朝ドラ【おちょやん】第15週74話、鶴亀家庭劇が「演劇月報」に取材を受けている最中、テルヲが借金取りと乱闘騒ぎを起こし、警官に連れていかれ…。
千之助や一平、それに宗助の言葉を受けて、テルヲに面会しに行く千代。
そこで、長年の恨みをぶちまける千代に対して、ひたすら堪忍やと謝り続けるテルヲ。
千代…わいとサエのもとに生まれてきてくれてほんな おおけにな。
このひと言で、今までの悪行をほんの少し許してやってもいいかなと思う視聴者も多かったのではないでしょうか。
そして、千代とテルヲが腹を割った会話は、おそらく今回が最初で最後で、明日は豪快に笑ったテルヲの写真が遺影になることでしょう。
【おちょやん】第15週74話セリフ書き出し
●鶴亀家庭劇・稽古場
借金取り:どうせ お前 もう長ないんやろ。しゃあないのう。代わりに娘から金 取り立てるわ。
テルヲ:待て! あいつは関係あれぃん。
借金取り:関係ないことあるか。
<<借金取り:おう! お前の娘やろが。
借金取り:あっ?
テルヲ:うわ~! うわあ~っ! あいつに指一本でも触れてみい! 全員 あの世へ道連れや!怖いもんなしじゃ!
借金取り:何やと!
テルヲ:あの世へ連れていったるわ!ああ~! うわあ~!
借金取り:離せ!この どけっ!
テルヲ:ああ~!
熊田:こっちです!
警察官:お前ら 何してる! コラ やめんかい!
<<(騒ぐ声)
千代:すんません。
一平:千代。
千代:テルヲ!
警察官:この男 お前の身内か?
テルヲ:そないなこと あれぃんやろ。知らんのかいな。あの人は女優さんや。あね きれいな人が わしみたいな男の身内でなこと あれへんやろ。赤の他人ですんわ。
●天海家
千之助:う~ん 悪ないけど もう一押しやのう。
一平:もっぺん書き直します。
千之助:ああ。
一平:「演劇月報」載ったら 新しいお客んかて増える。今まで以上に…。
千之助:あ~アチッ!
千代:すんまへん。
千之助:お前 何してんねん!
千代:堪忍だす。すんまへんだした。
3日後
千之助:アツ~。あれ テルヲはん。あの わしの知り合いの警官が言うとったんやけどな 何や もう傷害罪やけど相手も相手やし言うて そう長いこと入らんでもええみたいやわ。うん。ただ身元引受人っちゅうのは 必要らしいねんけど 相変わらず わしには身内はおらん言うて言い張ってるらしいわ。そや お前 会いに行ったらどないや。
千代:うちには関係あれしまへんさかい。
千之助:意地張ってんのやあれへんで。一平 お前も言え。
●病室
千代:ほな もう石は出ましたんか?
宗助:おう 出た出た。コロンいうてな。ほれ そこにあるやろ。
千代:こないなん 出ましたんか?
宗助:せやねん。
千代:そら痛いはずや~。…って そないなはずあれしまへんやん。大きすぎます。
(笑い声)
宗助:やっぱし だまされへんか。ほんまは こないちっちゃいちっちゃい石やったんやわ。それでも激痛やで。人間なんて弱いもんやな。
千代:けど よろしおました。旦さん 元気になりはって。
宗助:これもテルヲさんのおかげや。シズから聞いた。何かの間違いやとええけどな。
千代:フッ…あかん あかん。あないな疫病神のこと考えたら また石出来てしまいます。違う話 しまひょ。
宗助:石出た瞬間な 思い出したんや。
(回想)
宗助:いたたたた…。
テルヲ:ん? おい…。
宗助:いたたたた…。
テルヲ:ほんまに痛いんけ?
宗助:もうあかん…わし死ぬ。
テルヲ:し…死ぬて…しっかりせえ! このどあほ! おまん 千代の父親代わりなんやろが!
おまんが死んでみ 千代がどんだけ悲しむ思てんねん。死ぬんやないど! 絶対 死ぬんやないど! ほれ 乗れ! 乗れ!
(回想閉じ)
宗助:自分の方がよっぽどしんどかったはずやのに…。
回想・テルヲ:死ぬんやないぞ!
宗助:わし ただの結石やで。せやのに ずっとわしのこと…。いや…そやあれへんな。千代 お前のこと心配してたんや。
●警察・留置場
被疑者:いった! 何すんねん!
(テルヲのせきこみ)
●天海家
千代:はい。
一平:おおきに。やっと現像あがったわ。
千代:何これ。
一平:千代がいてん時 うち来てな 撮らされたんや。ええ顔してるやろ。
千代:何やねん これ…。人の気ぃも知らんと 何でこいつだけ こない楽しそうに笑てんねん…。
一平:いらんねやったら 破ってほってええで。頂きます。
●警察・面会室
警官:入れ。座れ。
テルヲ:どちらさんですか。(小声で)あほ。何で来たんや。せっかくわいが他人のふり したったんやろが。
千代:都合のええこと言わんといて。うちのためか何か知らんけどな 今までさんざん勝手なことしてきて 最後の最後にこないなことしたかて 何の償いにもなれへんで。あんたに守ってもらわんかて うちは生きていけんねん。今までもずっとそないしてきたんやさかい。自分だけ満足して死んでいこやなんて虫がよすぎるわ。うちはずっとあんたを恨み続ける。よう覚えとき。それだけ言いに来たんや。
テルヲ:分かってる。せめて最後くらい おまんの力になりたい思たんやけどな…。結局 このざまや。それでも最後にひと言だけ言わしてくれるか。千代…わいとサエのもとに生まれてきてくれてほんな おおけにな。千代が生まれた時 ほんまにうれしゅうてなあ。わい 初めはもう怖あて 怖あて おまんに触られやぃんかった。こね お姫さんみたいにきれいなもんに わいなんかが触ったら何や汚れてまうんやないけ思て…。もうほんまに可愛いて可愛いて…。せやのに…わいはそんな千代のことをほ…ほってもうた…。あの日から何もかんもあかんようになってもうて…。あれからいろんなこと後悔してばっかりやけど…。あの日以上の後悔はあれぃん。
(回想)
千代:うちは捨てられたんやない。
テルヲ:もちろんや。お父ちゃんが そねなこと…。
千代:うちがあんたらを捨てたんや。さいなら。
(回想閉じ)
テルヲ:あん時のわいを いっちゃん許せやぃんのは このわいや。千代…今までわいのしてきたこと ほんま すまんかった。どうか幸せになってくれ。
千代:何やねんな 今まで あんたがしてきたことて。うちとヨシヲ ほったらかして栗子さん連れてきたことか? お金あれへんのにお酒ばっかり飲んできたことか? 流星丸売りに行って うちに鳴きまねさしたことか? それとも…うちを捨てたことか!? うちのお金全部持ち逃げしたことか!? ほんまに許されへんことばっかりや…。
テルヲ:それでええ。恨まれたまま死ぬ方が おまん悲しませんで済むさけ。
(すすり泣き)
テルヲ:あと もう一個だけ言わしてくれるか。もしヨシヲに会えたらな 言うといてほしいんや。す…すまんかったて…。せ…せめて おまんら2人は また…。
千代:でけんねやったら そないしたかった! けど でけへんかった! でけへんかったんや! ヨシヲはな あんただけやのうて うちのことまで恨んでた。そないなってしもたんは全部あんたのせいや! あんたはうちからヨシヲまで奪たんや!
テルヲ:堪忍や…堪忍してくれ 千代…。堪忍や…堪忍…堪忍…。
(泣き声)
<お母ちゃん… うち どないしたらええ?>
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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