朝ドラ【おちょやん】第9週43話、一平の脚本を読んだ天晴が劇団に戻ることになり、次は徳利をなんとかしようと漆原が言うが、一平曰く徳利はすでに須賀廼家万太郎一座に入ったと。
徳利を説得すべく千代と天晴が万太郎一座の稽古場に向かうと、徳利が一座の下っ端として働いており、やがて先輩たちから日本酒を頭から浴びせられるといういびりいけずも。
たまらず、徳利が手を出して大騒ぎになる中、千代は徳利を居酒屋「水月」に連れ出し、徳利の好物のビールと鱧皮ときゅうりのざくざく ビフカツ 白天とかわいれのおつゆ バッテラを出して、再度、説得。
4年前 成り行きやけど初めて皆さんと同じ板の上に立ちましたやろ。次はちゃんと皆さんと一緒にお芝居したいてずっとそない思てました。徳利さん 戻ってきとくなはれ。うちは徳利さんと一緒にお芝居がしたいんだす。
こうして劇団に戻ることになった徳利だったが、今度は一平が漆原に「あなたには辞めてもらいます」と言い出し、明日に続くです。
【おちょやん】第9週43話セリフ書き出し
●道頓堀・街中
天晴:ふっ ふう~! すんません。
一平:すんません。
天晴:はあ~恵みの雨や~。
●鶴亀株式会社・稽古場
天晴:また一緒に芝居やらせてくれへんか。
一平:おおきに 天晴にいさん。
(笑い声)
●岡安・帳場前
ハナ:ボンやん。聞きましたで。鶴亀の社長さんからえらい厳しいこと言われたそうやなあ。
一平:はい。
宗助:何だすのや 厳しいことて。
一平:初興行がうまいこといかへんかったら すぐに劇団を解散して二度と道頓堀では芝居さしてもらわれへんて。
ハナ:ボンやん一座の成功は この岡安の悲願だす。どうか…気張っとくなはれ。
(くしゃみ)
●千之助の安宿
千之助:ここで何か おもろいことやって わし笑かしたらその劇団入ったるわい。
千代:たこ入道~。
千之助:いや それ さっき見たやん。
百久利:千さん 酒飲みはります?
千之助:いらん。
●岡安・一平の居候部屋
漆原:もう ボンもいけずやわ。こないな台本あるんやったら はよ見してくれたらよかったのに。
天晴:そら わてとボンの間柄やからな。特別や特別。なあ ボン。
漆原:さっきまで辞める言うてたんはどの口や。これか。
天晴:痛い痛い痛い痛い!
漆原:この口か。
天晴:痛い痛い痛い痛い!
漆原:これか!これか!
天晴:ボンも何してん…。痛い…もう痛い もう~。
千代:何やの これ…。何でここいてはんの!? ほんで何で楽しそうにじゃれ合うてますの!?
天晴:まあ ひと言で言うたら「雨降って地固まる」やな。
千代:そら よろしおましたなあ。ちゃうわ~!千之助さんがいてへんかったら やれへん言うてはったさかい うちは何としてもあの人を口説こ思てこの身も心もみんな差し出して…。
(回想)
千代:ニャ~…ニュ~! 猫気ぃ失うて…。
千之助:ニャンとも言わん。5回目や。
千代:たこ入道~。
千之助:いや もう笑うはずないやろ お前。しょうもない。
千代:するめ。するめ。
千之助:もう許してくれ…。
千代:ココココココココ コケコッコー!
千之助:もう それ ええって。
千代:ココココ コケコッコー!
千之助:巻き込むな。
千代:コケコッコー!
千之助:そろそろ殴ってええかな。
(回想閉じ)
千代:ああっ…あ~ははは…。
(泣き声)
天晴:千さん ニヤリとはするけど 声出して笑うなんてめったにあらへんからなあ。
漆原:私は見たことないかも。
千代:そないなこと初めに教えといてくれはなれ!
天晴:ああ 堪忍堪忍。けどな 千代ちゃん わても千さんおってくれた方がええと思てんねん。ボンの気持ちも分かるけどな。
漆原:とりあえず 次は徳利ちゃん なんとかしましょうよ。
千代:そうだすな。うちももう 千之助さん笑かすのしんどい。
一平:あかん。徳利にいさんにも もう頼みに行ったんや。せやけど 別の劇団に入るて。
天晴:別の劇団?
一平:須賀廼家万太郎一座や。
天晴:万…。
漆原:太…。
千代:…郎~!?
●鶴亀座前
天晴:万…。
漆原:太…。
千代:…郎~!?
徳利:う~わっ!
天晴:あ~そっちそっちそっち!
千代:やい われ~! 待ち!
天晴:うわあ~!
●鶴亀座
千代:天晴さん 何してんの!
天晴:痛~い 痛~いの! 痛い痛い…やめろって!足痛いねん 足。
千代:徳利さん!徳利さん!
徳利:何やねん お前ら ほんまに!
千代:あっ 大事あれしまへんか?
徳利:どないしたんや 2人そろって。
千代:それは こっちのセリフです。
天晴:徳利 そらあんまりやで。よりによって万太郎一座て…。わてらがず~っと超えよう思てた相手やないかい!
徳利:そうや。てっぺんや!もし そこに入れるてなったら にいさんかて入るやろ。
天晴:うう~…。
千代:…やのうて そこはすぐ 入らへん言うとくはなれ!
天晴:入らへん。
徳利:遅いわ。
千代:徳利さん 戻ってきておくれやす。
徳利:千さんはどないしたんや。
千代:いや それはまだ…。
徳利:フッ…ほな 話にならんな。やっぱりすごいで 万太郎さんは。
天晴:万太郎のケツの穴でも なめとめ!
<<一二九:何や騒がしいなあ!
千代:万…。
天晴:太…。
一二九:誰や お前ら!
徳利:アッハハ すんまへん 一二九にいさん!何でもあれしまへん。
一二九:稽古始めんで。
♪
万太郎:こんにちは。
千代:こんにちは。
天晴:はあ…びっくりした~。
千代:何や よう分かれへんけど… すごいな。
天晴:えっ?
●岡安・一平の居候部屋
漆原:あの2人 うまいことやってるかな?
一平:無理やろな。ほんまに万太郎一座に入れたんやったら 徳利にいさんにはその方がええ。
漆原:優しいなあ ボンは。そない言うたら昨日 私に何か言いかけてたな。何やったん?
●岡安・裏の軒先
シズ:何だす?話て。
富士子:うち…お暇頂戴しよか思てます。急で申し訳あれへんのだすけど。
シズ:何でだす?
富士子:清水の旦那さんから組見断られたんだすわな。今年になってから もう8件目や。仕事が減んねやったら お茶子も必要あれへん。節子と玉がいてたら なんとかなりますやろ。
シズ:岡安の台所 案じてくれてますのやな。
●鶴亀座・楽屋
徳利:皆さんもお疲れさんです!勉強になりました!
蝶丸:お前も飲め。
徳利:あ~すんまへん。俺 ビール専門でね 酒 あきませんねん。
蝶丸:何や わいの酒が受けられへん言うんかい。
徳利:そうやのうて 俺ね 酒やとすぐ酔うてしもてね…。
蝶丸:何や おっとっとっとっとっとっとっとっとっと~。端役やろうと雑用やろうと ここおったら安泰や。ツイてたのう 自分。
(笑い声)
蝶介:ほんまやで。
蝶丸:おっ いけるやないか。
(笑い声)
徳利:あ~!
(笑い声)
蝶丸:ゆでだこ入道の出来上がりや!
徳利:酒は苦手なんじゃ!
(騒ぐ声)
一二九:何で あないなやつが入るん 許したんです?
万太郎:おもろいからや。
●千之助の安宿
百久利:今日は来ませんね あの たこ入道。さすがに諦めたか。
●鶴亀座前
徳利:痛~っ!
千代:あ~徳利さん!
徳利:ひつこいのう。
千代:徳利さん。飲みに行きまひょ。
徳利:はあ?見て分からんのか?今 飲んできたところや。
千代:どうせ おいしいお酒とちゃいますやろ。そないな酒 吐いてまえ!
徳利:おいおいおい ちょちょちょちょ…。
天晴:行こう行こう行こう。
●居酒屋「水月」
女将:ビール よう冷やしときましたで。
千代:おおきに。どうぞ。
徳利:えっ…。
千代:ほら 遠慮せんと。徳利さんのくせにビール好きだすもんな。はい。
天晴:飲め。
徳利:あ~!うまい。
千代:そうだすやろ。
女将:へえへえ お待っとおさん。鱧皮ときゅうりのざくざく。
千代:はい。
女将:ビフカツ 白天とかわいれのおつゆ バッテラ。
千代:おおきに。
徳利:何や これ…。みんな俺の好きなもんばっかりやんか。
千代:そらそうだす。お茶子の時 何べん皆さんのお酒のあて 用意したと思てますのや。徳利さんの好物くらい百も承知だす。
天晴:いらんのやったら わてが食うわ。
徳利:ああっ! いるわ。
徳利:おお…。あ~!
千代:ほんまは不安なんとちゃいますか?新しいとこで初めての人たちと何かを始める時はそないなもんや。うちはずっとそやったさかい。初めて岡安に来た時も京都に行った時も。新しい劇団行け言われてどないなんねやと思てました。けど天晴さんや徳利さんがいてくれはって ほんまにうれしかった。4年前 成り行きやけど初めて皆さんと同じ板の上に立ちましたやろ。
(回想)
徳利:よっしゃ!わしが…。
一平:さあさあ ほら…。
千代:嫌や!うちはどこにも行きとうない!
(回想閉じ)
千代:次はちゃんと皆さんと一緒にお芝居したいてずっとそない思てました。徳利さん 戻ってきとくなはれ。うちは徳利さんと一緒にお芝居がしたいんだす。
千代:ああ…。辛っ!これ わさび入れ過ぎや…。あ~辛いわ ほんまに。
天晴:バッテラに わさびは入ってへんやろ。
(泣き声)
千代:天晴さん 何で泣くの。
徳利:入っとったんやて!辛~!
女将:徳利 泣くぐらいやったら ええ芝居見せてや。
天晴:ほんまや もう!
客:せや。せや。
徳利:やかましいわ お前ら ほんまに!
客:頑張れよ。
●鶴亀株式会社・稽古場
そないなわけで 徳利さんも戻ってきてくれました。
徳利:あいつらに見下されたまんまやったらたまらんわ。この劇団 何が何でも成功さしたんで。
天晴:「雨降って地固まる」やな。
千代:それ生まれてから何べん使てます?
漆原:これで千さん戻ってきたら 元どおりやね。
一平:いや そうはならん。漆原さん… あなたには辞めてもらいます。
雨降って地固まらへん…。嵐や~!
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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