはりますて。
千代:あっ!あった! ああ何や 違たわ。
寛治:おっちょこちょいやな。300円も入ってんのに そんな薄いはずあれへんやろ。
千代:ほんまやな。おほやな うち こない…。あんた 何で300円も入ってるて 知ってますねん。何で?
寛治:あっ 一平さんから聞いて。芝居のこと いろいろ教えてもろて…。その時 確か300円言うてたなあて。
千代:何や そやったん。もう一平のやつ そないなこと いっこも教えてくれへんさかい。あかんなあ ちゃんと話せんと。夫婦の危機やわ。よっしゃ!ほな もっぺん 捜してこよ。
寛治:もうええ。もうええわ。ほんま お人よしすぎて あほらしなるわ。
千代:何で こないなことしてんな。訳があんねやろ? 言うてみぃな。
寛治:千代さんも一平さんもええ人や。せやさかい 見てていらつくねん。そうやってええ顔して きれい事並べてるやつほど ほんまは自分のことしか考えてへん。僕はよう分かってる。おやじがそやったさかいな。
千代:お父ちゃんのこと 嫌うてたん?
寛治:嫌てたんやない…。嫌われてたんや。おやじ…ちいちゃい頃は優しゅうて 僕のこと ほんまに可愛がってくれた。せやけど…何べんか 子役として舞台に立つうちに分かったんやと思うわ。こいつには才能がないて。僕はおやじに見捨てられた。僕は二度と板に立つな言われて劇団の雑用全部やらされた。そんなんが何年も続いた。せやさかい おやじが病気で死んだ時は心の中で万歳三唱したったわ。
♪
千代:堪忍な。うち 何も知らんと…。
寛治:そういうのが いらつくねん!どうせ自分のためやろ。あの2人 逃がしたったんかて 人助けしたて ええ気持ちになりたかっただけやったんちゃうの。何が「お母ちゃん呼び」や。そんなもん いらんねん! 僕ははよ大人になって一人で生きていくんや。分かったやろ。僕はあんたが思てるようなやつとは違う。さっさと警察突き出して。ほんで全部しまいや。
千代:おいで。
●鶴亀株式会社・社長室
鶴蔵:準備金がなくなるってどういうこっちゃ。ちゃんと説明せんかい。説明せんかい!
(ノック)
千代:ごめんやす。劇団の準備金 とったんは この子だす。
鶴蔵:えっ…。
熊田:それ ほんまか?
千代:寛治 社長に謝り。
寛治:お金 返したったやろ。それでまた あない面白くもない芝居 作ったらよろしいやん。
千之助:もっぺん言うてみ クソガキ。
千代:お金返しても あんたのやったことは許されることやあれへん。謝りなはれ。
寛治:せやさかい もうどないなってもええ言うてるやろ。
鶴蔵:家庭劇やったら なんとかなる思うたが あかんかったか。ほな わしが引導渡したるわ。熊田 警察に連絡せい。
熊田:よろしいんですか?
千代:大山社長 すんまへんだした。寛治のこと どうか許したっとくなはれ。
熊田:ちょっと待ちいな 何で千代が…。
千代:今 この子の面倒見てんのは うちだす。 寛治が謝れへんねやったら うちが代わりに謝ります。ご迷惑おかけしてほんまに申し訳ございまへなんだ。
寛治:またそれか。もうええ。
千代:ええことあれへん! あんたと一緒に暮らしてまだ半月にもなってへんけどな うちはあんたにいろんなこと教えてもろた。大山社長…寛治にもっぺんだけ やり直す時間をあげてもわられしまへんやろか。うちら大人にはあの子を守る責任がありますのや。人生はもっともっと楽しいんやてこと うちらが魅せてあげな 誰が見せたげられますのや!
寛治:もうやめてくれや!何やねん…何なんや…。関係あらへんやろ。赤の他人やで。せやのに…。
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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