朝ドラ【おちょやん】第5週23話、カフェー「キネマ」の同僚である洋子と真理が日キネ撮影所の試験に合格し、お祝いムード一色の店内。
しかし、千代だけが素直に喜べず…
やい われ! 竹井千代! 自分ほんま しょうもないな。もうええかげんにさらせ!このあかんたれ!
この絶叫の後、役者になりたい女優になりたいと皆の前で宣言し、
これでもう自分に嘘はつかれへん。こっからがらうちのほんまの船出や。
かくして、真理が持ってきたチラシを頼りに山村千鳥一座の試験を受けに行くという流れで明日に続くです。
それにしても「キネマ」の店先でいつも乱闘している男たちは一体何者? いや、意味があるの?と苦笑しながら、山村千鳥一座の座員・シゲを演じるのは、あの朝ドラ常連女優の西村亜矢子です。
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【おちょやん】第5週23話セリフ書き出し
●カフェー「キネマ」住込み部屋
千代:おなか減った…。ふう~。
この1週間 千代ちゃんは毎日 お昼過ぎまで寝ていました。…って嘘やろ? あの千代ちゃんが?
(物音)
●カフェー「キネマ」店内
千代:このごろ ほんま起きられへんわ。
宮元:何でか教えたろか?
千代:おおきに。
宮元:起きる理由があらへんし。
千代:ああ ほんまや。うち 今までず~っと早起きせなあかんかったさかいなあ。何や うち今 楽ちんいうことやな。
宮元:まあ それでええんやったら それでええねんけどな。人生は思うより あっちゅう間やで。とりあえす コーヒー代10銭な。
千代:お金 取んの?
宮元:あほかいな。うちは賄い付きちゃうで。部屋代かてな 後でちゃ~んと徴収するさかい。真理はちゃんと払てるで。
千代:あっ 真理ちゃんは?
宮元:洋子よ日キネの撮影所に行ったわ。何や 女優の試験があるいうて。
千代:そうだすか。受かるとええなあ。
宮元:ほんまにそない思てんの?
千代:そらそうだすがな。
宮元:ふ~ん。まあええわ。
千代:何だす?
宮元:いつか分かる。
♪
水田:毎度。
平田:いらっしゃいませ。千代ちゃ~ん!
千代:水田さん おいでやす。
水田:何や 今日は洋子ちゃん いてへんのか。
千代:撮影所の試験なんだすって。
洋子:遅なってすんません。
水田:洋子ちゃ~ん! 試験やったんやて?
宮元:おい 遅いで。
洋子:すんませんでした。
宮元:で どやった。
水田:あ~もうええやないか~。見る目ないなあ その撮影所は。誰が何ちゃ言おうと 洋子ちゃんは俺たちの女神や!
万田:そや。写真の中の洋子ちゃんより ここにいてくれる洋子ちゃんの方がず~っとええわ。
洋子:おおきに。せやけど堪忍え。うちら2人とも…。
真理:合格したがやちゃ~!
水田:はあ~!
平田:ほんまかいな?
宮元:ほんまかいな?
真理:一本だけながやけど 役貰えたがいぜ。私はほんの少ししか出番ないけど 洋子さんはちゃんとセリフのある役ながいぜ!
(拍手と歓声)
水田:すごいやないか。2人とも。何か暗い顔してるから心配したわ。芝居かいな。
万田:さすが女優やな。
洋子:みんな驚かせてやろ思て。うまいこといったな。
真理:はい!やったよ!初めて合格したが。
千代:うん おめでとう真理ちゃん。
真理:ありがとうねえ。
水田:ほな 今日はもうお祝いや。
真理:やった~!
水田:高い酒持ってきて~。
(拍手と歓声)
原:今日こそ 千代ちゃんの手 握ったるで~。握ったるで~。握りますで~。あっ やっぱし 太ももにしよかな。すんません お勘定。
千代:原さん すんません まだ帰らんといて。まだ帰らんといて。
原:あっ 握られるんもええな。
♪
原:ほな 千代ちゃん…。
千代:あっ あきまへん。
原:ほな。
千代:ほな また。
♪
千代:やい われ! 竹井千代! 自分ほんま しょうもないな。もうええかげんにさらせ!このあかんたれ!
<<(犬の遠吠え)
洋子:どないしたん あの子。
千代:ふう~。よっしゃ。話があります。
京子:どないしたんよ。
千代:洋子さん 真理ちゃん…。堪忍だす。
真理:どうしたがけ?急に改まって。
千代:何や うち 心からお祝いできへんねん。2人が頑張ってやっとつかんだ合格やのに それ分かってんのに おめでとうより先に羨ましいが来てしまう。悔しいが来てしまいますねん。うちはあの黒木てやつにだまされたのに あんたらばっかり何でやて…。だまされたて分かった時ほんまはめちゃくちゃ悔しゅうて悲しいて腹立って…。先前 2人の合格聞いた時も何や分からへんけど悔しゅうて 今度は黒木やのうて自分に腹が立って…。小さい頃 一人で道頓堀に奉公に出てつろうて さみしいて どないしようものうて…。そないな時 うちの前にはいつもお芝居があったんだす。うちはお芝居が大好きや。うちが元気貰たみたいに 今度はうちが誰かの力になりたい。また思い上がってて若われるかも分からへんけど うちは今までずっとどっかでそないに思てきたんやと思います。せやさかい うちは役者になりたい。女優になりたい。いや なります。
洋子:だから何やの?勝手にしぃ。
千代:はい 勝手にします。
京子:何や思たら しょうもない話しおってよ。うちの時間返せや。
純子:まあ せいぜいお気張りやす。
千代:見なさん聞いてくれはってほんまおおきに ありがとうございました。
平田:フフフフ…。みんな冷たいなあ。
千代:ええんだす。うちが言いたかっただけやし。これでもう自分に嘘はつかれへん。こっからがらうちのほんまの船出や。
宮元:そんな時には あの言葉やな。ほれ 言うてみい。
千代:よろしいわ。
宮元:遠慮せんと ほら。
千代:いやいや…ほんまに。
宮元:ほな 僕が言うで~!はい いきます本番! よ~い はい!
●カフェー「キネマ」住込み部屋
真理:これからは競争相手になるがやね。2人でぇ 一緒に女優になろないけ。ねっ。おんなじ気持ちの友達がいてくれて心強いちゃ。千代tyんが来てくれてぇ 本当によかったわ。
千代:おおきに。
●鶴亀映画・京都撮影所・門前
守屋:ちょちょちょちょちょちょ ちょっと待て ちょちょちょちょ…。あんた 勝手に何してんねんな。えっ? あんた どこのどちらさん?
千代:竹井千代だす。
守屋:えっ?た…竹井?竹井千代…。申請出てへんがな。どこ行くん?
千代:撮影所へ。
守屋:そら分かってるわ。撮影所のどこ言うてん…。
千代:偉い人て どこにいてはります?
守屋:フッ…悪いけど出ていって。はよ出ていって はよ出ていって…。あかん あかんねん あかんねん。
千代:ええやんか ちょっこと中入るくらい。
守屋:あかんねや。ここは関係者以外 立ち入り禁止。分かった?
千代:ちょっことだけ。
守屋:あかんて あかんあかんあかん。
千代:何でどす?痛い!
●カフェー「キネマ」店内
(笑い声)
平田:いや そんなんそんなん…。
宮元:追い返されるにきまってるやないか。行ってどないするつもりやったん?
千代:偉い人に頼み込んで 試験受けさしてもらお思て。
宮元:あほちゃう? 口入れ屋に頼んで女給になるんと訳ちゃうねんで。
千代:ほな どないしたらええねやろか。
平田:知るかいな。
(笑い声)
宮元:おかしい! あかん! おかしい!
(笑い声)
●鶴亀映画・京都撮影所・門前
千代:うっ!
守屋:あかん あかん あかん あかん…!出てって 出てって 出てって!何べん来てもあかんのや!
千代:お願いします。お願いします。
守屋:お願いされても あかん。
千代:ちょっことだけ!
守屋:いや あのな ここは関係者…。
千代:ああ~っ!
守屋:あかん!油断も隙もないな この子はもう!はよ帰りなはれ!しゃあない子やな もう。
♪
守屋:ご苦労さまです。待てい!油断も隙もない!
千代:嫌や…。
守屋:あかんっちゅうとるやろ もう!はい さいなら!
何のツテもない千代ちゃんは あちこちの撮影所の入所試験を受けようとあらゆる手を尽くしましたがそう簡単にはいきませんでした。
千代:お疲れさんだす。
守屋:待て。わしの目がごまかせると思てんのか!
千代:うえ~ん もう!
守屋:似合い過ぎじゃ お前は!
千代:何でや もう!
守屋:あかん言うたやろ。
千代:うち…うち もうこんな…こないして頑張ってんねん。
守屋:あかん言うてるやろ ほんまに!関係者以外立ち入り禁止…。
千代:どいて~!
守屋:あか~ん!
千代:どいて~!
守屋:あか~ん!
千代:おっちゃん! ほんまにうち ほんまに行きたい!ほんまに入りたいねん!嫌や 嫌や!
守屋:あかん言うてるやろ!
●カフェー「キネマ」店内
真理:千代ちゃ~ん。千代ちゃん。これ どうけ? この前の試験の時にぃ 貰ったがにぃ 忘れとったが。
千代:山村千鳥一座…。
真理:千代ちゃん 道頓堀におったし向いとると思うよ。
千代:真理ちゃんは?受けへんの?
真理:なあん 私はこの訛りやからあ 舞台には向いてないがやちゃ。活動写真じゃないとぉ。
千代:けど…。
このころの映画 活動写真はまだ無声映画で役者さんの声は聞こえませんでした。
宮元:山村千鳥いうたか。ほんまや。懐かしい名やな~。
平田:知ってるんですか?
宮元:東京の女優さんや。4~5年前まではな 活動写真もちょこちょこ出てた。
そないなことに相成りまして 千代ちゃんは山村千鳥一座の採用試験を受けに 京都は新京極 三楽劇場にやって来ました。
●新京極・三楽劇場
千代:覚えました。
清子:もう覚えたん?
千代:はい。
清子:ちょっと待ってな。今 座長が。
千鳥:さっさとおやんなさい。
<千代の心の声:この人 何でこないに怒ってはんねやろ…>
千鳥:はあ~…。やるの やらないの!?
はい すいません!
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
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