【おちょやん】セリフ書き出し第7週35話|千代は名前のある役で活動写真に出ることができた。

朝ドラ【おちょやん】第7週35話、高城百合子が駆け落ちした結果、「太陽の女カルメン」が撮り直しとなり、欣一の妻・咲子を演じることになった千代は…。

うちのお父ちゃん どないしようもない男でな…。お母ちゃんがはように死んで 新しい女 次から次 取り替えて うちは家を追い出されたんや。せやさかい うちは誰かを好きになんかなれへん。好きにならんかてええ思てた。けど…そうやないて あなたが教えてくれた。おおきに。ありがとう。あなたを好きになれて よかった。

その芝居に、夫が決して戻ることはないと悟っている女の愛を感じた監督のジョージ本田が「コングラチュレーション」。

こうして、千代は名前のある役で活動写真に出ることができ、時は流れて昭和3年の7月、あのテルヲが鶴亀撮影所に姿を見せて来週に続くです。

【おちょやん】第7週35話セリフ書き出し

●カフェー「キネマ」

京子:大抜擢やんけ!

真理:よかったぜぇ 千代ちゃん。

千代:うちの実力ちゃう。高城さんのおかげや。

純子:どういうこと?

宮元:高城百合子がな いてへんようなる前に このジョージ本田いうのに相当売り込んでくれたんやて。

●「太陽の女カルメン」撮影現場

ジョージ:あ~ レディー アクション!

千代:私と家に帰りましょう。あなたには あの人より私の方がふさわしい。

ジョージ:ストップ! ノー。全然表情がよくない。それと セリフは字幕が入る。言う必要なし!

千代:はい。すんまへん。

ジョージ:ワンモア!

●カフェー「キネマ」

洋子:その高城百合子は もういてへんのやで。「カルメン」の役だけやあらへん。小暮君の心もあんたが手に入れる またとない時や!

●「太陽の女カルメン」撮影現場

ジョージ:ストップ!ノー!駄目~。

●カフェー「キネマ」

洋子:どないな役か教えてみぃ。

千代:ほかの女の人のことを好きになった旦那さんを引き止めようとして捨てられる妻の役なんだす。

●「太陽の女カルメン」撮影現場

ジョージ:ノー!バ~ット!どんどん悪くなる。決して戻ることはないと悟っている女の愛が 全然見えてこない!本気で人を好きになったことあるのか~!

千代:あります。あります。

(OP)

ミカ:ジョージ 私もう待ち疲れたんだけど。

ジョージ:ミカ~!しかたない!この場面は明日に延期! 次できなかったら ほかのやつにチェンジだ。オーケー?

千代:はい。すんまへん。

ジョージ:ミカ!アイムソーリー!

ミカ:ソー ロミオ。

ジョージ:ソーリー ソーリー お待たせ~。ミカ 釣れた。アハハハハハ!カモン ティー ティー ティー。

ミカ:ティー 好きね。

●鶴亀撮影所・小道具部屋

鶴蔵:おもろいか おもろないか それ以前の問題やな。必死におやじとは違うもんを書こうとして もがいてんのが これ 手に取るように分かるわ。けどな…残念ながら血ぃちゅうのんは嫌でも親から子へ受け継がれていくもんなんや。見とうもない汚らわしさも優れた才能もな。おやじ超えたいねやったらな まずおやじのことを知るこっちゃ。

●鶴亀撮影所・休憩所

(熊の鳴き声のまね)

千代:何のまね?

一平:小道具部屋にあったんや。

千代:そやのうて 何ねんな。

一平:落ち込んでるから からこうたろ思て。

千代:うちを心配してくれたん?

一平:いや 落ち込んでたんは俺や。お前 からこうて元気出そ思たんやけど 期待外れやな。

千代:はあ?

一平:あれから お父ちゃん どないしてんねん?

千代:何やねんな いきなり。うちがここいてんのも知れへんわ。嫌なこと思い出ささんといて。

一平:ほな 今度 詫びにめっぽうおもろい楽しい脚本読ましたるわ。

千代:今は何読んでも悲劇にしか思われへん。

一平:ほな やめとくわ。

千代:何で落ち込んでんの?

一平:ん?

千代:さっき言うてたやんか。

一平:そないなこと言うてへんわ。なあ。

千代:言うてたわ あほ。

千代:まだ何か用!?

小暮:ごめんごめん 出直すよ。

千代:違うんだす あの 人違いだす。あの…何だす?

小暮:あっ いや…また励ましてもらおうかなと思って。

●錦電気館

弁士:「あんな太っちょが。僕のがスマートだしね 運動神経だって…」。

(笑い声)

弁士:「近づくなっつうの。せ~の ボ~ン…」。

(笑い声)

小暮:ハハハハハハ!

●洋食屋

小暮:あんなに笑ったの 子供の時以来じゃないかな。

千代:けど 小暮さん ちょっと笑い過ぎ。みんなジロジロ見てはった。

小暮:フフッ。

千代:おおきに。ほんまは うちを励ますために誘てくれはりましたんやろ。

小暮:あれはどうしても見たいシャシンだったから。でも おかげで元気出たよ。また千代ちゃんに救われた。

小暮:僕は…高城さんのことが好きだったんだ。彼女の芝居にはいつも一点の曇りもない。自由でまっすぐで 大監督にも屈しない意志の強さは僕の憧れだった。だから千代ちゃんが高城さんみたいな女優になりたいって言ってくれて 本当にうれしかった。

千代:小暮さんは このままでよろしの?

小暮:あの人が僕なんかに見向きもしないことは最初から分かってたから。それでも彼女を好きでいたかったんだ。好きになれてよかった。

●カフェー「キネマ」住込み部屋

千代:苦しいわ…お母ちゃん…。

●「太陽の女カルメン」撮影現場

ジョージ:ラストチャンスだ。

千代:はい。

ジョージ:本番 スタンバイ! 

本番で~す!

本番!

撮影技師:撮影 よしや。

照明技師:よし 明かりもええで。

ジョージ:キヤメラ。レディー…。オーケー。アクション!

千代:うちのお父ちゃん どないしようもない男でな…。お母ちゃんがはように死んで 新しい女 次から次 取り替えて うちは家を追い出されたんや。

池内:また勝手にセリフ…。

千代:せやさかい うちは誰かを好きになんかなれへん。好きにならんかてええ思てた。けど…そうやないて あなたが教えてくれた。おおきに。ありがとう。あなたを好きになれて よかった。

ジョージ:カ~ット! セリフはフィルムの無駄だって言ったろう!だが…いい芝居だった。コングラチュレーション。

(拍手)

ジョージ:カモン!

(拍手)

●鶴亀撮影所・休憩所

小暮:本当にいい芝居だった。

千代:おおきに。

小暮:僕も負けてられない。早く一人前の監督になって 自分の作品を撮れるように頑張らないと。

千代:うちも いつか絶対 高城さんみたいな役者になります。その時は…。小暮さんの映画に出さしてくなはれな。

小暮:もちろん。これからもよろしくお願いします。

こないして 千代ちゃんは初めて名前のある役で活動写真に出ることができました。

●錦電気館

弁士:「夫のいない我が家。欣一の妻 咲子にとってそれはまさしく無限の地獄であった。ああ あの善良で子煩悩だった欣一はどこへ行ってしまったのか」。「待って。お待ちしております…。いつまでもあなたを思っています」。

●鶴亀撮影所・小道具部屋

そして いつの間にか 一平は黙っていてへんようになりました。

回想・一平:ほな 今度 詫びにめっぽうおもろい楽しい脚本読ましたるわ。 

<これ ほんまにしょうもな>

そうやって みんな 自分と闘いながら…3年の月日が流れました。

昭和3年(1928)7月

●鶴亀撮影所・ジョージ本田の撮影現場

千代:お高うとまってるんやない。

弥生:あんたこそ 最近生意気やわ。

ジョージ:カット!オーケー。

弥生:何やの!

千代:そっちこそ何やねんな!

弥生:あなた 生意気やって…。

ジョージ:ストップ ストップ ストップ ストップ ストップ ストップ!

小暮:千代ちゃん!早くしないと 次の撮影始まるよ。

●鶴亀撮影所・樋口組の撮影現場

千代:うちを一人にせんといて。

高瀬:すまねえなあ…。

樋口:涙!

千代:お父ちゃん…。

樋口:もっと もっと もっと…。

千代:お父ちゃ~ん!

千代ちゃんは中堅どころの女優としてどうにかこうにか 名前を出してもらえうようになってました。

千代:お父ちゃ~ん!

●鶴亀撮影所・守衛所

テルヲ:ハハハハ…見つけたで。ハハハハハハ

●鶴亀撮影所・樋口組の撮影現場

千代:お父ちゃ~ん!

(泣き声)

テルヲ:あほやなあ。アハハハハハ!アハハハハハ!

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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