【おちょやん】セリフ書き出し第2週7話|千代と一平の腐れ縁がここから始まる

朝ドラ【おちょやん】第2週7話、ひとつきだけ岡安に置いてもらうことななった千代。その間に仕事を覚えればご寮人さんの気も変わるかもという先代女将・ハナの言葉を信じて奉公を始めたのだが…。

岡安の本家である福富にお使いに行った千代は、そこのご寮人さんである菊から受け取りを拒否され、店先に居座ったまま思案顔。

結局、菊にお使い物を渡せぬまま岡安に戻った千代にシズは

「今 何時や思てますのや。逃げ出したんかと思たわ。本家への義理は忘れてませんっちゅう形だけの挨拶や。向こうが受け取れへんのは承知の上だす」。

これが大阪名物“いけず”なのかと拍手を送り、千代と一平、運命の出会いは夜の道頓堀でした。

参考までに、岡安のお茶子を演じる3人の女優さんのプロフィールです。

【おちょやん】第2週7話セリフ書き出し

大正5年(1916)大阪 道頓堀

ここは大阪 芝居の街 道頓堀。

千代:うちはもう二度と家に戻らぃんさけ。

シズ:二度と?

千代:そうや。

シズ:よう そないな白々しい嘘…。

千代:あの家には…うちがおれぃん方がええんや。

シズ:ひとつきだけ置いたげます。あんたはそれまでのつなぎや。

ハナ:このひとつきの間にしっかり仕事覚えたら ご寮人さんの気ぃも変わるかも分からへん。

シズ:千代~!

芝居茶屋の岡安で千代ちゃんの奉公が始まりました。

●みつえの通う小学校

みつえ:遅い!

千代:すんません。

みつえ:あんた 誰?

千代:あっ…今日からお世話になる千代です。

みつえ:ああ 新しい女子衆か、まだ子供やないの。

お前もやがな。

(回想)

かめ:何しとんねん。さっさと いとさんとこにお弁当持っていかんかいな。

千代:いとさん?

かめ:ご寮人さんと旦さんのお嬢さん みつえさんや!

(回想閉じ)

千代:みつえちゃんは年 なんぼ?

みつえ:「ちゃん」やのうて「さん」それか「いとさん」や。覚えとき!

千代:へえ。

みつえ:うち 9つ。

千代:えっ ほしたら うちと同じやんけ。

みつえ:「おなじだすな」や。

千代:なあ 友達になれぃん?

みつえ:はあ?

千代:なっ ええやろ? うちに道頓堀のこととか学校のこととか いろいろ教えてえな。
みつえ:残念やけど うちとあんたは住む世界が違う。お友達にはなられへんの。

千代:そないなもんけ。

みつえ:「へえ そないなもんでおますか」や。ほら もう行き。ほかにもお使い 頼まれてんのとちゃうの?

千代:ああ ほやった。ほなな。

みつえ:「ほな行て参じます」や。

福助:あほばっかりやなあ お前んとこのおちょぼは。

みつえ:あんたんとこみたいに後継ぎがあほよりマシやろ。

福助:後継ぎ?…って僕やんか!

●福富

ここ 芝居茶屋の福富は今登場したばかりの福助君のおうちです。

千代:すんませ~ん。これ 岡安のご寮人さんからです。

菊:まあ おシズさんから…。そらあらがたい お心遣いやなあ。

千代:ほな うちはこれで。

菊:せっかくやけど これは受け取られへんな。

千代:何で? 貰てくれな いつがご寮人さんに怒られる。

菊:本家より身代大きするやなんて 道理が通りまへん。あなたらも岡安だけには負けたらあきまへんで!

3人:へえ!

ここ福富と千代ちゃんのいる岡安は積年のライバルという間柄です。岡安は福富からのれん分けしてもらいました。つまり福富が本家で岡安が分家っちゅうことなんやけど…。

(騒ぐ声)

千代:お願いや。後生さけ 貰たってください。

菊:いらんもんはいらん。とっとと持って帰り!

福松:まあ ええやないか。

菊:あんたは黙ってはなれ!

福松:はい。

菊:ちょっと待ち。持って帰り。

<千代の心の声:どねしよ。また あかんかったら うち ほんまにひとつきで追い出されてまう>

福助:みつえとこの おちょぼやないか。何しとんのや こないなとこで。

千代:自分こそ 誰や?

福助:僕はここ福富の福助や。

千代:ちょっことお願いが。

福助:何や 何や。何や。

千代:これこれ。

福助:もうやめろ。

結局 千代ちゃんはお使いを果たしことができませんでした。

●岡安

シズ:今 何時や思てますのや。逃げ出したんかと思たわ。

千代:すんません。明日 もっぺん行ってくるさけ。

シズ:本家への義理は忘れてませんっちゅう形だけの挨拶や。向こうが受け取れへんのは承知の上だす。

千代:そやったんけ。な~んや よかった~。

シズ:「よかった~」やおまへん!店の前で居座り決め込むやなんて 岡安の看板に泥塗るつもりか。

千代:すんません。

シズ:あんたの「すんまへん」は聞き飽きたわ!

千代:へえ!すんませんでした!

●岡安・住み込み部屋

ほとんどのお茶子さんは 芝居茶屋に住み込みで働いておりました。お茶子には着るもんや食事は与えられますけど お給金がありません。代わりにごひいきの客から頂くご祝儀 つまりチップがその収入源となっているのです。

玉:うちは 15円だす。

富士子:うわっ…。

2人:はあ…。

節子:やっぱり お金持ちの旦さんはな こないなんに弱いねん。よいしょ。えっ…。あんた 何日お風呂入ってへんの。

富士子:うわっ!

千代:何日やろ…えっ 臭い?

節子:臭いわ!

富士子:はそ お風呂行こ。閉まってまう。

千代:あっ お風呂行きはるんですか。ほな うちも…。

富士子:あんたはあとや。それより そこのお座布 ほつれてるとこ縫うといて。

千代:これ みんな!? これ みんな!?

節子:どいて。

玉:ねえさん。

千代:これ みんな…。

玉:みんな みんな みんな。ねえさん!待っとくれ…ねえさん!

●岡安

かめ:ご寮人さん うち 今日はこれで。

シズ:かめ。

かめ:へえ。

シズ:あんたもちゃんとあの子に言わなあかしまへんがな。

かめ:すんまへん。あの菊さんの剣幕で断られたら すぐ戻ってくる思いましたさかい。ほんなま あほやわ あの子。ほな。

シズ:気ぃ付けてお帰り。

かめ:へえ。

<<宗助:今 帰りましたで。

シズ:何や 寝てしもたん?

宗助:踊りのお稽古 頑張ってたよってな。

シズ:今 お布団ひくさかい。

宗助:よいしょ。

●道頓堀・街中

千代ちゃん 遅なってしもてお風呂屋さん間に合わへんかったみたいやなあ。

芸者:何や 臭うわ。

千代:はあ~。

(街行く人たちの笑い声)

<<(笑い声)

一平:おい 河童。何や 人か。

千代:あんた誰? こね遅うに 子供が何してんねんな?

一平:こっちのセリフや。河童や思たのに しょうむな。

千代:誰が河童や。

<<一平! どこに行ったんや おい! 一平!

千代:お父ちゃんか?

●岡安・住み込み部屋

千代ちゃんはその晩 出会った少年のことが気になってなかなか眠りにつくことが…。そらそやな。疲れてはりますさかいね。そしてその翌朝。

●道頓堀・街中

(ほら貝の音)

天晴:東西東西!皆様ご存じ 天海天海一座 西国の巡業よりここ大阪・道頓堀に戻ってまいりました~!

(拍手とほら貝の音)

天晴:さあ みんな見に来てや~。

道頓堀で一二の人気を誇る喜劇の一座 天海天海一座がやって来ました。

●岡安

天海:またしばらく世話になんで。

シズ:おいでやす。

ハナ:ボンやん 元気にしてはりましたか。

宗助:大きなったなあ ボン。

みつえ:一平 久しぶりやんな。

天海:一平 挨拶せえ。

一平:こんにちは。

天海:愛想ないの お前。

シズ:どうぞ皆さん お上がりやす。

千代ちゃんのいる岡安は この一座ごひいきの芝居茶屋いうわけなんですな。

一平:何や ゆんべの河童か。

千代:はあ~っ!?

●えびず座

富士子:お待っとおさんでございます。いつもおおきに。

●岡安

富士子:おかめさん。

かめ:ん?

富士子:お酒5本追加。

かめ:へえへえ。

富士子:今日のえびす座 満員札止めや。

かめ:そうか。

千代:そね人気なんけ あの…あま…あみ。

富士子:天海天海一座や。ええか ひと言で芝居っちゅうてもいろいろある。歌舞伎 新派 新劇 ほんで喜劇。この喜劇においてずっと日本一といわれてんのは泣く子も笑う須賀廼家万太郎率いる万太郎一座や。せやけど 今 この万太郎一座に肩を並べ追い抜く勢いの喜劇団 それこそが天海天海一座なんや。

かめ:千代! 何してんの! はよ! ちゃっちゃとせんかいな。

●えびず座・劇中

天海:母上!私でございます。友之進でございます。

客:よっ! 天海!

客:よっ!

天海:故あっての脱藩でこないな恰好しておりますが 幼い頃に生き別れた息子の市松でございます。

千之助:そんな見ず知らずの人に息子やら市松やら言われ…市松! 久しぶりに かかの乳でも飲むか。

天海:いらんやろ それは! 何でやねん! 飲まへんわ!

<<劇場からの笑い声)

一平:父上!

(拍手と歓声)

天海:菊松!

一平:お会いしとうございました。

千代と一平 切っても切れへん2人の腐れ縁がここから始まるんやわ。…って あれ? 千代ちゃん。千代ちゃん!どこ行くねんな。お~い!

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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