【おちょやん】セリフ書き出し第2週6話|大正5年、道頓堀の芝居茶屋に奉公に入る千代

朝ドラ【おちょやん】第2週6話、第1週に続いて、千代と一平、シズの口上からスタート。

(柝の音とチンドン太鼓の音)

黒衣:東西東西!

千代:いずれのお方様方もご機嫌よろしゅう。1週間ぶりに皆様のご尊顔を拝しまする。竹井千代でございます。

一平:よっ「おちょやん」!

シズ:2週目。

千代:「おちょやん」第1週目 ちょこっと振り返ってみましょか。

大正5年 大阪は南河内の小さな村で 千代ちゃんは父テルヲと弟ヨシヲと3人で貧しい暮らしをしておりました。

ヨシヲ:姉やん おなか減った。

そんな千代ちゃんの前に父は栗子という新しいお母さんを連れてきました。

テルヲ:どえらい土産やで!

栗子:初めまして 栗子です。

けど栗子におはぎを食べられてしもた千代ちゃんは 彼女を絶対にお母さんと認めませんでした。

千代:あんたなんか お母ちゃんとちゃうわ!

そんなこんなで千代ちゃんは大阪の道頓堀へ奉公に出されることになったのです。

シズ:それ うっとこだす。

一平:えらい はしょったな。

千代:お母ちゃん言うてた。うちはかぐや姫やて。うちは捨てられたんやない。

テルヲ:もちろんや。お父ちゃんが そねなこと…。

千代:うちが あんたらを捨てたんや。

テルヲ:千代!待ってくれ!お父ちゃんが悪かった。

ヨシヲ:姉やん!

テルヲ:堪忍や!頼むさけ行かんといてくれ 千代!

ヨシヲ:姉やん!

一平:いや そんなん ちゃうかった。

千代:というわけで「おちょやん」第2週目 私ども一同この後もなお一層の精進をしてまいります。よろしゅうお願い申し上げ奉りまする~!

テルヲ:おはぎ買うたるさけ 待ってくれ!

一平:これ毎週やんの?

千代:いやいや…やらんやらん。

【おちょやん】第2週6話セリフ書き出し

●道頓堀・街中

口入れ屋:ここが今日からおまんの生きていく場所や。ええか 初めのうちは…。

千代:おとぎの国やんけ!

大正5年 千代ちゃんは奉公先である大阪・道頓堀にやって来ました。

千代:夢とちゃうんけ?

口入れ屋:浮かれてる時やあれへん。ここが今日からおまんの生きていく場所や。初めのうちは…。

千代:道頓堀 ええとこや~!

口入れ屋:聞かんか~い!

口入れ屋:こっちや。

ここ大阪・道頓堀は東京・浅草と肩を並べる芝居の街で多くの芝居小屋がひしめき 日本のブロードウェイと呼んでええほどの娯楽の中心地でした。

●岡安・店先

口入れ屋:ここがおまんの奉公先 芝居茶屋の岡安や。芝居茶屋っちゅうのはな…。

節子:ごめんやっしゃ ごめんやっしゃ!

富士子:ごめんやっしゃ!

千代:やい われ! 

富士子:何だす?

千代:痛いやないけ!

富士子:そないなとこで ぼ~っと突っ立ってるあんさんが悪い。

千代:何やと!

玉:ごめんやっしゃ ごめんやっしゃ! あれまあ! ごめにゃっしゃ!

富士子:お玉 はよ。

玉:へえ。

千代:やい われ 待たんかい!何しくさんねん このどあほう!すかたん!

<<シズ:あほ! すかたんはあんただす。

口入れ屋:ご寮人さん。

道頓堀にはこの岡安のよういな芝居に関するよろず事を引き受ける芝居茶屋が数多うございました。

お茶子:ごめんやっしゃ ごめんやっしゃ!ごめんやっしゃ!

そこでは働くお茶子と呼ばれる女性たちは座席の確保やお酒やたばこ 幕間に食事の手配など ごひいきのお客様に満足してもらうため 休むいとまもない毎日を送っておりました。その芝居茶屋岡安の全てを取り仕切るのが…。

●岡安・玄関

ここ岡安のご寮人さん 岡田シズさんや。

千代:竹井千代いいます。よろしゅうお頼申します。

シズ:何だす 来て早々 店先で大声張り上げて。しかも あないな汚い言葉で。

千代:向こうが先 ぶつかってきおって…。

シズ:何だす? あんた 親孝行か? お父さんお母さんのこと どれぐらい大事に思てる?

<千代の心の声:これは試されるな…>

千代:そらもう お父ちゃんもお母ちゃんも大好きや。うちも一生懸命働いて はよ2人に恩返しせな。待っててや お父ちゃんお母ちゃん。

シズ:そうか。そない親孝行やねやったら うちでは使われしまへんな。

千代:はあ!? 何でや!

シズ:親思いの優しい子はな やれお母さんが風邪ひいたの やれ お父さんがケガしたやのと すぐ帰ろうとするさかいな。そないな子に盆暮れ正月もあれへん芝居茶屋の仕事は務まれしまへん。

<千代の心の声:しもた 逆やった>

(回想)

栗子:あんたら 目障りなんや。うちはテルヲさんとこの子と家族3人で暮らしたいねん。

千:うちはもう すぐにでも出ていくさけ。うちはもう二度と家に戻らぃんさけ。

(回想閉じ)

シズ:二度と?

千代:そうや。

シズ:よう そないな白々しい嘘…。

千代:あの家には…うちがおれぃん方がええんや。そやさけ ここに置いてやってください!一生懸命働くさけ!

宗助:帰りましたで~。高津さんにお参りしてきたわ。

かめ:お家さん 旦さん お戻りやす。

ハナ:えらい賑やかなこったすなあ。表まで丸聞こえだすがな。

シズ:すんまへん お母ちゃん。

ハナ:まあ ええやないか。

シズ:お母ちゃん。

ハナ:しばらく様子見たり。

千代:ほんまに!?

ハナ:さっきおみくじ引いたらな 大吉やったし気分よろしねん。「待ち人来る」て書いてあったしな。

千代:それ きっとうちのことやわ。

シズ:何 ほたえたこと ぬかしとんねん。

ハナ:あんた ほげたが達者やなあ。

ほげたが達者いうのは 口が達者っちゅう意味やね。

千代:ほげ…ほげ? ほげ…。

シズ:しょうおまへんな。ほな ひとつきだけ置いたげます。

千代:ひとつき…。

シズ:それまでに 代わりの子見つけといてんか。もっと素直で賢い子。あんたはそれまでの つなぎや。

千代:ひとつきも置いてもらえるやなんて うれしいなあ。

口入れ屋:ほな わしはこれで。

宗助:シズもおちょやん相手にこない激しいせんかてええのになあ。

千代:あの…何で うちの名前知りよるんけ?

宗助:名前?

千代:お千代やんて。

宗助:あ~ハハハハ そやない そやない。ちっちゃい女中見習いのことを おちょぼとか おちょやんいいますのや。

ハナ:お千代いうんか。

千代:そや。

ハナ:「そや」やおまへん。「へえ」。

千代:へえ。

ハナ:あのご寮人さんはきついで。そやけどな このひとつきの間にしっかり仕事覚えたら ご寮人さんの気ぃも変わるかも分からへん。せえだい お気張り おちょやん。

千代:はい!

ハナ:「はい」やのうて「へえ」。

千代」へえ!

ハナ:かめ あとは任したで。

かめ:へえ。

●岡安・台所

千代:竹井千代です。あの…。

かめ:何もせんかてええ。ひとつきでいてへんようになる子に教えたとこで時間の無駄や。
千代:そ…そねなこと言うとらんと 何ぞ。せやないと ご寮人さんの気ぃ変われぃん。

かめ:ほんなら そこの釜でも磨いとき。

千代:へえ! 

千代:これ 食うてもええけ? もったいないさけ。

かめ:何や。うちが粗末にしたとでも言いたいんけ?

千代:いや そねなこと…。

かめ:ええで 集めて食べ。ただし そこの走りにこぼれてるやつもやで。

千代:ええんけ? こね ようけ。おおきに おかめさん。

千代:ちょっ…あっ…。

かめ:朝起きたら表の水 ほうきで掃いて水まいといて。今から…。

千代:おかめさん…あっ 痛い。

かめ:お座敷の掃除や。丁寧にはたきかけて拭き掃除。柱 机の水拭き 硯の水替え たばこ盆の掃除。灰吹き洗たら 火鉢の灰 やわらげとく。花瓶に花が生けてあったら水 取り替えること。それが終わったら洗濯や。みんなの分 洗て干したら小学校のいとさんとこにお弁当届ける。ほで 帰りに郵便局寄って手紙出したらついでに旦さんのたばこ買うてくる。あっ裏のドブに仕掛けたねずみ取りにねずみかかってたよってほかしといて・

千代:ねずみ…。

かめ:まあ 夕方までの仕事はこないなもんかな。晩のことはまた言うし。

<千代の心の声:あかん…最後のねずみでみんな忘れた>

●岡安・座敷

(たたく音)

千代:あっ…。

かめ:きちんと目に沿うて 丁寧に拭くんやで。

千代:はい。

かめ:返事は へえ。

●岡安・廊下

かめ:遅い! もっとはよう! けど丁寧に。はよせな 日ぃ暮れてまう。

●岡安・物干し台

<千代の心の声:お父ちゃんのふんどしもよう洗たなあ>

(回想)

(笑い声)

千代:お父ちゃんのふんどしやで。におてみ。

ヨシヲ:嫌や!

(回想閉じ)

<千代の心の声:ヨシヲは元気やろか>

回想・テルヲ:この人が今日からお前のお母ちゃんや。

<何で…何で うちが…>

<あの あほんだら!>

●岡安・店先

ひいきの客:また世話なんで。

千代:うりゃっ!

富士子:かぶりつきのええお席 ご用意できましたさかい。

ひいきの客:役者のふんどししか見えへんってことはないやろな。アッハハハ。

あかん…この流れはあかん!

ひいきの客:ハハハ…。いったあ~っ!

そうなるわな やっぱり

ひいきの客:何やねん 上から落ちてきて ええっ? あけてみや コラ 広げてみいや。
富士子:旦さんの…ふんどしや~!

シズ:千代~!

●岡安・台所

かめ:この疫病神! あんたのせいでうちまでご寮人さんにどやされたないか!

千代:すんません。

かめ:何してんねん。さっさと いとさんとこにお弁当持っていかんかいな。

こないして千代ちゃんの道頓堀の日々が幕を開けました。気張りや おちょやん。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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