【おちょやん】セリフ書き出し第12週59話|ヨシヲ「心入れ替えさせよ思てんねやったら無駄やで」

朝ドラ【おちょやん】第12週59話、えびす座に脅迫電話してきた犯人の一味がヨシヲ…。それを知った千代は懸命にヨシヲを諭すのだったが…。

心入れ替えさせよ思てんねやったら無駄やで。あいにく 俺は自分が間違うてるやなんて いっこも思ってへん。

俺はな そういう浮かれたこと ぬかすやつ見てたらへどが出んねん!言うたやろ。人がどうなろうと あんたがどうなろうと知ったこっちゃあれぃん。人間はな 所詮一人なんや。姉やんかて ほんまはそない思てんのちゃうけ。もう俺のことはほっといてくれ。

こうして、橋の下で腹を空かせていたヨシヲを拾ってくれた“神戸のおやじ”の命令の下、えびす座に火をつけようとするヨシヲだったが…。

それを止めた千之助と、駆けつけた千代と一平、明日に続くです。

【おちょやん】第12週59話セリフ書き出し

一平:ヨシヲが脅迫電話してきた犯人の一味やったんや。

ヨシヲ:何さらすんじゃ われ!

ヨシヲ:居間の仲間以外 誰も俺を助けてくれへんかった。

ヨシヲ:俺のこと警察に言うてみい。そん時は仲間が道頓堀中の芝居小屋に火つけるさけな。

一平:大山社長に話 するしかない。

千代:ちょっこと待って。

一平:でけん相談やな。時間の無駄や。

千代:無駄でもやらなあかんねん!ヨシヲはうちのたった一人の弟なんや。 ヨシヲのためだけやあれへん。このままやったら うちがあかんようなってしまう。

●岡安・茶の間

ハナ:今日はヨシヲさんは来えへんのか?

千代:ちょっこと用事あるみたいで。

ハナ:そら残念だすな。道頓堀 案内したげよ 思てましたんやけど。

シズ:時間でけたら うちでごはん一緒に食べるように言うとき。

宗助:そら よろしいな。いっそ ここで一緒に住んだらええ。そうしい そうしい。 どないしましたんや?

シズ:あんた 泣いてますのか?

千代:喉詰まりそうになったんだす。苦しかった。

ハナ:そやさかい 言いましたやろ。はよ お茶飲みなはれ。

千代:皆さん おおきに。ヨシヲもきっと喜びます。必ずここで皆さんと一緒に ごはん食べさします。

●鶴亀株式会社・社長室

熊田:やっと突き止めました。去年買収した神戸n芝居小屋の元興行主らが 地元の荒くれ者を雇て 鶴亀を潰そとしてるみたいです。

鶴蔵:おんなじやな あのころと。

鶴蔵率いる鶴亀株式会社は 明治から大正の初頭にかけ ここ道頓堀の芝居小屋を次々と手中に収め 一大興行主へとのし上がりました。その時も元座主たちからのひどい嫌がらせを 鶴蔵はその鋭い手腕ではねのけ 道頓堀を日本屈指の芝居の街への発展させたのです。

鶴蔵:あれから20年 な~んも変われへんわ。

熊田:どないいたしましょう?

鶴蔵:私利私欲ばっかり考えてる時代遅れの連中に この国の娯楽文化の発展 潰させてたまるかい!

●道頓堀・街中

桐島:今晩 やるぞ。もうそうするしかないって おやじから指示や。ヨシヲの正体バレてしもた以上 いつ警察に通報されるか分からへんからな。

ヨシヲ:すんません。けど大丈夫や思います。あの姉やんは ほんまにあほがつくほど お人よしやから。

依田:んなもん当てになるかい。さっさと芝居小屋燃やして すぐにでも逃げるんや。

桐島:俺は鶴亀座 お前は大黒座 ヨシヲはえびす座や。ええな。

●旅館「泉屋」

女将:お帰りやす。

ヨシヲ:何の用や。

千代:あんたを迎えに来たんだす。ヨシヲ もうあほなことせんと 一緒に暮らそ。

ヨシヲ:心入れ替えさせよ思てんねやったら無駄やで。あいにく 俺は自分が間違うてるやなんて いっこも思ってへん。

千代:なんぼ欲しいねんな。姉やん 一生懸命稼いで あんたにぜいたくさしたる。お小遣いもようけあげる。テルヲに根こそぎお金取られてしもたけど あんたが悪い連中と手ぇ切ってくれんねやったら 姉やん 喜んでなんぼでも出したる。

ヨシヲ:フフッ…姉やんには無理やな。 今の俺は 姉やんが思えるよりずっとようけ稼いでんねん。売れへん舞台女優では 俺 養われへんわ。もう姉やんの夢物語は聞き飽きた。去んでくれ。

千代:待って。

ヨシヲ:俺はな そういう浮かれたこと ぬかすやつ見てたらへどが出んねん!言うたやろ。人がどうなろうと あんたがどうなろうと知ったこっちゃあれぃん。人間はな 所詮一人なんや。姉やんかて ほんまはそない思てんのちゃうけ。もう俺のことはほっといてくれ。

千代:ほっとかれへん!やっと会えたのにほっとけるはずあれへんやろ!あんたの仲間に会わして。あんたを返してもらう。姉やんが話つけたる。

ヨシヲ:自分が何言うてんか分かってんのか。どねなっても知らんど。

千代:あんたを救えんねやったら うちはどないなってもええ。

ヨシヲ:フッ…話にならんわ。誰か。

(戸が開く音)

<<女将:お呼びでございますか。

ヨシヲ:こいつら追い出してくれ。

女将:もめ事は困ります。お引き取りを。

千代:ヨシヲ。

一平:もうええ。帰ろう。

千代:嫌や まだ話は終わってへん。

一平:ええかげんにせえ!行くで。

千代:何で止めてんな!

一平:お前があほなこと言いだすからや!仲間と会うて何かあってからでは取り返しつけへんねんで!

千代:ほな どないせえ言うねんな。

一平:どないもなれへん言うてるやろ! あれがヨシヲや。お前の思い描いてた理想の弟は もうどこにもいてへんねん。もう諦め。

<<香里:また? お芝居でへけんからて 毎晩 遊び過ぎなんとちゃう?

●鶴亀株式会社・稽古場

ルリ子:とにかく 再開したら すぐ上演できるように セリフと動きだけでも合わせておきましょう。

天晴:よっしゃ ほな もういっぺん 頭からやんで。

香里:お母ちゃん ずっと会いたかったんやで。何度 日が昇り 月が沈んだことやろ。 どない?

天晴:う~ん…やっぱ 千さんやないと 百久利じゃよう分からんな。

一平:このまま家庭劇終わらすことなんかでけへん。大山社長にみんな 話してくる。ええな。

(ヨシヲの回想|橋の下)

神戸のおやじ:わしのとこ 来るか?

(回想閉じ)

●旅館「泉屋」

ヨシヲ:何やねん さっきから何べんも何べんも。

一平:忘れ物や。あとな さっき言い忘れたことがあったさかい 言いに来た。

ヨシヲ:何や。

一平:俺と千代が出会たんは 9つの頃や。お前がどこまで覚えてるかは分からんけどな 家追い出されて もう戻るとこものうなって あいつはな 岡安で毎日死に物狂いで下働きとして働いてた。

ヨシヲ:何の話や。

一平:ええさかい 黙って聞け! それからお茶子になって おやじさんのせいで 道頓堀にいてられへんようになった時も 役者になって撮影所クビになった時も あいつはな いつも「ヨシヲ ヨシヲ」言うてたんや。お前のためやったら死ねるてな。

回想・千代:もしヨシヲに一緒に死んでくれ言われたら うちは死ねる。

一平:お前からしたら そない勝手に思われてもええ迷惑かも分からへんけどな 俺は13年 あいつのこと見てる。弟のお前よりも長いつきあいや。そやさかい 言わしてもらう。この世の中で お前のこと誰よりも思てたんは 間違いのう 千代や。

●岡安・勝手口 

千代:お母ちゃん 聞いて。ヨシヲに会えたんやで。見違えるほど大きなって… 男前になってたで。ほんで…。

(すすり泣き)

千代:ほんで…。

(すすり泣き)

千代:明日も晴れやな。

●鶴亀株式会社・社長室

(ノック)

(ドアの開閉音)

一平:失礼します。

鶴蔵:何や 今日は一段とうっとうしい顔やな 2代目。

一平:家庭劇 脅迫してきた連中のことでお話が…。

鶴蔵:その話やったらな ちょうど今 こっちゃから連絡しよう思てたとこや。

一平:えっ?

●岡安・勝手口 

富士子:千代 いてたんやな。

千代:はい。

富士子:何や さっき ヨシヲ君に会うたで。えらい怖い顔して歩いてたさかい ケンカでもしたんか思たわ。

千代:ヨシヲが? どこで会いはったんだす?

●岡安・玄関先 

一平:どないしたんや?

千代:ヨシヲが…。

●えびす座前

(マッチを擦る音)

回想・千代:ほな 明日 うちの芝居 見においで。姉やんは誰よりもあんたに見てほしかったんやさかい。

(風の音)

(マッチを擦る音)

千之助:ふう~! ふう~! ふう~! あ~こんばんは。寒いだすなあ。あの たき火だすか? ほな わてもちょっと あたらしてもらいまひょかね。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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