【おちょやん】セリフ書き出し第13週64話|俺は天海天海の名前を永久に葬り去ってやんねん

朝ドラ【おちょやん】第13週64話、一平の母親・夕は夫の天海天海から追い出されたのはでなく、外に男を作って自ら一平を置き去りにして出て行った…。

その事実を一平が知ると悲しむので、自分が追い出したとう嘘を貫いて死んでいった。

父親の心情を知り、2代目襲名を決めた一平だったが…。

もうあかんねん。俺はずっとおやじのこと憎み続けてきたや。何が芸の肥やしやて。お母ちゃんのこと捨てといて どんだけええ役者になっても絶対に俺は認めへんて…何べんも罵ったわ。せやのに 俺のために嘘ついてたんやって…。今更 そないなこと言われてどないしたらええっちゅうねん…。せやから 俺は天海天海の名前を永久に葬り去ってやんねん。派手に幕引きしたんねん。襲名公演が2代目天海天海の最初で最後の芝居っちゅうのも面白いがな。

そして、明日は一平と千代の結婚発表です。

【おちょやん】第13週64話セリフ書き出し

●居酒屋「水月」

百久利:ほな 捨てられたんは天海のおやじさんと一平の方やったっちゅうことですか!?
千之助:ああ。

百久利:せやのに おやじさんは自分が追い出した言うてたんか…。ええかっこしいやな。
漆原:あほ。一平のこと思て そない言うたんや。お母ちゃん大好きやった一平のこと思て 自分が悪役買うて出はったんや。

徳利:ほな もしお母ちゃんに会うたら 一平はほんまのこと知ってしまうやないですか。
(回想)

夕:はよ出てってんか! 何すんねん!

千代:何で…ほんまのお母ちゃんのくせに…お母ちゃんのくせに!

夕:あんたには関係ないこっちゃ!

千代:何でや!

一平:ハハハハハ! ハハハハハ! ハハハハハハ! ハハハハハハ!

(回想閉じ)

天晴:千さん 分かってて行かしたんやな。そのこと知ってる人 ほかにもいてはりますのか?

千之助:1人だけな…。

●岡安・調理場

かめ:お家さん? 何してはりますの?

ハナ:もうじきあの2人 戻ってくる頃やろ。きっと疲れ果てて帰ってきます。何か精のつくもん食べさしたろ思てな。

かめ:せやったら わてがやりますさかい。

ハナ:わてに やらしたって。こんなことしか してあげられへん。

●岡安・玄関前

一平:ほなな。

<<千代:ちょっこと寄っていけへん?

<<一平:今日はもうしんどい。

<<千代:そやな。

千代:堪忍な。うちがお母ちゃんに会いに行こやなんて言うてしまたばっかりに。

一平:俺の方こそ悪かったな。痛かったやろ。

千代:あんたよりはマシや。

一平:襲名 受けることにするわ。おやじこと さんざんボロクソ言うてしもてたさかいな。
<<一平:罪滅ぼしや。

千代:ほな してやったりやわ。

一平:まんまとな。

●岡安・帳場

そして その翌日 一平君が2代目天海天海を襲名することが発表されました。

(電話の着信音)

シズ:へえ 岡安でございます。つないどくれやす。

宗助:お~ここや ここ。載ってるで。

シズ:へえ 岡安でございます。襲名のお席だすな。へえ もちろんご用意さしてもらいます。

節子:早速 予約の電話や。すごいなあ。

玉:旦さん 後で読んどくれやす。

宗助:何で後でやねん。

玉:旦さん…。

宗助:何で わし 後やえん。まだ読んでへんねん。

●道頓堀・街中

徳利:鶴亀家庭劇 座長 天海一平 いよいよこの度の公演におきまして 父 天海天海の名を襲名することと相成りました~!

(拍手と太鼓の音)

天晴:おおきに おおきに。さあさあ 皆さん…。

その日から 一平君は時間の許す限り ごひいき筋の方々へ挨拶回りをすることになりました。

●鶴亀株式会社・社長室

鶴蔵:ああ 来たきた。彼が2代目です。

一平:初めまして。天海一平です。

市倉:君のお父上はほんまにええ役者やった。あんたも その名に恥じぬよう しっかり精進しますのやで。

一平:はい。私ども劇団の者たちのことも どうかごひいきのほど よろしゅうお頼み申します。

●岡安・床の間

大宮の旦さん:ようここまで頑張りはったな 2代目。

一平:私一人の力やあれしまへん。劇団のみんなの支えがあってのことです。

大宮の旦さん:精いっぱい応援さしてもらいますよってにな。

千代:あっ 千代。

●鶴亀株式会社・稽古場

いよいよ襲名興行の初日を明日に控え みんなの稽古にも力が入ります。入り過ぎて…。

小山田:おい もっぺん言うてみい 小僧。誰が手ぇ抜いてるいうんじゃ。おう!

徳利:俺らにとったら ずっと夢みてきた悲願なんや。

小山田:分かってるわ!

徳利:もっとちゃんとやってくれ!

百久利:落ち着き 落ち着き。

ルリ子:私らが いつどうでもいいって言うた?

香里:気合いが空回りして足引っ張ってんのは あんたの方ちゃうの。

小山田:そうや 言うとおりや。

(言い争う声)

一平:そこまでや! 今度の襲名 成功させるにはみんなで力合わせなあかん。ちょっととのことでもめんのは もうやめようや。このとおりや。

小山田:いや 座長…。

徳利:あの 俺が悪かったわ。堪忍。

小山田:いやいや わしもな 大人気なかった。申し訳ない。

一平:ほな もっぺん 頭から。

小山田:おう!

千代:一平 今晩 お家さんが岡安でごはんでもどないて。

一平:明日 初日や。今日はやめとくわ。

香里:うちも途中で一緒に帰るわ。

徳利:お母ちゃんのことがあって どないなるかて思てたけど かえってしっかりしたなあ 一平のやつ。

天晴:あれやったら 明日の襲名も大丈夫そうやな。

徳利:ああ ほんまですね。

天晴:ほな お先。千代ちゃん お疲れ。

千代:お疲れさんだす。

●岡安・調理場

ハナ:ほうか…。フフ…やっぱり わては袖にされてしもたんか。

千代:一平のやつ 何や けったいで…。

ハナ:ちょっと昔話 いてもええか。初代天海さんのことや。

●天王寺・一平の家

(マッチを擦る音)

(回想:天海の家)

天海:一平 飯食わな死ぬど。

一平:お母ちゃんに会いたい。

天海:俺かて 会いたいわ。

ハナ:お邪魔しまっせ。

天海:ああ お家さん。

ハナ:あんたら どうせな~んにも食べてへんのやろ。おいなりさん 作って持ってきたで。
天海:えらい すまんなて…飯なんか食うてられるか!

一平:お父ちゃん!

天海:何やねん。ああ? 先前からお前 ここにおるやない…。何してんねん。

(回想閉じ)

●天王寺・一平の家

(一斗缶に台本を投げ入れる音)

●岡安・調理場

千代:そないなことが…。

ハナ:千代 あんたしかおれへん。

●天王寺・一平の家

千代:何してんねんな! あんた 役者辞めるつもりなんやな。ごひいきさんに挨拶回りしてる時も あんた 自分のことやのうて 一座のことばっかり頼んでたな。自分が辞めたあとも うちらがやってけるように根回ししてたんやろ。

一平:考え過ぎや。

千代:いつまで そない嘘くさい顔で笑てんねん。あんた 言うたやんか。たとえ つらいことがあってもまた顔上げて生きていこ思えるような芝居を作るんやて。10年後も50年後も忘れられへんような新しい喜劇をつくるんやて。うちらをその気にさしといて 自分だけ「一抜けた」なんて許されへん。あんた以外 誰が家庭劇まとめられんねんな。

一平:かなわんなあ 千代には。堪忍。もうあかんねん。俺はずっとおやじのこと憎み続けてきたや。何が芸の肥やしやて。お母ちゃんのこと捨てといて どんだけええ役者になっても絶対に俺は認めへんて…何べんも罵ったわ。せやのに 俺のために嘘ついてたんやって…。今更 そないなこと言われてどないしたらええっちゅうねん…。せやから 俺は天海天海の名前を永久に葬り去ってやんねん。派手に幕引きしたんねん。襲名公演が2代目天海天海の最初で最後の芝居っちゅうのも面白いがな。

千代:いっこも面白ない。お家さんがな 昔のこと 話してくれはった。天海さんもな あんたのお母ちゃんに出ていかれたあと 何もかんも嫌になって役者辞めようっとしはったんやて。

一平:あの おやじが?

千代:きっと それだけお母ちゃんのこと好きやったんやと思う。けど…天海さんは 役者を辞めはれへんかった。何でか分かるか?

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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