朝ドラ【おちょやん】第15週72話、千代につきまとうテルヲ。ついには一平と飲み比べ対決で圧勝し、酔い潰れた一平を家に連れて帰るが…。
シズからテルヲの病気のことを聞いた千代だったが、テルヲの役者を辞めて子供産んでお母ちゃんになれの言葉に激怒。
うちは何があってもあいつを許すことはでけへん。あいつのこと憎いとか嫌いやとか そんなんとっくに通り過ぎてな 心の中には何や妙に冷たい干からびたもんしか残ってへんのや。もう あかんねん。
憎悪と嫌悪の感情の先には荒涼とした哀しみしか残らないという感想です。なので、人を憎む嫌うということは、結局は自分の心を荒らすことになり、それは止めましょうねと自分に言い聞かせて明日に続くです。
【おちょやん】第15週72話セリフ書き出し
●天海家
(木づちでたたく音)
千代:あんた 何してんの。
テルヲ:おう おはようさん。この戸 直したったで。どや ええ感じやろ。
千代:鍵 どないして開けてんな?
テルヲ:開いとったで。
千代:一平のやつ また酔っ払って閉め忘れたんやな。
テルヲ:千代 せやさけ 言うたやろ。役者なんかと一緒になったらあかんて。
(鍵をしめる音)
テルヲ:おまん ちょっと手ぇ貸してくれ。
●鶴亀家庭劇・稽古場
師匠:とん とん ちん ちん ちん ちん とん ちん つん てん つん てん ちれ てつ とつん つてん。ちてん とん しゃん ちち てん とん しゃん。はい ルリ子さん 今日もお上手でしたよ。要は親指で押さえる。
香里:はい。
師匠:千代。
千代:はい。
師匠:かざす手は敬礼とちゃいまっせ。もうちょっと顔から離して きれいなという気持ちで踊りましょ。
千代:へえ。
師匠:ほな もういっぺん最初からやりますよ。
♪
(鼻緒が切れる音)
千代:不吉や…。
テルヲ:千代 千代…。大事ないか? わいがおんぶしたる。ほれ。 あっ。
♪
テルヲ:千代の一座の女優さんけ? どうりでべっぴんさんや思たわ。
香里:おおきに。よう言われます。
テルヲ:せやけど 千代には勝たれへん。毎度 千代が主役やったとしても ひがまんとってな。
千代:何を突然 言い出すねんな。うち 主役なんか いっぺんもやたことあれへんわ。
テルヲ:何やと! よっしゃ また鶴亀の社長にわいから言うてきたる!
千代:ええかげんにして!
♪
テルヲ:あの…。千代のこと これからもよろしゅう頼んます。
●病院
宗助:こないしてたらな はよ石が出るんやて。 もう おなかタプタプやわ。
回想・テルヲ:もうすぐ死ぬさけ しゃあない。今までのことを許したるて そねなことではあかんねん。
宗助:さっきからうわの空やで。何かあったんかいな?
シズ:あっ 堪忍。何であれしません。
宗助:わし ほんまは結石やのうて もっと重い病気なんや…。
シズ:違いますて。千代とテルヲはんのことを考えてたんだす。
●福富楽器店
千代:ハハッ…。フフフフフ…。ほっとするわ ほんまに。
<<テルヲ:千代~。
テルヲ:千代~。千代。
通行人:臭っ! こら たまらん。
テルヲ:千代 お~い。
通行人:また出直すわ。
福松:あっ ほんま すんまへんな。
福助:ちょっと あんた はよどっか行ってんか!
テルヲ:千代~。千代。
福松:ちょっと すんまへん…。
テルヲ:千代。
みつえ:あんた ええかげんにしいや。千代はなあ あんたに構てる暇なんかあれへんのや。座長の嫁として毎日毎日 役者たちの面倒見て その合間に自分の芝居の稽古して…。せっかく結婚したのにゆっくり家で自分の幸せに浸る間ぁもあれへんねん。あげくに 一座のあほな男どもは毎日毎日飲んだくれて女遊びにうつつ抜かしてる始末や。
テルヲ:何やと?
みつえ:これ以上 あんたまで千代のこと苦しめんといて。
テルヲ:あのガキ…千代と めおとの契り交わしといて女遊びとはけしからんやっちゃ。待っとき 千代。わいが白黒はっきりさしたるさけな。
みつえ:いや そういうことやのうて…。
千代:ごっつぉさんだした。
テルヲ:千代。なあ 千代。千代…。
福助:ちょっと…。
テルヲ:千代。千代。
♪
テルヲ:ええ友達持って 千代は幸せ者や。これからもよろしゅう頼んます。
●居酒屋「水月」
女将:おいでやす。
千之助:だ…誰じゃ おっさん おい。
テルヲ:ああ? 誰でもええやろが。
千之助:ああ?
テルヲ:おい コラ どねなつもりや。千代 弄ぶようなまねしてみい…殺したんど。
一平:これまでさんざんあいつのこと苦しめてきたのは あんたやろが。急に現れて父親ぶらんといてもらいますか。
テルヲ:何やと…。
ちょちょちょちょ…!
あかんて! あかん あかん あかん!
●岡安・床の間
シズ:堪忍やで 急に呼び出して。
千代:いや…話て何だすやろか?
シズ:ほんまはな 黙っといてて言われたんやけど このままやったら あんたが後悔してしまうかも分かれへんさかい。
●居酒屋「水月」
(笑い声)
テルヲ:そのとおり! そのとおりや! 人間な 嫌われてなんぼや。ハハハハ。千之助はん あんた ええこと言うわ。
徳利:気が合うんやて 嫌われ者同士。
千之助:飲み比べしたったらええねん。
テルヲ:おもろいなあ。勝った方が千代を手に入れるっちゅうこっちゃな。
一平:手に入れるも何も 俺は結婚してんねんで。
テルヲ:自信ないんけ?
(笑い声)
一平:はあ? やったろやないけ!
女将:男と男の果し合い ゾクゾクするわ~。
千之助:酒や!
女将:酒やな。
(拍手と歓声)
●天海家
(回想)
千代:テルヲが もう長ないて…。
シズ:あの人 許すも許さんも あんたの決めることだすけど…。悔いだけは残さんようにしなはれや。
(回想閉じ)
千代:ただいま。
テルヲ:お帰り~!ハハハハ…。
千代:何してんの。
テルヲ:えっ いや おまんの旦那が酔い潰れてしもたさけ 連れてきたったんやんけ。あのな フフッ 飲み比べしてな わいの圧勝やったわ。ハハハハハ!
千代:白黒つけるんやなかったん。
テルヲ:えっ?
千代:何で一緒になって飲んでんねん。
テルヲ:そら まあ 成り行きや。
千代:成り行きでお酒飲むんか。病気のくせに。ほんで 成り行きで早死にしたらええわ。天罰やな。事業自得や。言うとくけどな あんたが死のうが生きようがうちには関係あれへん。ただの赤の他人や。
テルヲ:フッ…それでええ。お前に情けかけられとうて会いに来たんやあれぃん。最後にちょっこと おやじのまね事してみたなっただけや。
千代:相変わらず勝手やな。
テルヲ:勝手ついでに言わしてもらうわ。おまん 役者辞め。こねな生活してて幸せなんけ? もう役者なんか辞めて はよ子供産んでええお母ちゃんになり。そや それが一番や。
千代:幸せかて!? あんたがそれ聞く? 今が幸せかどうかやなんて うちにも分かれへんけどな あんたといてた時よりはずっとマシや!
テルヲ:何や われ…。
一平:気持ち悪い…。
テルヲ:ちょっと待て! 外や。
千代:だんないか…。
(えずく音)
千代:一平 何してんねん…。 飲み過ぎやで。
(戸が閉まる音)
♪
一平:はあ~おおきに。
千代:あんな テルヲのことなんやけど…。
一平:ええで。ここ いてもろても。最後ぐらい 一緒に暮らしたったら どないや。
千代:寝たふりしてたん。
一平:起きるに起きられへんやろ あないな話の最中に。
千代:うちは何があってもあいつを許すことはでけへん。あいつのこと憎いとか嫌いやとか そんなんとっくに通り過ぎてな 心の中には何や妙に冷たい干からびたもんしか残ってへんのや。もう あかんねん。
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
NHK連続テレビ小説・第103作【おちょやん】のネタバレあらすじと各回の全セリフ、そしてキャスト紹介を最終回まで書き続けています。朝ドラ【おちょやん】は女優・浪花千栄子さんをモデルに、その生涯を再構成してフィクションとして作られたド[…]