【おちょやん】セリフ書き出し第5週22話|活動写真の主演話は詐欺で黒木は逮捕される

朝ドラ【おちょやん】第5週22話、カフェー「キネマ」で女給として働き出した初日に女優にならないかとスカウトされた千代は戸惑うばかり。

でも、女優になって有名になれば行方不明のヨシヲが自分を訪ねてくれるかもしれないと思った千代は、黒木の話に乗ることにするが…。

結局、黒木が作る活動写真の話は全くのデタラメで、黒木は詐欺罪で捕まり、京都府警察部に事情を聞かれる千代。

そこで、なぜ自分だったのかを刑事に尋ねると…。

出資者の川島社長 おるやろ。好みの顔なんやと。せやさかい 君を主演にする言うたら 金 な~んぼでも取れると思たそうや。

まさに泣き笑いのエピソードで明日に続くです。

【おちょやん】第5週22話セリフ書き出し

●カフェー「キネマ」店内

黒木:いいねえ…。君 出てみないか? 私がこれから作る活動写真にだよ。

平田:またお待ちしてます。

黒木:時は寛永 将軍家光の世。お取り潰しとなった大名家の姫君が隠れ住んで市井の人々と語らううちに 身分や財宝よりも大切なものを見つけて真の幸せを得るというお話だ。その主人公の姫君役を是非 君にやってもらいたい。

真理:羨ましいねえ。私も活動 出たいがやちゃ。ねえ 洋子さん。

千代:何や夢みたいやなあ うちが姫君て。

黒木:夢じゃないよ。

千代:お断りします。

黒木:うん。…ん?

千代:正直 よう分かれしまへん。けどお芝居は大好きだす。女優さんに会うたこともあります。ものすごすてきな人やった。

黒木:君もそうなれるかもしれないんだよ。

千代:てんご言わんといて。芝居のシの字も知らんど素人やのに。

黒木:いやいや…まだ何も知らない君みたいな子の方がいいんだ。千代ちゃん…君ならできる!君ならできる!君ならできる!

千代:あかん…もうあかん。何が何やらよう分かれへん。

黒木:大丈夫?

千代:はあ はあ…。そやかてな うち 今日の朝まで大阪にいてましたんやで。生まれて初めて京都来て ここで働かしとくはなれ言うて これから女給として頑張ろ思た時に「女優になれへんか」て。うち ずっと道頓堀で見てきたさかい 分かってますねん。そない やすやすと女優になれるはずあれへん。せやけど女給かてそない楽なもんやあれしまへんわな。そら 女給よりは女優の方が…。女優よりは女給の方が…。うう~…女給?女優? うう~…女給で女優か! 

黒木:ちょっ お…落ち…落ち着いて! ねっ。

千代:あ~!あっ じょじょじょじょじょ…女給?

黒木:女優!

千代:女優で女給の…女優が女給!? じょじょじょじょ…じょっ!? 女優!?

黒木:女優!

千代:ゆっ!?

●カフェー「キネマ」店の前

結局 千代ちゃんはやるともやれへんとも返事をできず 明日もういっぺん この黒木さんと会う約束をしました。

酔っ払い:ああ うう~… 行け。

●カフェー「キネマ」住み込み部屋

真理:やめられま 千代ちゃん。女優なんかぁ やるもんじゃないちゃあ。しょうがないね。ここは私が代わりにしてあぎっちゃ。

千代:何や 結局自分がやりたいだけやんか。

真理:ねえ 頼むちゃ 千代ちゃん。私と代わってま。

千代:そないに女優になりたいの? 何で?

真理:憧れやちゃ。こんなふうに きれいになってすてきな役者さんと結婚するがが私の夢ながやちゃ。それに有名になったらあ 家出した故郷の家族も何もかんも みんな見返せるしぃ。女優になってえ 堂々と胸張って会いに行くがやちゃ。

千代:うちな 小さい頃 離れ離れになった行方知れずの弟がいてんねん。

真理:そうながけ。

千代:もし うちが有名になったら会いに来てくれるかも分かれへん。

真理:そうなるかもしれんちゃあ。

千代:うち やってみる。おおきに 真理ちゃん。うち やるわ!

真理:う…ウン 頑張られ。

千代:ほな うち お風呂行ってくる。

真理:私が背中押してしまったわ…。

●京都市内の竹林

そこは昔 千代ちゃんの家の裏にあった竹林によく似た場所でした。今朝早く 千代ちゃんは汽車の中から風にそよぐ竹林をみました。

(汽笛)

行く当てのなかった千代ちゃんは 思わず次の駅で降り立ちました。そこが京都だったのです。

千代:お母ちゃん…うち 役者やってみるわ。ほんで いつか必ずヨシヲ捜し出したる。

●鶴亀映画・京都撮影所入り口

翌日 千代ちゃんは鶴亀映画京都撮影所にやって来ました。

守屋:邪魔どすねんけど。

黒木:千代ちゃ~ん! アハハ よく来てくれたね~。

千代:昨日はすんまへんだした。

黒木:あ~気にしないで。

千代:ここで撮影しますのか?

黒木:まあ いずれはね。アハハハ。今日は近くの洋食屋で話そう。もう一人 この写真に出資してくれる川島さんも紹介するよ。

千代:はい。

黒木:ああ いつもご苦労さま。

守屋:どうも。

黒木:ハハハハハハ。

守屋:ん?

●洋食屋

黒木:こちらは今度の写真に資金を出してくだささる川島社長です。

川島:川島です。

千代:初めまして 竹井千代と申します。

黒木:千代ちゃんが引き受けてくれて本当によかった。川島さんもこれで納得していただけましたか?

川島:せやな。この子が主演やったらきっとうまいこといくわ。私も約束どおり 力にならしてもらいましょ。

黒木:アハハ ありがとうございます。

川島:ハハハ。

千代:ありがとうございます。

黒木:よろしくね 千代ちゃん。

千代:はい。一生懸命気張ります。

川島:ハハハハ…ハハハハハ。

黒木:さあ 食べて食べて。

千代:はい 頂きます。頂きます。

千代:おいしおます。

黒木:おいしい? おいしい?

●カフェー「キネマ」店内

それから3日後。

宮元:ほんで撮影は いつからや。

千代:細かいこと決まったら また知らしてくれはるそうだす。

真理:いいねえ。

(ドアが開く音)

宮元:どないしてん。お通夜とお葬式が続けてきたような顔しやがって。ハハハハ 当たり前やいうねんな。普通 続けてくるんやいうねん お通夜とお葬式は。

千代:どないかしはったんだすか?

宮元:あっ 何か見たことあるな この顔。えっこれ 確か…。

平田:昨日 川島貿易の社長から1万年だまし取ろとして そこで逮捕されたて…。

真理:あっちゃ…なら あの話 全部ぅ…。

刑事:京都府警察部のもんや。

宮元:警察の方? あの うちはあのこうやってきれいな商売しかしてません。

刑事:そんなんやない。竹井千代っちゅう女給はいてるか?

宮元:この子です。

刑事:ほんなら 君自身はお金をだまし取られたりしたことはなかったんやな。

千代:はい。うち 取られるようなお金 はなからあれしまへん。

刑事:ツイてたなあ。これまで あいつにだまされた女の中には 女優にしてやる言われて身ぐるみ剥がされて行方不明になった子もおるんやで。

千代:あの 分からへんことがあんのだすけど…。

刑事:何や。

千代:何で うちやったんかな思て。

刑事:それやったら 言うてたわ。

千代:ほんまだすか?何て?

刑事:出資者の川島社長 おるやろ。

千代:はい。

刑事:好みの顔なんやと。せやさかい 君を主演にする言うたら 金 な~んぼでも取れると思たそうや。

千代:あ…あ~なるほど。ああ そないなことだしたか。これで分かりました。あ~すっきりした。ハハハハハ…ハハ…。う~ん…。

●カフェー「キネマ」控室

宮元:来た。来た。

千代:皆さん いろいろお騒がせしてほんま すんまへんだした。

洋子:まあ よかったやないの。あんたがもし本気で女優目指してたら つらぁてつらぁて 立ち直られへんかったやろ。ちょこっとでも ええ夢みられて それが覚めただけや思えばええんや。はなっからなあ この世界 そない おいしい話転がってへんさかい。

京子:相変わらず きっついのお。

千代:洋子さんの言いはるどおりだす。ちょっこと おだてられてその気になってしもた。これからはまた女給として皆さんと一緒に気張らしてもらいます!

宮元:本番 よ~い…。

平田:もう それはよろしい!

●カフェー「キネマ」店内

水田:ああ 飲み飲み飲み。

千代:ああ うちは ええんどす。

水田:何や 飲まれへんの?

千代:うちの分も飲んどくれやす。どんどんお代わりして。

水田:そう?

千代:はい どうぞ。

水田:いや もう入れんのかいな。

千代:どんどん お代わりして。

水田:明日…明日 仕事 これ大変やで。これ。

千代:おつきあいのお酒て しんどいことだすなあ。薄めにさしてもらいました。

万田:ああ 助かるわあ。新人の割に よう気ぃ利くな。これ。

千代:おおきに。どやろか。

万田:濃いな。

原:ええやんか 手ぇぐらい握らしてえな。

(手をたたく音)

原:いった~…。

千代:太ももやったら ええよ。

原:じゃあ…。うわ~千代ちゃんの足 硬うて ひんやりして えらい日焼けしてるわって これビール瓶やんか。

千代:フフフフフ。

原:かなわんわ もう千代ちゃんには。

千代:飲んどくれやす。

原:ついで ついで。もうちょっとだけ…。

(手をたたく音)

千代:あきまへん!

<<平田:ほな また明日。

<<千代:はい。

真理:なら 先上がっとるよ。

千代:うん。うちもじき行く。

(泣き声)

千代:何やねん もう…。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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