【おちょやん】セリフ書き出し第5週21話|京都編スタート。カフェー「キネマ」で働き始める千代

朝ドラ【おちょやん】第5週21話、シズの機転で借金取りから逃れた千代。行く当てもなく汽車でたどり着いたのは「京都どす」。

早速、口入れ屋で住み込みの仕事を求め、紹介されたのが「女優に逢える店カフェー・キネマ」。

店長は活動写真かぶれの自称“監督”である宮元潔。以下、カフェー「キネマ」のキャスト紹介です。

店長・宮元潔:西村和彦さん

女給・宇野真理:吉川愛さん

女給・若崎洋子:阿部純子さん

女給・純子:朝見心さん

このCMに出ているのが朝見心さんです。

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女給・京子:めがね さん


ボーイ・平田六郎:満腹満さん

【おちょやん】第5週21話セリフ書き出し

シズ:これからは自分のために生きますのや。生きてええのや。

千代:ご寮人さん…。

千代ちゃんはそのあと舟を降りて大阪駅へと向かいました。行く当てもなく汽車に乗った千代ちゃんが降り立ったのは…京都どす。

(鐘の音)

●京都の口入れ屋

口入れ屋:今すぐ働きたい言われてもなあ。

どこのどなたさんとも分からん娘をそない簡単に雇てくれるとこ あかなかあらへんわ。

千代:どないな仕事でもよろしおます。うち 住むとこも持ち合わせもあんまりあれへんのだす。早いとこ仕事せな うち生きていかれしまへん。

口入れ屋:まあ…。

千代:それだす!お願いします!

口入れ屋:まだ何も言うてまへんがな。

●京都の口入れ屋の店先

回想・シズ:これは旅立ちだす。

千代:すんまへん。ここ行きたいんだすけど どっちだすやろか。

通りすがりの人:これな…。

●カフェー「キネマ」店先

<<(猫の鳴き声)

千代:ここやんなあ…。

<<(猫の鳴き声)

千代:いった!

洋子:いや 堪忍。どちらさん?

千代:えっと…ここで働かしてもらお思て来ました。

洋子:また新入りか。監督~。

<<宮元:は~い。はい はいはいはい。

宮元:あっ! さっき口入れ屋さんから知らせあったわ。寒いから入って。

千代:おおきに。ごめんやす。

●カフェー「キネマ」店内

宮元:今のが うっとこの一番人気の洋子ちゃんや。本物の女優さんやで。

千代:このお店 女優さんが働いてはんのだすか?

宮元:そや。看板見たやろ。

千代:はい。

宮元:ほんでや…僕が監督の宮元です。

<<(猫の鳴き声)

千代:監督?

宮元:知らんのかいな?活動写真を撮る人や。

千代:うちは店長さんに用があんのだすけど。

平田:この人はただの活動好きの店長。周りに監督て呼ばして喜んどうだけや。

宮元:あいつは助監督の平田。

平田:ボーイの平田です。フフッ。

宮元:さあ そしたら自己紹介してもらおかな~。いくで~。はい本番!いきます!よ~い はい! はい!はい! はい!はい!はい!はい! いや…本番や 本番や!。

千代:えっえっえっ…。

宮元:いくで。はい!

千代:あっ えっ…竹井千代と申します。数えで18になりました。道頓堀の岡安いう芝居茶屋で9つの時から奉公してましたけど 年季明けて京都へ来たんだす。

宮元:京都には鶴亀やら日キネやら 撮影所がぎょうさんあるからそういう子がよう来んにゃ。何ちゅうてもやで うちの店にはほんまもんの女優さんがいてるし。撮影所の人間もぎょうさん来んねんな~。うまいこといったら えっ…名前 何やった?

千代:千代だす。

宮元:千代ちゃんも一躍スターさんや!なあ うち えらい店やろ。フハハハハハハハハハ!フハハハハハハハハハ!フハハハハハハハハハ!

千代:ハハハハハハ…あの 何の話だす?

宮元:あっ…あんた 女優志望ちゃうの?

千代:うちが? からかわんといておくれやす。

宮元:うっとこに来る あんたぐらいの子はもう大概みんな そやからな。

千代:ここやったら すぐに住み込みで働かしてもらえるて聞いたんで。

宮元:ええけどな…うち 給金ないで。

千代:えっ?

宮元:お客さんから貰えるご祝儀 チップだけが自分の稼ぎや。お客さんに気に入られな 全く金にならんで。あとな そこから2割 手数料としてうっとこが貰います。

千代:お茶子とおんなじだすわ!

宮元:じゃあ 早速今日から店出るか?

千代:はい!…やのうて へえ。…やのうて はい! お願いします!

宮元:部屋 上や。ああ 相部屋やで。

千代:おおきに。

宮元:あっ しもた! 肝心なこと忘れてた! はい そこまで!

<<(猫の鳴き声)

●カフェー「キネマ」二階

<千代の心の声:この子もまた えらい可愛らしいなあ>

千代:あ…今日からお世話になります千代いいます。

真理:ああ そんながけ。私 真理いうがやちゃ。私もここに来てえ まだひとつきながやけど 分からんことあったら何でも聞かれ。

千代:おおきに。真理さんは どこの人?

真理:真理でいいがに。生まれは富山ながやけど 家出してもう何年も帰っとらんがいちゃ。
千代:家出? うちも似たようなもんや!よろしゅう。

真理:仲ようしよまいけ。

千代:うん。

こないして 千代ちゃんは女給としてキネマの2階に住み込みで働くことになりました。

●カフェー「キネマ」店内

純子:うちの人がな またな…。

●カフェー「キネマ」控室

宮元:よっしゃ 衣装の貸し賃はツケとくで~。

千代:えっ?

宮元:チップ稼いで 払てや。

千代:えっ うち…。

宮元:あっ さっきのライスカレー代。おお。

千代:え~!

宮元:当然やん。

●カフェー「キネマ」店内

真理:あの端におんがが 純子ちゃん。あんなに楽しそうに笑っとうがやけどお 病気の旦那さんに代わってえ 家族養うために働いとんがやと。そうかと思えばああ あっちの京子さんは とにかくお客から金をでかいと巻き上げることしか考えとらんが。昔 男にひどい捨てられ方したとかで 男に復讐するためにこの仕事しとんがやと。それで あの人がああ 監督も言うとった ここで一番人気の洋子さんやちゃ。女優気取っとんがやけどお 昔 少しだけ活動写真に出とった大部屋女優ながいと。それをいまだに得意気になっとんがいちゃ。私も女優志望なが。負けられんちゃあ。

当時のカフェーはいわばキャバレーの元祖で こういうお店があちこちに増えていました。

真理:千代ちゃん? どうしたがけ?

<<(犬の遠吠え)

●カフェー「キネマ」控室

平田:真理ちゃん 千代ちゃん。洋子さんと代わって。

真理:私がけ?

平田:初めてのお客さん来たんやけど 何かな 東京の活動写真作っとう会社の社長さんらしいねん。洋子さん そっちつきたい言うとんねん。

真理:えっ 私もそっちがいいがに。

平田:ほな 誰が染谷の若旦那の相手すんねん。いきなり千代ちゃん一人は無理やろ。面倒見たって。

真理:しかたないね。行こまいけ 千代ちゃん。

<千代の心の声:これも生きるためや やるしかあれへん>

千代:よっしゃ! どっからでもかかってきい!

真理:いくそったね~。

●カフェー「キネマ」店内

宮元:あっ 来ました。うっとこの一番人気 洋子ちゃんです。

黒木:黒木です。

宮元:ごゆっくり。

洋子:黒木社長はこれまで どないな写真 お作りになってきはったん?

黒木:う~ん「野狐小平次」とか「渦巻く疾風」とか…ハハッ。

染谷:よう見たら 洋子ちゃんより真理ちゃんの方が可愛らしなあ。

真理:そんなこと言っとってもお 結局いっつも洋子さんご指名ながいぜぇ。

染谷:真理ちゃんのことも ちゃ~んと考えてるでぇ。

黒木:君は女優もしているそうだね。どうして この店に?

洋子:演技にはいろんな経験が必要ですやろ。

黒木:勉強熱心だね。ちなみに 代表作は何?

洋子:黒木社長とこれから作る作品です。

黒木:そう来たか。

染谷:ほれ ご祝儀や。

真理:あっちゃ うれしいわ。気の毒な。

千代:あの…。

真理:あっちゃ この子は新入りの千代ちゃんいうが。

千代:千代だす。よろしゅうお頼申します。

染谷:そこ 虫食うてんで。

千代:ほんまや。

染谷:なあ 真理ちゃん このあと どや。ごはん食べ行こか。

千代:やあ それ よろしおますなあ。

染谷:あんたちゃう 真理ちゃんに言うてんねや。

真理:行きたいがやけどお 洋子さんに怒られんがいちゃ。

染谷:おいしいもん いっぱい食べさしたんで。

真理:無理やちゃ。

染谷:腹いっぱい食べてええんやで。

真理:できんが。

染谷:何や お前! 女給のくせに 客の言うこと聞かれへんのか!

真理:堪忍してください。

染谷:わしを誰や思てんのや。100年続く呉服屋の若旦那やでぇ!

平田:若旦那さん 落ち着いてくださいね。落ち着いて まあまあ まあまあ…。

染谷:この店は女給になんちゅう しつけしてんのや。

平田:落ち着いて…。

染谷:店長呼べ 店長!

平田:まあまあ まあまあ…。

染谷:店長~!

●カフェー「キネマ」控室

平田:店長 呼ばれてます。

宮元:いへんて言えよ! 大体僕は監督や。店長! 店長 どこや~!出てこ~い 店長~!
(千代が入ってきて酒瓶を持ち出す)

宮元:おい そんなもん どないする気や。暴力はあかん。

●カフェー「キネマ」店内

染谷:わしと一緒に行くんか行かへんのか どっちや。

真理:そう言ったかて…。

千代:バカ旦那!

染谷:何や!

千代:旦那さん だいぶ酔うてはんのと違いますか?

染谷:何言うてんのや。わし まだちょっとしか飲んでへんわ。

千代:ほら 酔うてはります。これ みんな空にしたん 覚えてはれへんのだすか?

染谷:わし これ飲んだんか?みな?

千代:もう ええお時間になってまっせ。

染谷:11時? もうこんな時間かいな!

千代:はよお帰りにならな ご寮人さん 気ぃもみはんのと違いますか?

染谷:あかん!

真理:助かったわぁ。気の毒な 千代ちゃん。

千代:お茶子の時も あないな旦那さんがよういててな。ほんで大概 ご寮人さんに頭上がれへんさかい こっそり時計の針進めといたら 皆 慌てて帰るよって。

真理:そうながけえ。

宮元:なかなか…やるやないか。

千代:おおきに。

さすが ほげたが達者な千代ちゃんは 京都に来ても健在ですわ。

平田:皆さん お騒がせしてすんまへんでした。この子ら まだ日ぃ浅いもんやさかい 大目に見たってください。

千代:すんまへんだした。

黒木:いいねえ…。君 出てみないか?

千代:え…?

黒木:私がこれから作る活動写真にだよ。

千代:へえ すんまへん。ええっ!

ええ~っ!?

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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