【おちょやん】セリフ書き出し第12週60話|あんたはうちの自慢の弟や。元気でおって…。どうか元気でな…。

朝ドラ【おちょやん】第12週60話、えびす座に火をつけようとしたところを、マットン婆さんこと千之助に止められ、驚きとともに安堵したようにも見えたヨシヲ。

そして、岡安に連れてこられたヨシヲが千代に…。

女優になって映画や舞台に出て みんなからちやほやされて…。姉やんの名前 映画の看板で見た時 何とも思えへんかった言うたんは嘘や。ほんまはな 何で姉やんだけうまいこといっとんねんて腹立ってしゃあなかった。俺置いて出ていったくせに。姉やんがいてくれたら 俺はこねなことになれぃんかったのにて。今回の仕事もただ鶴亀潰すためだけやあれぃん…。俺はな 姉やんを引きずり下ろしたろ思てたんや。

ヨシヲの本心が聞けたところで千代がここにずっといて欲しいと説得するが、結局、ヨシヲは去っていった。

千代:うち また一人になってしもた…。

一平:一人やあれへん。俺がおる。

これが伏線となり、来週に続くです。

【おちょやん】第12週60話セリフ書き出し

●えびす座前

回想・千代:ほな 明日 うちの芝居 見においで。姉やんは誰よりもあんたに見てほしかったんやさかい。

(風の音)

(マッチを擦る音)

千之助:ふう~!

千代:よかった 間に合うて。

一平:千さん 何で…。毎晩 夜回りしてくれてはったんですか?

千之助:ちゃうわ。たまたま 晩に稽古してたんじゃ。

千代:やめとき! もう そないなことせんかてええねん。

一平:先前 うちの社長から聞いたんや。今回の1件は もうお前らを雇てる連中とみんな話がついたてな。今頃 お前の仲間もこの件から手ぇ引いて 神戸に戻ってるはずや。

ヨシヲ:嘘や! そねなことあれぃん!

一平:見つかったら面倒や。とりあえず岡安行っとき。

千代:ヨシヲ 行くで。はよう!

一平:千さん。ヨシヲのことは見てへんかったことにしてもらえませんか。

千之助:ヨシヲて誰よ? 待って…おいおい…おい!

●岡安・帳場

千代:飲み。

千代:昔と変われへんなあ。姉やん 学校も行かんと毎日あんたの面倒見てたんやで。

ヨシヲ:恩着せがましいわ。

千代:そやあれへん。今思たら あれが幸せやったんや。ヨシヲ もうどこにも行かんといて。悪い人のとこなんかに戻ったらあかん。このまま ここにいてたらええねん。あんた だまされてるだけや!

ヨシヲ:あの人ら悪う言うな!

(雨音と雷鳴)

ヨシヲ:あの人が拾てくれへんかったら 俺は野たれ死んでた。姉やんにとっての岡安が 俺にとってもあの人なんや。だまされててもええ。俺を必要としてくれんねやったらうれしい。俺にはあの人らしかいてへんねん。無理や。今更 家族になんかなられぃんわ。

千代:なれる。絶対なれるて。ご寮人さんがな ヨシヲも一緒にごはん食べよて言うてくれてはんねんで。旦さんなんか ここ住んだらええて。ほんでな…。

ヨシヲ:もうええ。

千代:お家さんもな あんた連れて道頓堀案内したい…。

ヨシヲ:もうええて!俺のこと そね言うてくれるんのは それだけ姉やんがこの家で大事にされてるさけや。仕事もそや。女優になって映画や舞台に出て みんなからちやほやされて…。姉やんの名前 映画の看板で見た時 何とも思えへんかった言うたんは嘘や。ほんまはな 何で姉やんだけうまいこといっとんねんて腹立ってしゃあなかった。俺置いて出ていったくせに。姉やんがいてくれたら 俺はこねなことになれぃんかったのにて。今回の仕事もただ鶴亀潰すためだけやあれぃん…。俺はな 姉やんを引きずり下ろしたろ思てたんや。
(おなかが鳴る音)

千代:何や おなか減ってんねんな。

ヨシヲ:え…今の姉やんやろ。

(回想)

千代:おかいさん出来たさけ お椀持ってって。

(悲鳴)

ヨシヲ:おなか減った…。

千代:分かったさけ。はよ行こ。

(回想閉じ)

千代:どない?懐かしいやろ。

ヨシヲ:よう こねなもん 毎日食うてたなあ。

千代:味は一緒やねんけどな。

ヨシヲ:せやさけ 言うたやろ…。もう昔には戻らてぃんのや。俺と姉やんは もう生きる世界が違うねん。

千代:そないなことあれへん。ヨシヲ あんたは人の痛みが分かる優しい子や。昔 おなか痛がってる栗子さん心配して薬草見つけよと山に入って…。

ヨシヲ:昔の話や。

千代:今も変わってへん。先前かて 結局 火つけへんかったやんか。

ヨシヲ:あの へんちくりんなばあさんに邪魔されただけや。

千代:本気でうあろ思たら でけたはずや。あんた 迷てたんやろ。ほんまは 誰かに止めてほしかったんとちゃうの?ず~っと止めてほしかったんと違うの?堪忍してや 今まで助けてあげられへんかって…。ほんまに堪忍やで。

ヨシヲ:勝手に決めつけんといてくれ!俺の何が分かんねん。所詮 人間は一人や。人のことなんか どねでもええ言うたやろ。

千代:分かってへんのは あんたの方や。あんたはな 人さんのこと 何べんも助けてんのやで。

ヨシヲ:俺が? 誰を助けた言うんや。

千代:うちや。ここ来て何も分からんとご寮人さんに怒られてばっかりで逃げ出しとうなった時も…お父ちゃんのせいで道頓堀出ていかなあかんようなった時も…京都のカフェーでだまされたり どえらい わがままな舞台女優にしごかれたり 撮影所からお払い箱や言われた時も…うちはあんたを思い出して頑張れた。ヨシヲもきっとどっか頑張ってるて信じててさかい 13年の間 いっぺんも会われへんかったかて あんたはうちをず~っと励まし続けてくれたんや。あんた すごいんやで ヨシヲ。

ヨシヲ:さすが女優や。芝居うまいな。

千代:芝居とちゃう。うちはほんまにそない思てんねん。

ヨシヲ:あかん。これ以上おったら ほんまに戻れやぃんなりそや…。

千代:お願いや 行かんといて。

ヨシヲ:おおけに。迷惑かけて堪忍やで。

●岡安・玄関先

千代:ヨシヲ。お母ちゃんから貰たお守りや。これ持っていき。

ヨシヲ:大事なもんなんやろ。

千代:今まで うちが独り占めしてしもたさかい。今度はあんたが守ってもらう番や。そのかわり いつか必ず返しに来んのやで。約束な。その時まで姉やん うんと気張って飛び切りの喜劇 あんたに見せたるさかいな。

ヨシヲ:楽しみやな。

千代:ヨシヲ。誰が何と言おうと あんたはうちの自慢の弟や。元気でおって…。どうか元気でな…。

(泣き声)

(足音)

千代:あかん…引き止められへんかった。うち また一人になってしもた…。

一平:一人やあれへん。

(泣き声)

一平:俺がおる。

(泣き声)

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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