朝ドラ【おちょやん】第8週36話、皆様「おちょやん」楽しんでいただけてますでしょうか。さて 先週までのあらすじでございます。鶴亀撮影所の大部屋女優となった千代ちゃんは 先輩たちの嫌がらせにもめげず 監督の激しい言葉にもへこたれず 頑張ってお芝居をしますがなかなかうまくいきません。恋心の勉強するため助監督の小暮君に恋人のふりをしてもらう千代ちゃんでしたが…。「どないしよ…ほんまに好きになってしもたみたい…」。竹井千代19歳 これが遅咲きの初恋の花でございました。そんなやさき あの憧れの女優 高城百合子が相手役と駆け落ちしてしまうから さあ大変。しかも小暮君は高城百合子のことを好きだったと知り千代ちゃんの初恋は はかなくも散るのでありました。そんなこんなで急きょ代役で映画に出ることになった千代ちゃんは ぐちゃぐちゃになった思いをお芝居にぶつけます。見事 皆の心を打つことができました。
【おちょやん】第8週36話セリフ書き出し
ジョージ:コングラチュレーション。
コングラチュレーション! そして3年の月日が流れ 時は大正から激動の昭和へと移り変わります。
●鶴亀撮影所・女優部屋
千代:おはようさんだす。
大部屋女優:おはようさん。
千代:おはようさん。
大部屋女優(新人):おはようございます。
千代:おはようさんでございます。
麗子:おはよう。
(OP)
麗子:ほな 行ってきます。
千代:行っといでやす。
弥生:行っといでやす。
千代ちゃんは3年たっても主役をやれるような幹部どころか 準幹部女優にもなれずにいました。大部屋の中堅として ボチボチの役を貰い ボチボチ セリフをしゃべり ボチボチ名前も知られ ボチボチ ボチボチ ボチボチと…。
千代:誰だす~!さきからボチボチボチボチて~!
弥生:何やの 急に。
千代:すんまへん。何もあれしまへん。
弥生:ちょっと働き過ぎちゃう?
千代:そうだすやろか。
弥生:まあ 貰える役があるだけ マシや思うけどな。また3人クビになったて。絹江も歌子も辞めてしもたしな。ここもどんどん さみしゅうなるわ。
昭和3年 金融恐慌による不景気のおありを受け 鶴亀撮影所はヒット作に恵まれず 多くの役者たちが解雇される事態となっておりました。
弥生:明日は我が身や。
●鶴亀撮影所・ジョージ本田の撮影現場
男:親の敵じゃ!
♪
千代:どないだす? まだ へそ曲げてはんのだすか?
●鶴亀撮影所・楽屋壱
<<ジョージ:頼むから撮影させてくれ!
<<池内:頼んます!
この 気に入らんことがあると何時間でも個室に立て籠もるわがままな女優さんは幹部クラスの滝野川恵さんです。
●鶴亀撮影所・ジョージ本田の撮影現場
ミカ:ホワイ!何で私が あんな小娘に謝らなきゃならないわけ!?
ジョージ:分かるよ うんうん。バット だがしかし 鶴亀のビックスポンサーのご令嬢なんだから ミーの立場…。
ミカ:シャラップ!
♪
千代:まだまだかかりそたなあ これは。
小暮:そうだね。ごめん千代ちゃん。千代ちゃんを主役にするって約束 また果たせそうもない。
千代:脚本 またあかんかったんだすか?
小暮:うん…まあ いつもどおりだよ。お前の考える話は金にならんて。
千代:今回のは どないな話だす?
小暮:貧しさゆえに生き別れた兄と妹が 長~い年月をかけて再会するまでの話。
千代:相変わらず地味だすなあ。こら当たれへんわ。
小暮:やっぱ 教えなきゃよかった。
千代:けど うちは好きだす。いつか見てみたい。
小暮:ありがとう。
守屋:ああ おったおった。千代ちゃn あんたに客やで。
千代:えっ うちに?
守屋:まあ とりあえず大部屋で待ってるように言うたけど あれ ほんまにあなたの客か?
千代:誰やろ?
守屋:う~んと…ヨシヲとか言うてたで。千代ちゃん ちょ…ちょっと!
千代:ヨシヲは うちの弟だす!
守屋:はあっ!?
●鶴亀撮影所・女優部屋
千代:ヨシヲ!会いたかったで!
テルヲ:おう 千代 わいもや。
女優:何や 千代さんのお知り合いですの?
千代:いや 知らん。他人さんや。
守屋:千代ちゃん。
テルヲ:てれんなや もう! わざわざ お父ちゃんが会いに来たったのに。
守屋:やっぱり お父ちゃんかいな。変やと思たわ。
千代:やい テルヲ! ヨシヲの名前かたりよって 今度は何する気や!
テルヲ:親が娘に会うのんに 理由なんかあれへんやないか。
千代:どうせ お金目当てなんやろ。この人 さっさと追い出しとくなはれ。
守屋:邪険なこと言うもんやないで。せっかく お父ちゃんが訪ねてきてくれたんやさかいな。
テルヲ:守衛さんの言うとおりや。千代 わいはやな…。
千代:しっかりし!
守屋:あんた大丈夫かいな。
女優:どうしはったん?
千代:お父ちゃん!
守屋:大丈夫か?
(おなかが鳴る音)
●鶴亀撮影所・休憩所
テルヲ:はあ…。
千代:ごはんも食べられへんくらい お金あれへんの。
テルヲ:3年前 道頓堀でお前に裏切られてから 何なってもあんじょういけぃんでな。
千代:うちが悪者みたいやんか。
テルヲ:しやけんど おまんがこねして立派な女優さんになれたんやったら そんでええ。お父ちゃん 何も気にしてへん。
千代:うちが道頓堀いてられへんようなったんは あんたのせいやろが!
テルヲ:なあ 千代 また一緒に暮らそや。なっ。お父ちゃん 今度こそ真面目に仕事するさけ。
千代:信じられへん。
テルヲ:今度はほんまにほんまや。
千代:3年前のあんたの借金 岡安のご寮人さんが 道頓堀の人たちからお金集めて 肩代わりしてくれはったんやで。
テルヲ:人づてに聞いたわ。ほんま ありがたい話やなあ。観音さんの化身みたいな人やなあ あの女将さんは。
千代:感心してる場合ちゃう!借りたもんは返さなあかんやろ!
テルヲ:分かってる! 分かってるて! そねやさけ 一緒に暮らそ言うてんねや。千代がおってくれたら お父ちゃんまた頑張れる気すんねん。なっ?頼む。お父ちゃん ほかにどっこも行くとこあれへんねん。
千代:自業自得やんか。うちの知ったこっちゃあれへん。
♪
千代:カフェーキネマいう店や。うち まだ撮影あるさかい 先 行っといで。
テルヲ:えっ?
千代:今晩だけ泊めたってて 店長に頼んだげるさかい。うちもいろいろ聞きたいことあるし。
テルヲ:おおけに!それでこそわいの娘や!
●鶴亀撮影所・助監督室
そろそろ俺も 監督上がりたいんだけど。
むだ無理やろ。
まだ無理か。
(笑い声)
お~。
小暮:「真治へ。約束の5年が過ぎた。映画監督になりたいというお前の熱意は分かった。しかし向き不向きはある。帰ってこい。父」。
●カフェー「キネマ」店内
テルヲ:いや~こねな立派なお店持つやて われ すごいな!大監督やんけ。
宮元:分かってくれる? いや うれしい! いた あんたさんこそね 男手一つで よう千代ちゃん育てはった。偉い! あんたが主役!
(拍手)
テルヲ:いやいやいやいや…。親として当たり前のことしたまでやさけ。うん。
千代:どの口が言うてんねんな。
テルヲ:おお 千代。お帰りなさいませ。
千代:何で飲んでんの!?
テルヲ:ええやないけ 酒ぐらい。
真理:まあまあ。それより お父さんからいろいろ聞いたよ。今まで大変やったがいねえ。
千代:こねな人の言うこと信じたらあかん!嘘ばっかりやさかい。
真理:昔 豚の餌食べたっていう話もけ?
千代:その話は…嘘やん!
テルヲ:何や忘れたんけ?あと 2人であの鶏売りに行て 鳴きまねしたことあったやろ。なあ?「コケコッコー!」言うて。
(回想)
千代:コケコッコー!
テルヲ:もっぺんや!もっと流星丸の気持ちになれ!
千代:コケコッコー!
(回想閉じ)
テルヲ:今 思たら おまんの芝居の才能 あん時 芽生えたんちゃうか。
千代:絶対ちゃう!ちょっと表行こか。
●カフェー「キネマ」店先
<<(猫の鳴き声)
テルヲ:何や 話て。
千代:決まってるやろ ヨシヲのこっちゃ。
テルヲ:ああ…。
千代:まだ どこにいてんのか分からへんの。
テルヲ:分かっとったら とっくに会うてるわ。
千代:お金せびるためやろ。
テルヲ:心配やさけに決まっとるやろが。
千代:あの人は?栗子さん。ちゃんと赤ちゃん産んだんか?
テルヲ:おう。可愛らしい女の子や。
千代:せやのに 何で借金なんかしたんや!
テルヲ:ほんま可愛らしい女の子でな。つい思い出してもうてな おまんが生まれた時のこと…。せやさけ おっきい養鶏場作ってがっぽり稼いで 生まれた子ぉ幸せにしたろ思てな。で いつか おまんも呼び戻して…。けど あかんかった。栗子 娘一緒に出てってもうた。
千代:あほやなあ。
テルヲ:そのあとは ヨシヲとあちこち転々としたんやけど 結局 あいつも出ていっこって…。店長に聞いたで。おまん いつかヨシヲと暮らそう思て 金ためとんねやてな。
千代:ちょっことだけやけどな。岡安のご寮人さんにも返さなあかんしな。
テルヲ:なあ 千代 その金で家でも借りて…。
千代:うちの金 当てにせんといて。景気悪うて 周りもどんどんクビ切られてんねん。このままやったら うちかて いつどないなるか分かれへん。
テルヲ:あかんやんけ。どないすんねん。
千代:そら…もっと上に行くしかあれへん。主役やれるような役者になるしか…。
<<(犬の遠吠え)
テルヲ:分かった。お父ちゃんが おまん 主役にしたらあ!
千代:は?
テルヲ:一緒にてっぺん取ったろやないけ 千代! なあ 千代。
千代:はっ?
テルヲ:てっぺん!てっぺんや! てっぺん!一緒に取ったろやないけ!
千代:来んな!
テルヲ:「コケコッコー」言うたろやないか!
千代:黙れ!
●鶴亀撮影所・所長室
方金:よっ!よっ!よっ!
失礼します。所長 主演女優のお父様いう方が見えてはりますけど。
方金:何 滝野川さんか…。
テルヲ:おはようございます。いつも娘がお世話になっとります。
方金:何や 滝野川さんちゃうがな。どなたさんでしたかな。
テルヲ:将来の主演女優 竹井千代の父です。
方金:あの 大部屋の。
テルヲ:所長さん。次の映画では是非とも うちの千代を主役にしたってください。
お願いします!
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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