朝ドラ【おちょやん】第9週42話、新しい劇団に千之助がいないことを知った徳利や天晴は、客は呼べないと出て行ってしまう。
それならばと、千代が千之助を連れてくると意気込むも…。
喜劇役者っちゅうのはな 笑かしてなんぼや。ここで何かおもろいことやって わし笑かしたら その劇団入ったるわい。
千之助からこう言われ、早速「キネマ」で宮元店長しか笑わなかったなぞかけを繰り出すが、あっさり玉砕。
その後も「猫気ぃ失うてニャンとも言わん」と「たこ入道~」を披露するが千之助曰く「怖いわ ほんま」で明日に続くです。
【おちょやん】第9週42話セリフ書き出し
●鶴亀株式会社・稽古場
徳利:無理や。千さんいてへんかったら客は呼べん。そのことを誰よりも思い知ったんは俺らやないかい。
(回想ー4年前)
千之助:ああ~!お前 なめとるやろ!
一平:千さんが勝手にセリフ変えるからや!笑いとれたら 何でもよろしいんですか。
千之助:わしは喜劇役者じゃ。お前は何者じゃ。ああ? 笑えん喜劇に何の意味があるねん。
(回想閉じ)
小山田:ほな…稽古始める日ぃ決まったら呼んでくれ。
ルリ子:これだから新しい劇団なんてやだったのよ。
香里:しっかり頼むで~。で~。
千代:どないすんの!?
一平:しゃあないがな。千さんがおらな あかんねやったら どないしようもあれへん。
漆原:千さんに来てもらえるよう頼んでみたらどない?
一平:無理に決まってるでしょう。俺が座長やる劇団なんか入るはずない。
熊田:この人選はな 大山社長じきじきのもんや。下手したら怒ってこの劇団の話 そのものがのうなるかも分かれへん。
千代:あ~そら困ります!
熊田:何や いきなり 声おっきいな!
千代:今 この劇団がのうなったら 行くとこあれへん。うちはまだまだお芝居がしたい。ヨシヲのためにも。ここで頑張るしかあれへんのだす!
熊田:ヨシヲて誰や…。
千代:よっしゃ 分かった!うちが千之助さんを連れてきたる。
●千之助の安宿
千之助;:勝負や。だあ~!
百久利:よっしゃ!
千之助:また…。
ここは千之助さんがいつも寝泊まりしてはる 裏通りの安宿です。
千之助:そらないわ~。
千代:あの~!
千之助:何や まだおったんか。あの青二才が座長の劇団なんぞに入るつもりはない。
千代:そない冷たいこと言いはらんと力貸したっとくはなれ。
百久利:あかんあかん。とっとと帰り。
千代:びっくりさん ちょっこと黙ってておくれやす!
百久利:だれがびっくりや!百久利や 百久利。
千代:天晴さんも徳利さんも千之助さんが来てくれはんねやったら やってもええて言うてます。やっぱり千之助さんはみんんから便りにされてはりますのやなあ。道頓堀の喜劇王いうたら須賀廼家千之助をおいて ほかになしや!
千之助:よう分かってるやんけ 自分。
千代:みんな そない思てます。
千之助:道頓堀の喜劇王は わしやない。
(回想・須賀廼家万太郎一座)
万太郎~!
(拍手と歓声)
(回想閉じ)
千之助:須賀廼家万太郎や ず~っと前からな。一平とではな あいつに勝たれへん。
千代:そないなこと別れしまへんやん!確かに4年前はそやったかもしれへんけど あれから一平も変わったかも分かれへん。
千之助:人はそない簡単に変わるかい。
千代:変わります。うちがそうだす。4年前 まさか今こないしてるやなんて 思てもめえへんかった。天晴さんかて 徳利さんかてみんな頑張ってたに決まってます。千之助さんかて そうだすやろ?前とはまるで違います。今度はうちも一緒にやらしとくはなれ。
千之助:ほな 何かおもろいことやってみいや。
千代:えっ…。
千之助:喜劇役者っちゅうのはな 笑かしてなんぼや。ここで何かおもろいことやって わし笑かしたら その劇団入ったるわい。
千代:よろしおます。有名女優とかけまして…。
千之助:かけまして…。
千代:御利益の有る神社と解きます。
千代ちゃん それ前やってあかんかったやつやで。
千代:どちらも「えんぎ」がええ。ハハハハハハハ!
百久利:帰れ!
千代:千さん…千さん…。
百久利:散らかすな。
千之助:ようやれたな お前。
●岡安・住込部屋
千代:コケー!ココココッ コケケッ! ニャ~!コケー!コココココッ コケコケー!ココー! ニャ~ ニャ~ ニャ~ ニャ~!コケー!ココココッ コケー コケー! ャ~ ニャ~ ニャ~ ニャ~! 猫 気ぃ失うて ニャンとも言わん。
漆原:そら無理やわ。
玉:千代ちゃん かわいそう。
千代:何で泣くの!?
漆原:せやから言うたやろ。あの男は一筋縄でいかんて。
(玉の泣き声)
千代:お玉さん 何でや~!
(泣き声)
●道頓堀・露店
天晴:さあさあ びっくりすんのはまだ早い。ここに手拭いをかけます。さあ いきまっせ。まか不思議。お水に代わりました~。
(拍手と歓声)
天晴:さあ ボンに いとさん ご寮人さん方 お土産におもちゃ どないだっか?買うてってや。けん玉もありまっせ。ほら ちょっとちょっと。ちょっと坊主! 買うてけ もう~。何して…。ボン 見てたんか。半年ぐらい前から こないして子供相手に商いしてんのや。まあ 子供相手やから二束三文にしかならへんけどな なんとか食うてってるわ。
一平:ええなあ。俺 おやじにこんなん買うてもろたこと いっぺんもあれへんわ。
天晴:まあ ボンは生まれてからず~っと芝居漬けやったからな。
一平:にいさん 戻ってきてもらえませんか?
天晴:これ ボンが書いたんか?
一平:天海一座がのうなってから すっと脚本の勉強してきた。須賀廼家千之助がいてへんかっても ちゃんとお客さんに楽しんでもらる喜劇を作るためや。お願いします。
天晴:やめてえな ボン。そない言うてくれんのは うれしいけどな 世の中 そない甘ない。わいて こないして子供相手に商いしてんのがお似合いや。すまんな。
一平:これは天晴にいさんのやから。
●岡安・帳場の奥
みつえ:うちがこしらえてん。どない?
千代:うん おいしい。
みつえ:よかった~。どこへ嫁いでも岡安の名前に泥塗らんようにせなあかんさかいな。
千代:えっ…えっ ご寮人さんみたいにお婿さん迎えて岡安継ぐのと違うの?
みつえ:福助が言うてたとおり 芝居茶屋使うお客さん どんどん減っててな…。せやさかい ええとこに嫁ぎて お母ちゃんに言われてしもた。
回想・シズ:岡安はずっとこのままや。安心し。
みつえ:千代はどないやの?新しい劇団は?
千代:どないもこないも 一平のどあほ 座長のくせに見えばっかり張って何もせえへんさかい。
みつえ:あっ 一平君お帰り。
千代:お帰り。ほんで もうしゃあないから うちが千之助さんに…。えっ? ちょちょちょちょ…あんた何でここに?えっ お帰り?
みつえ:何や 聞いてへんの? 一平君 上の部屋に居候してんねんで。
千代:えっ!
みつえ:一平君 おなかすいてへん?
千代:あんた 今日一日 何しててんな。
一平:何か言うてたか?あの人。
千代:気になんねやったら自分で聞きに行ったらええ。
一平:どうでもええわ。どいつもこいつも 千之助千之助て。
千代:ひがんでんの?
一平:誰が?
千代:劇団一つにまとめんのが座長の役目やろ。
一平:お前かて 自分の都合で動いてるだけやろ。
●鶴亀株式会社・社長室
鶴蔵:やっぱり 千之助は来えへんかったんか。ほうか ほうか。フフフフ…。
熊田:社長 あの よろしいのですか?
鶴蔵:ええはずあらへんやろ!この劇団 何にために作ったか言うてみい。
熊田:独り勝ちの万太郎一座に対抗できる劇団を作って 2つを競わせ 道頓堀のより一層の発展を期し 今の世の不景気に対抗するため。
鶴蔵:これからの時代はな 庶民のための芝居 喜劇こそが道頓堀の隆盛のために欠かせんようになる。万太郎一座に対抗できる劇団の誕生はな 初代天海天海亡きあと わしの長年の悲願やった。ええか この初興行 必ず成功させ。もし わしの期待裏切るようなことがあったらな 全員 二度と道頓堀の芝居には出させへん。無論 お前にも責任とってもらうからな 熊田!
●鶴亀株式会社・稽古場
熊田:以上が 大山社長からのお言葉や。
千代:そら あんまりやわ!
熊田:僕に言われたかて どうしようもあれへん。一平君 こうなったら なりふり構てる場合とちゃう。何としても 千之助さんを説得するんや。頼むさかい強情張らんといてくれ!
千代:あ~!もうよろし! もう こないなやつ 当てになれへん!今日こそ うちが千之助さん笑かして劇団に入らせます!
漆原:また行くの?
●道頓堀・街中
(雷鳴)
●鶴亀株式会社・稽古場
漆原:それにしても よう降るな。
一平:漆原さん あんな…。
(戸が開く音)
天晴:はあはあ…。よかった まだおった。
漆原:天晴さん どないしはったん?
天晴:ああ…雨で商いでけへんよってな。そんで 何や ぼっかり時間が空いてしもてな。これ 読ましてもうた。
一平:どないでした?
天晴:こんなん喜劇か思たわ。けどな 何や お前のお母ちゃんのこと思い出してな。何べんも何べんも読んでるうちに 思てしもたんや…。この芝居やりたいて。一平 また一緒に芝居やらせてくれへんか。頼む!
一平:もちろんです!おおきに 天晴にいさん。
漆原:ほんま あんた雨男やわ。けど これは恵みの雨やわ。
一平:ほな 岡安で飲ましてもらいましょか。
そんなことを知る由もなく…。
●千之助の安宿
千代:たこ入道~ たこ入道~。たこ入道~。
千之助:やってること一緒やな。
千代:たこ入道~。
千之助:巻き込むな。
百久利:寄るな寄るな。
千代:千さん 一緒に たこ入道~。
百久利:触るな 千さんに触るな。
千代ちゃんも懸命に戦うてました。
千之助:怖いわ ほんま。
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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