【おちょやん】セリフ書き出し第6週29話|山村千鳥一座が解散し、千代は鶴亀撮影所へ

朝ドラ【おちょやん】第6週29話、「正チャンの冒険」は人気が人気を呼び 1週間延長された後、ついに千秋楽。その結果 山村千鳥一座はこの三楽劇場でお芝居を続けられることになるのだったが…。

山村千鳥一座は 解散する。あなたのせいよ。前に言ったでしょ。私は自分を見下す世の中を見返すために役者になったって。誰にもできないような芝居をやって私という人間を認めさせたかった。そのために人一倍努力もしたわ。でもそれは独り善がりだった。あんな芝居でも本気でやれば人の心を動かせるってこと思い知らされた。私 今「あんな芝居」って言ったでしょ。自分が最も嫌った見下す側の人間に いつの間にか自分もなっていた。それが何より許せなくて。もう一度 一人で全国を回って鍛え直す。

座長の千鳥が解散を宣言し、千代は千鳥の紹介状を頼りに鶴亀撮影所へという流れで、本当に名残惜しい山村千鳥一座です。

【おちょやん】第6週29話セリフ書き出し

●新京極・三楽劇場

千代:今までつらいことばっかりやったかも分かれへんけど大丈夫 だんない。きっとこれからはええこともぎょうさんある。せやさかい…みんな一緒に楽しい冒険つづけよう!

千代ちゃんの初舞台はどうにか無事に成功しました。けど それを見つめる千鳥さんに笑顔はありませんでした。何でやろなあ。

●カフェー「キネマ」店内

進太郎:お世話になりました。お母ちゃんのこと よろしゅうお願いします。

洋子:いらんこと言わんでええ。

(笑い声)

真理:まめでおられよ。

純子:元気でね。

千代:寂しなったら またいつでも来たらええさかいない。

進太郎:心配せんといて。僕も正チャンみたいに冒険するし。ほんでな もっと強うなってお母ちゃん守るんや。

洋子:な…何言うてんの。いらんこと言うて…。

京子:あれあれあれあれ?

(笑い声)

洋子:もうええて。

(笑い声)

洋子:ほな 行くえ。

千代:進太郎君。これ あげる。

進太郎:正チャン帽や!ええの?

千代:もう一個 おんなじのあるよって。負けたらあかんで。

進太郎:うん。さいなら。

千代:さいなら。

回想・ヨシヲ:姉やん!姉やん!

純子:何や 急にたくましなったなあ。お芝居の力て えらいもんやなあ。

京子:ん?あれ? 芝居にうっさい おっちゃんは? おれへんやんけ。

純子:ほんまや。

平田:フフフフフ…。

●カフェー「キネマ」控室

平田:進太郎 もう行ってもたから 泣いてもよろしいでえ。

宮元:あほかい。

(はなをすする音)

宮元:何で僕が泣かなあかんねん。何で…。平田~。

<<(宮元の泣き声)

<<平田:泣いたらええ 泣いたらええ。

<<(宮元の泣き声)

●新京極・三楽劇場

今までつらいことばっかりやったかも分かれへんけど大丈夫 だんない。きっとこれからはええこともぎょうさんある。せやさかい…みんな一緒に楽しい冒険つづけよう!

一同:みんなで楽しい冒険つづけよう!

子供たち:正チャン! 正チャン!

(拍手)

「正チャンの冒険」は人気が人気を呼び 1週間延長されたあと ついに千秋楽を迎えました。その結果 山村千鳥一座はこの三楽劇場でお芝居を続けられることになりました。そして…。

●カフェー「キネマ」店内

千代:「今回が初舞台の新人女優 粗削りだが見どころあり」。これて…。

平田:千代ちゃんのこっちゃ。

真理:すっごいぜ 千代ちゃん。名前は出とらんけど 千代ちゃんのことが新聞に載っとるよ。

宮元:まっ 赤の他人が評価してくれはるっていうんは 大女優さんへの第一歩やな。

千代:あの 電話使ても よろしおますか?

宮元:ん~ ほんまはお客さん用やけど まあ特別や。ただし1分だけやで。

千代:おおきに。

●道頓堀「岡安」

(電話の着信音)

シズ:誰か 出てくれるか? 何や 誰もいてへんのかいな。ほな それで頼みましたで。

酒屋:へえ 毎度 おおきに。

シズ:よいしょ。はい 岡安でございます。つないでくれやす。岡安でござい…。千代!? 千代か!? 

宗助:千代って言うたか!?

みつえ:千代やの?

富士子:千代やて?

節子:千代?

玉:千代ちゃん!

かめ:ほんまに?

ハナ:おちょやん 生きてましたか。

シズ:みんな いてたんやないの!

千代:ご寮人さん ご無沙汰しております。

シズ:便りもよこさんと あんた 今どこで何してますのや。役者? 新聞?

宗助:千代 元気か?

みつけ:何で もっとはよ連絡よこさへんねんな!

千代:みんな変わってへんなあ…。あかん もう時間や。皆さんによろしゅう。ほなまた。

みつえ:ちょっと待ち!ちょっと!切れてしもた…。

一同:ええ…。

宗助:何や もっと話したかったのに…。今どこにいてるて?

シズ:あっ 聞いてしまへん。

一同:えっ!

シズ:けど 役者してるて。

一同:ええっ!?

ハナ:そら 面白おますなあ。わての言いつけを守って大したもんだすなあ。

みつえ:そやあれへん思うよ おばあちゃん…。

ハナ:千代が…。

●山村家

千代:うち こないなふうに人から褒められたん初めてで。千鳥さんのおかげだす。あの晩 千鳥さんがいろいろ教えてくれはれへんかったら うちは何もでけしまへんなんだ。こないにうれしいもんなんだすなあ お芝居して喜んでもらえるて。

千鳥:一つ聞いてもいいかしら?

千代:何だすやろ?

千鳥:どうして そんなに笑っていられるの?あなただって つらい過去があったんでしょ。私は自分の運命を恨んだり人を妬んだりしたわ。心から笑えることなんてなかった。

千代:うちも昔はそうだした。けど 今は帰る場所があります。うちを待っててくれはる人たちがいてるさかい。

千鳥:羨ましいわね。

千代:千鳥さんにもいてはりますやん。清子さんや一座のみんなが。うちもその一人だす。次も気張らしてもらいます。

千鳥:次はないわ。

千代:え…。

千鳥:山村千鳥一座は 解散する。

千代:何で…何で解散せなあかんのだす!?

千鳥:あなたのせいよ。前に言ったでしょ。私は自分を見下す世の中を見返すために役者になったって。誰にもできないような芝居をやって私という人間を認めさせたかった。そのために人一倍努力もしたわ。でもそれは独り善がりだった。あんな芝居でも本気でやれば人の心を動かせるってこと思い知らされた。私 今「あんな芝居」って言ったでしょ。自分が最も嫌った見下す側の人間に いつの間にか自分もなっていた。それが何より許せなくて。もう一度 一人で全国を回って鍛え直す。

千代:一人でだすか?

千鳥:私も冒険したくなったの。やあっ! はあっ! 鶴亀撮影所には紹介状出しといたから。あそこの所長 昔のなじみなの。あなた 高城百合子みたいになりたいって言ってたでしょ。別に嫌ならいいんだけど。

千代:おおきに! ありがとさんでございます!

千鳥:彼女 今 あそこの看板女優よ。

千代:そうなんだすか?

千鳥:自分の未熟さを行って思い知るといいわ。次に会う時には あなたの困り果てた顔見るの楽しみにしてるから。

千代:それは…。

千鳥:嫌がらせに決まってるでしょ。

千代:フフフ…。

千鳥:じゃあ せいぜい頑張んなさい。

千代:よろしんだすか? ありがとうございます。

千代:高城百合子さんが太陽やったら 千鳥さんは夜の暗闇言うてはりましたよね。うち ちいちゃい頃からよう夜空見てました。お母ちゃんとの思い出だす。夜にならな 星は見えへん。うち 夜も好きだす。

清子:座長。

千代:ああ!

千鳥:あっ…。あなたたち どうしたの?

清子:最後ぐらい みんなで飲も思て。

艶子:いいお酒 持ってきました。

シゲ:酒のさかなも。

美鈴:千代もいてるし これでみんなそろたな。

千代:ほな 今夜はぱ~っといきまひょか。

千鳥:何勝手に決めてんのよ。

千鳥さんは みんなにも次の行き先を紹介してあげていました。この一人一人が千鳥さんの輝かせた星なのかもしれません。

そして 季節が変わりました。

●鶴亀撮影所・門前

千代:あの…竹井千代と申します。

守屋:申請 出てますな。どうぞ。

千代:入ってよろしの?

守屋:そのために来たんやろ。

千代:そらそうだすけど…。

守屋:ああ もう…。竹井千代さん どうぞ。

千代:入りますで。

守屋:どうぞ。

千代:入ってしまいますで。

守屋:どうぞ。ん?

千代:ああ…入ってしもた。

守屋:ハハハハハハハハ!

千代:ほんで どないしたらよろしの?

守屋:そら知らんがな。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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