【おちょやん】セリフ書き出し第10週50話|お客さん喜ばすのは笑いだけやあれへん

朝ドラ【おちょやん】第10週50話、鶴亀家庭劇初興行も千秋楽を迎え、トリの「手違い話」でどちらがより多くの笑いを取るかという千代たちと千之助の勝負が始まり…。

前日の夜、千鳥の言葉からヒントを得た千代たちは、役になりきって千之助のアドリブに対抗。

小山田は男一筋、香里は芸子一筋、そしてルリ子は誰よりも信じて欲しかったと千之助にもたれかかるも「彦一郎!」と元カレの名を叫んでからの「しもた」で客が大笑い。

かくして、千代曰く

<お客さん喜ばすのは 笑いだけやあれへん>

となり、鶴亀家庭劇は大山社長から認められて存続決定。その客席では、岡安の宗助と福富の富松が目くばせしており、来週は道頓堀版ロミオとジュリエットです。

【おちょやん】第10週50話セリフ書き出し

千鳥:そんなに千之助に勝ちたいの!? だから駄目なのよ。演じるということは役を愛した時間そのもの!

千代:うちは千代やない。おきんや。

鶴亀家庭劇初興行「手違い話」間もなく開演です。

●えびす座・客席

福助:よっ。

みつえ:こんにちは。

菊:芝居茶屋の女将が芝居見る暇あるやてなあ。ええ時代になりましたなあ。

シズ:今日は特別だす。ボンやんも千代も あての家族みたいなもんやさかい。

菊:せえだいお楽しみ。

シズ:そうさしてもらいます。

熊田:すんまへんな 立ち見になってしもて。

千鳥:いいのよ。つまらなかったらすぐに帰るから。

はてさて 幕は開きまして いつもの場面でございます。

●えびす座・舞台

千之助:何や?

香里:えらいご無沙汰やったことやなあ。

千之助:ああ すまなんだなあ。

小山田:加平衛殿~!加平衛殿!えらいこっちゃ!えらいこっちゃぞ~!

千之助:どないしましたんや 2人ともそない慌てて。

一平:ご寮人さんが私の手の動き見て 旦さんが浮気してはんの 気ぃ付いてしまいはった。もうすぐここへ乗り込んできはりまっせ!

千之助:何やて! それ…。

一平:旦さん 聞こえてはりますか? はよ…。

千之助:久助。嫌じゃ。

<今日はそう来たか…>

千之助:わしは逃げも隠れもせんで。

一平:何言うてはりますのや 早く奥へ行かな ご寮人さん…。

千之助:嫌じゃ嫌じゃ。おい 松庵 ちょっとここに来てくれ。

小山田:はあ?

千之助:ちょっとここに来てくれて。

ルリ子:あいつ…。

千之助:ええから座れ。そこに座れっつってんねん!

(笑い声)

千之助:ええ感じじゃ、おい 松庵 お前が美代香と浮気してたことにせえ。

小山田:え~!

千之助:お前が 手 取り違えたからやないか。わしはお前に片棒を担がされてここにおることにする。

小山田:そんな!

千之助:よし そうと決まったらな せっぷんせえ!

小山田:はあ~!

香里:せせせせ…せっぷん!

千之助:せっぷんや!

小山田:ああ…。

(笑い声)

千之助:はよせえ せっぷん! せっぷんせえ言うてんのや。

ルリ子:あんさん! この芸子と浮気してはりましたんか!

千之助:あほなこと言うな。浮気してたんは松庵先生や。なあ?

<もう やるしかあれへん>

千代:旦さん そないな嘘は通じしまへんで。

千之助:何やて?

千代:松庵先生は芸子さんと浮気するようなお人やあれしまへん。なあ 松庵先生。

小山田:ああ…ああ そのとおりじゃ! 私は…私はこのような小娘に興味などない。いや実はな 私が…私が好きなんは 男なんや。

千之助:何やて!

小山田:男一筋や!

千之助<こ…こいつ…>

小山田:ほんまに好きなのは 加平衛殿 あんたや。

千之助:あほなことをするな お前は。

<小山田さん…>

千代:旦さん これでもまだシラ切りはりますのんか。

千之助:知らん知らん!わし こんな芸者 知らんで!

千代:あんたは どないだすのや。

<香里さん…>

香里:もうええわ! うちかて 芸子の端くれ。旦さんと一時 楽しむことはしても ご寮人さんとの仲 引き裂くようなことはしとうあれしまへん。もう これきりで。旦さん 楽しおました。さいなら。

千之助:待て待て待て待て! あかんあかんあかんあかんあかん! こっちゃ向け こっちゃ向け。こっちゃ向け わしとせっぷんしよ! ほんまにしよ!

一平:旦さん 開き直ったらあきまへん!

千之助:あ~ そや。わしと美代香はええ仲や。せやけど おみの お前も密通してんのは全部お見通しやで~。この久助とな~。

千之助<さあ どないする>

一平:な…何をいきなり…。

千之助:わしのこと恨んで 首絞めんとってや~。化けて出るで~。

千代:ご寮人さん しっかりしとくれやす。このままで よろしおますのか?ほんまのこと言うとくなはれ!

ルリ子:わては誰とも浮気なんかしてへん。首絞めたりもしてへん。

千之助:みんな言うてるで~。

ルリ子:みんな ただの噂だす! みんなにどない思われようと構へん。あんたにだけは…あなたにだけは…信じてほしかった…。彦一郎さん!

一平:…て 誰やそれ!

ルリ子さんの元カレです。

ルリ子:しもた。

千代:しもたて言うたら あきまへんがな~!

ルリ子:せやなあ。

(拍手と笑い声)

千代:何だす 旦さん そない悔しそうな顔しはって。

千之助:ああ?

千代:さては 嫉妬してはりますのやな。ほんまは今でもご寮人さんのこと 好いてはんのや。

千之助:何でお前にそないなことが分かんねん。

千代:そら分かります。うちは9つの時から奉公さしてもろて ずっと旦さんとご寮人さんのこと見てきましたんや。さあ もう意地張んのはやめて ご寮人さんのこと抱き締めたげとくなはれ。

千之助:誰がそんなことするか。

千代:ほな しゃあない 久助さん あんた うちのこと抱き締め。

一平:はあ? 何で わいがお前…。あ~手が入れ代ってんねやった。 わいがお前を抱き締めようとしたら 旦さんの手が動いて ご寮人さんを抱き締めるてことやな。

千代:そうや。素直になられへん旦さんに力貸したげて。

一平:ほな…。

千之助:やめえ。

香里:これ以上 ご寮人さんを泣かしたらあきまへん!

小山田:あんたが言うこっちゃあらへんがな。それよりも私を抱き締め…。

千之助:ああ~!

一平:ほな 改めて…。

ルリ子:あんた…。

千之助:わしやないで。久助が動かしてんねや。

ルリ子:それでもええ。

宗助:よっ ご両人!

(拍手)

千之助:もう…。

一平:何や 手が勝手に動く~。

千代:その手は旦さんの手だす。旦さんもほんまは ご寮人さんのこと 抱き締めてはんのだすな。これだけは手違いやおまへん。だんさんの まことの心だす。

千之助:もう こりごりや~!

<お客さん喜ばすのは 笑いだけやあれへん>

(拍手)

菊とシズ:よっ 家庭劇!

(拍手)

みつえ:よっ 一平座長!

ハナ:わての目に 狂いはあれへんかったな…。

(拍手)

熊田:よろしんですか。会うていきはれへんかて。

千鳥:いいのよ。会っても何も言うことないから。

●えびす座・楽屋

天晴:須賀廼家千之助。次も千之助。次も せ…。小山田正憲。

小山田:わしか!?

天晴:「高峰ルリ子」「石田香里」「天海一平」「竹井千代」「家庭劇の皆さん」「全員に1票 一人に決められまへん」。

千之助:もうええわい。もうええ。こんなもん 座長なんか わし はなからやりたないねん 邪魔くさい。痛み分けじゃ。大体 何じゃさっきの芝居は!好き勝手にやりくさりよって。わしと一緒にやんねやったらな 次もっと笑かせよ。邪魔くさい。

千代:あれて…。

天晴:ものすご分かりにくいけど 千さん一番の褒め言葉やな。あんたらを仲間て認めたっちゅうこっちゃ!

千代:よっしゃ~!

天晴:よっしゃ~! よっしゃ~!

千代:ええ すごい!

天晴:やった~!

●えびす座・二階客席

万太郎:なかなか おもろいもん見せてもらいました。特にあの女中役 何ちゅう名だす?

鶴蔵:ああ あの子な。まあ後で熊田が教えるわな。どや ちっとは先が楽しみになったか。

万太郎:まだまだ わての敵やおまへんな。ハハハハハハハハ!

こうして一平君率いる鶴亀家庭劇は 大山社長から認められました。そしてあの喜劇王 須賀廼家万太郎から一目置かれたことを 千代ちゃんは知る由もありませんでした。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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