【おちょやん】セリフ書き出し第5週25話|清子が語る千鳥の過去と四葉のクローバー

朝ドラ【おちょやん】第5週25話、清子から「口答えはあかんで」と言われていたにも関わらず「短い間だしたけどお世話になりました。いやお世話しました~!」と啖呵を切って出て行った千代。

その千代を訪ねてカフェー「キネマ」にやってきた清子は、酔った勢いもあり

ああ~!あいつ ほんましょうもないで!すぐ怒鳴るし口悪いし もの投げるしわがままやし。性根ねじ曲がってるし ババアやし 化粧濃いしババアやし! 飲まんとやってられへんわ。人がせっかく なんとかしよ思て一生懸命考えたったのに。

これに続くセリフは【おちょやん】特有の長セリフ。脚本・八津弘幸さんの特徴は長セリフと“間”であると確信し、映美くららさんの大ファンになってしまいました。

【おちょやん】第5週25話セリフ書き出し

●山村家

<<清子:とうとう三楽劇場の座本から言われました。

清子:ここまま 客の数が減り続けるみたいやったら山村千鳥一座は今月で打ち切るて。

<<清子:私に一つ考えがあります。

千鳥:図に乗るんじゃない!

清子:堪忍してね。ほかのみんなには今の話 せんといてな。不安になると ええ芝居できへんさかい。あんたも座長に口答えはあかんで。

<<(戸の開閉音)

(OP)

(呼び鈴)

千鳥:何してんの 稽古行くわよ 支度して!

千代:あの これ…。

千鳥:必要ないから もうそのまま捨てといて。

千代:ちょっことくらい見てあげてもええのと違いますか? こない いろいろ考えてくれてはんのに…。清子さんとは長いこと一緒にやってきはったお仲間なんだすよね?これ 見てあげておくれやす!

千鳥:私は私のやりたい芝居をする。そんな客に媚を売るような子供だましの芝居 へどが出る! あなたも もう来なくていいから。我慢して一緒にいられたって こっちが不愉快になるわ。さっさと出ていきなさい!

千代:そやな。ほな そないさしてもらいます。何が山村千鳥一座や。昔 ちょっこと活動出てたんかどうか知らんけど 今 あんたのことなんかだ~れも知らんわ! お稽古で大概 偉そうなこと言うてはったけど ご自分はちょっこともお稽古しはりませんやん。うちは みんなが楽しいと思えるお芝居がやりたいんだす。自分のことしか考えてへんお人にそないな芝居 作られしまへんわな。大好きなお芝居を あんたみたいな人から学びとうあれしまへん! 短い間だしたけど お世話になりました。いや お世話しました~!

<<(戸が開く音)

●カフェー「キネマ」控室

千代:…って つい言うてしもた。

宮元:そうかそうか。

千代:真理ちゃん 堪忍やで。せっかく教えてくれたのに。

真理:なあん つかえんよ。謝ることないちゃ。

宮元:そうかそうか。ブフッ…。

千代:何で そないにうれしそうやの?

宮元:えっ そんなことないで。

真理:平田さんと賭けとったがやと。千代ちゃんが辞めるか辞めんか。

千代:何や うちが辞める方に賭けてたん?

宮元:平田が辞めへん方に賭けるって言うから 僕は辞める方にせな 賭けにならん。

千代:ほんま しゃあない人やな。

宮元:あっ ええとこに来た お前。

千代:平田さん すんまへん。期待裏切ってしもた。

平田:そないなことより 千代ちゃん。

宮元:そないなことって あっ お前 ごまかす気やろ。

平田:お客さんや。

●カフェー「キネマ」店内

千代:清子さん。

清子:こんばんは。

清子:あのあと辞めたって聞いてびっくりしたわ。

千代:すんまへん。あれほど口答えはあかん言われてたのに。

清子:堪忍な。私のためにこないなことになってしもて。

千代:ええんだす。どうせ時間の問題やったさかい。清子さん ようあないな人と10年近うも一緒にいてはりますなあ。

清子:ああ~!あいつ ほんましょうもないで!すぐ怒鳴るし口悪いし もの投げるしわがままやし。

千代:清子さん?

清子:性根ねじ曲がってるし ババアやし 化粧濃いしババアやし!

千代:ババア2回言わはりました。

清子:飲まんとやってられへんわ。人がせっかく なんとかしよ思て一生懸命考えたったのに。

千代:いっそ清子さんがほかの座員の人たちと自分で一座作りはったら どないだす?

清子:もちろん そないしたいけど…できへんわ。私 山村千鳥が大好きやねん。あの人についていくて決めたんや。あ~。10年前はな うちら お芝居やりとうても女やからてだけでなかなか相手にしてもらわれへんかった。東京大阪 あっちゃこっちゃで弟子入り志願してきた子ぉらを み~んなあの人が拾てくれて今の一座を作ったんや。素人みたいな女たちの芝居をかけてくれる小屋なんかどこにものうてな…。いろんなとこ回ったわ。田舎のちっちゃい小屋でお客なんかほとんどいてへんかった。田んぼの中でやったこともあったわ。小さい小屋やけど やっと京都で常打ちできるようになったのにな。あの人な いっぺんは結婚して所帯持ちはったんやけど ひどい旦那さんに裏切られて捨てられて それからずっと一人で生きてきたんやて。何もかんも嫌になって死のうとしたこともあったみたいやわ。けどその時にな たまたま足元に幸運の四葉を見つけて。西洋ではな 白詰草のことをクローバーていうんや。四葉のクローバーを見つけた人は幸せになるて言い伝えがあるんやて。それでもっかい死んだ気になって生きてみよて思たそうや。

宮元:さあ さあさあさあさあ 皆さん お待たせいたしました~!今月の指名一番人気は 今月も洋子ちゃんです~!

(拍手)

客:おめでとう 洋子ちゃん!

(拍手)

清子:きっと あんたらも似たようなもんやろ。

千代:そうだすな。おんなじだすな。

清子:せやさかい あの人のこと 許したって。

千代:やめとくなはれ 清子さん。

●山村家

<<千鳥:違う! もう一度!

千鳥:もう一度!

<<千鳥:ああっ もう一度!

千鳥さんは8時間寝てたわけやなかったんです。毎晩 数時間 自分一人でお稽古してはったんや。

千鳥:暑い!暑い!

千鳥:もう一回!

(翌朝)

千代:あなた 何してるの。

千代:昨日はすんまへんだした!もう二度と口答えするようなまねはいたしまへん。せやさかい どうかもっぺんお世話さしとくれやす!

千鳥:何を虫のいいことを。

千代:生まれ変わったつもりで もっぺんだけやらしとくれやす!

千鳥:駄目よ。目障りだわ 早く消えて。怒鳴られないと分からないの! この…。

(四葉のクローバーを見て)

千鳥:次はないからね。そのうち役が貰えるなんて思ったら大間違いよ。あなたはずっと雑用。それでもいいわね。

千代:ようあれしまへん。けど それが今のうちの力だすな。

回想(原っぱで)千代:あった~!

今日もええ天気や。よっしゃ!

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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