朝ドラ【おちょやん】第7週34話、「太陽の女カルメン」の主人公・城戸愛子の演じる高城百合子と、監督の村川がその演技をめぐって衝突。撮影現場から逃げ出した百合子は、またもや千代にかくまわれて千代に名言を。
この世界で生きていく覚悟があるなら 遠慮しては駄目。使えるものは何でも使いなさい。誰かに何を言われようと自分がやりたいと思うようにやるべきよ。まあ 役者はある意味 ひとをだます仕事かもしれないけど 自分だけは絶対にだましちゃ駄目。自分に正直にならない限り いいお芝居はできなくてよ。私たちは自由なのよ。
この言葉を残して、百合子は相手役の小竹英一と駆け落ちしてしまい、「太陽の女カルメン」はジョージ本田が村川に代わってメガホンを取り、撮り直しに。
配役も当然変更になり、主演はミカ本田、そして夫に出ていかれてしまった若い妻役に千代が指名されて、明日に続くです。
【おちょやん】第7週34話セリフ書き出し
百合子:さようなら。
村川:ちがうな。
百合子:さようなら。
村川:うん もう一度。
♪
小暮:本当は僕が千代ちゃんに救われてるんだ。千代ちゃんがいてくれて よかった。
♪
千代:どないしよ… うち ほんまに好きになってしもたみたい。
●カフェー「キネマ」店内
洋子:よかったやないの。もともとそういう気持ちを知るために始めたことやろ。
京子:あとは どないしてその気持ち伝えるかやな。
千代:嫌や恥ずかし!うまいこといくはずあれへん。
純子:そんなん やってみな分かれへんえ。
洋子:うんうん。
真理:千代ちゃん 当たって砕けろやちゃ。
千代:嫌や!砕けとうない。
洋子:フフフ。
♪
宮元:初恋やね。
●鶴亀撮影所・廊下
小暮:あっ 千代ちゃん おはよう。
千代:おはようございます。さよなら。
小暮:あっ あっ ちょっと…昨日の彼のことだけど。
千代:あっ…あいつとは あのほんまに何の関係もあれへんのだす。
小暮:あっ いや 相当苦しんでるみたいだから 相談に乗ってあげたらどうかなと…。
千代:ほんまに な~んにも関係…。え…苦しんでる?
小暮:彼 鶴亀の大山社長に言われて 脚本の勉強しに来たらしいんだけど。
千代:役者と違て?
小暮:うん。前の劇団は解散したらしいよ。
●鶴亀撮影所・脚本部
一平:ふう~。
千代:「降りしきる雪の中にたたずむ父と子。お父さん もう僕のことはほっといてください」。悪ないやないの もったいない。
一平:三流役者に褒められても うれしないわ。何の用や。
千代:天海天海一座 解散したんやてな。何で?
一平:決まってるやろ。千之助にいさんがいてへんようになって 人気ガタ落ちや。ほんで1人辞め2人辞め だ~れもいてへんようになってしもた。現実は甘ないわ。
千代:せやさかい 役者なんかやるもんやあれへんて言うたんやね。
一平:あないな男にうつつ抜かしてる場合か お前。
千代:小暮さんを あないな男呼ばわりせんといて。あんたとは違います。
一平:そうか ほな 勝手にのぼせとけ。あほが。
●鶴亀撮影所・セット内
千代:ほんまに腹立つ 一平のやつ!
(戸が開く音)
<<池内:高城さ~ん!
千代:えっ…。
池内:高城さん来たやろ。どっち行かはった?
千代:えっ…あ~! あっちだす! もう すごい勢いでずっと向こうに走っていきはりました!
池内:えらいこっちゃがな! 高城さ~ん!
♪
百合子:ありがとう。助かったわ。あれ…前にも確かこんなことが…。
(レイチェルの絵)
百合子:千代ちゃん? 千代ちゃんね!
千代:はい! 今ですか?
<<池内:高城さ~ん!
千代:あっ ああ…あっちだす。
♪
百合子:驚いたわ こんなふうに再会できるなんて。
千代:あの時 高城さんが言うてくれはったんだす。覚えてはりますか?
回想・百合子:そんなにお芝居が好きなら自分でやってみたら?一生一回 自分が本当にやりたいことやるべきよ。
百合子:全く覚えてないわ。
千代:だすわなぁ。
百合子:でも それを実現できるなんてすばらしいことよ。やっぱり 私が見込んだだけのことはある。覚えてないけど。フフフ。
千代:うちなんか まだまだだす。けど いつかきっと 高城さんみたいな 主役も張れるすごい役者になってみせます。
百合子:分かったわ。私に任せなさい。
千代:えっ?
百合子:いい役につけるよう 所長に頼んであげるから。
千代:そないなことしたら 妬まれたり恨まれたり…。
百合子:そんなの 私が黙らしてあげるから。
千代:えっ…。
百合子:この世界で生きていく覚悟があるなら 遠慮しては駄目。使えるものは何でも使いなさい。誰かに何を言われようと自分がやりたいと思うようにやるべきよ。まあ 役者はある意味 ひとをだます仕事かもしれないけど 自分だけは絶対にだましちゃ駄目。自分に正直にならない限り いいお芝居はできなくてよ。私たちは自由なのよ。
(足音)
千代:小暮さん。
小暮:いた…よかった。心配しました。いなくなったかと思って。
百合子:あの役は何にも縛られない女よ。あの演出だと 別人になるわ。
小暮:もう一度 話し合いましょう。どうしたら高城さんの思いが監督に伝わるか 僕も一緒に考えますから。
♪
百合子:またね。
千代:おおきに。
●鶴亀撮影所・美髪部
髪結い:おしょはん ちょっ…。
たつ子:千代。千代!頼むわ。
千代:はい。
●鶴亀撮影所・セット内
樋口:ワンのツーの ほいさっさ。
岡っ引き:神妙にしろい。
樋口:スト~ップ! お前 何してんねや!
千代:すんまへん。うち この現場と違いました。
樋口:さっさとつまみ出せ! このボケカス!
千代:すんまへん。
●カフェー「キネマ」住込み部屋
千代:ああ…ああ~ああ~
真理:どうしたがけ!火事け?地震け?
千代:このままやったら うち 気ぃ散って何もでけへん。真理ちゃん どないしよ…どないしたらええねやろか?
真理:おやすみ。
●鶴亀撮影所・女優部屋前
池内:どいて どいて! どいて どいて!高城さ~ん!ここもいてへん。お前らは家や、俺は駅行ってみる!
助手:はい!
千代:どないかしたんだすか?
小暮:高城さんがいなくなった。
千代:また?
小暮:今度は前と違う。相手役の小竹英一と駆け落ちした。
回想・小竹:セリフは言わなくていいじゃないですか。
回想・百合子:私たちは自由なのよ。
<自由すぎるわ…>
回想・百合子:自由なのよ。
●鶴亀撮影所・所長室
方金:嫌な予感はしとったんや…。今日はちょっともはみ出てへんかったしな。
村川:申し訳ない。高城百合子の本性を引き出そうとして 引き出し過ぎた!
回想・百合子:自由なのよ。
村川:責任をとって 僕も降ります。彼女でなければこの作品をやる意味もない。
方金:ここまで金つぎ込んで今更 やめるわけには…。
(ドアが開く音)
方金:社長! 急にお呼び立てして申し訳ございません!
大山:どういうこっちゃ。説明してもらおうか。
方金:事の発端は 今朝から一向にはみ出さず おかしいなと思ってたところに西の方から なまぬる~い風が…。
●鶴亀撮影所・セット内
結局「太陽の女カルメン」はジョージ本田監督で撮り直すことになりました。
撮影技師:今までの苦労が全部水の泡やないか。大幹部女優やて ちやほやされて 天狗になってもうたな 高城百合子も。
照明技師:要は 村川監督の期待に応える芝居ができんと逃げ出したっちゅうことやろ。相手役 道連れにするて 性悪な女やわ。
撮影技師:けど お前かて あんなええ女に言い寄られたら ついてくやろ。
(笑い声)
照明技師:当たり前やないか。高城百合子と懇ろになれるんやったら 誰かて…。
小暮:そんな人じゃない。高城さんはそんな人じゃないですよ!彼女は自分に嘘がつけないだけなんです。だから 自分が納得できない芝居を押しつけられるのが耐えられなかった。
撮影技師:何やと!
池内:おい やめろ 小暮!
小暮:彼女の芝居をちゃんと見てれば分かることです。
池内:あきません!あきません!あきません あきません あきません!
撮影技師:おい スケカン! 身の程を知れっちゅうんや。
●鶴亀撮影所・休憩所
<なんちゅう顔してんの…>
池内:そっとしといたり。
千代:けど…。
池内:よっぽど こたえたんや思うわ。あいつ ほんま ほれてたさかいな 高城さんに。
千代:えっ…。
池内:罪やなあ 高城百合子も。
♪
ジョージ:ワッツ? 何だ? いやぁ…? ヘ~イ! ニュー「カルメン」の台本読み始めるぞ!カモ~ン!
小暮:すいません。
ジョージ:ゴーゴーゴーゴーゴー! ハロー。ユーもだ。カモン!
●鶴亀撮影所・会議室
ジョージ:高城百合子の代役を発表する。主演の城戸愛子役は…。ミカ本田!
ミカ:ハイ!よろしくね エブリバディー。
ジョージ:ハハハハハ。期待してるよ ハニー。
(拍手)
ジョージ:ネクスト 相手役だった小竹英一の代役は…ミスターチャンバラ 高瀬百々乃助 カモン!
高瀬:身命を賭す覚悟。
(拍手)
歌子:要するに いつもの座組ね。
絹江:チャンバラやあれへんねんけどな これ。
ジョージ:今までミカがやっていた 夫に出ていかれた若い妻役を…竹井千代にやってもらう。
千代:今 誰か うちのこと呼びました?
ジョージ:ユー 返事は!?
千代:はい。
これは百合子さんから千代ちゃんへの置き土産だったのです。
千代:はい!
回想・百合子:私たちは自由なのよ。
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
NHK連続テレビ小説・第103作【おちょやん】のネタバレあらすじと各回の全セリフ、そしてキャスト紹介を最終回まで書き続けています。朝ドラ【おちょやん】は女優・浪花千栄子さんをモデルに、その生涯を再構成してフィクションとして作られたド[…]