【おちょやん】セリフ書き出し第4週19話|天海一座の千秋楽で舞台に初めて立った千代

朝ドラ【おちょやん】第4週19話、テルヲの借金返済のため、岡安を辞めて別の料理屋に奉公に出ることを決めた千代。

しかしその料理屋は、客に女中をあてがうような悪い噂がある店で、それを心配するみつえであったが…。

天海一座の千秋楽までは岡安で働くことになった千代であったが、客の不入りで急きょ、落日が早まってしまう天海一座の公演。

しかも主役の千之助は失踪し、女形の漆原洋二郎は腰を痛めて開幕もままならない状態の中で、代役に千代が指名されて舞台の上に。

案の定、セリフが飛んでしまい、頭が真っ白になった千代は現実と芝居の境が分からなくなり…、

うちはどこにも行きとうない!ずっとここにいてたい。岡安にいてたいんや!もう一人になんのは嫌や…。うちはどこにも行きとうない…。ここにいてたいんや…。

朝ドラ【おちょやん】は、ヒロインを演じる杉咲花ちゃんが大女優の道を駆け上る姿を見るドラマであると確信して、明日につづくです。

【おちょやん】第4週19話セリフ書き出し

千代」長いことお世話になりました。

シズ:それでよろしいのやな。

千代:へえ。

シズ:あんたをひいきにしてくれてはるお客さんへの義理もあります。あと7日 天海一座が千秋楽迎えるまでは うちで働いてもらいます。

千代:へえ。

●道頓堀・街中

千代:お稽古 一緒についていくの 久しぶりやな。

みつえ:あんたが あほなことは知ってたけど ここまでとは思えへんかったわ。

千代:何やの いきなり。

みつえ:「何だすか」や。あんたが次行く奉公先の料理屋 客に女中あてがうような悪い噂もあるて聞いたで。分かってんのか。

千代:分かってる。

みつえ:分かってへんわ!

千代:ほな どないしたらええ? どないしたらええ思う?みつえちゃん。

みつえ:「みつえちゃん」やない。「いとさん」や!

●岡安・帳場前

富士子:うちれで出せる精いっぱいのお金だす。足りへん分は岡安から千代に貸したってもらえまへんやろか。

節子:このままやったら千代がどないも不憫で…。お願いだす ご寮人さん。

シズ:お断りや。こないなことしても 千代のためにはなれしまへん。

そして その日は突然やって来ました。

宗助:シズ!

シズ:どないしはったんだす? 血相変えて。

宗助:鶴蔵社長の鶴の一声や。

●えびず座前

熊田:急ではございますが…。

一平君たちの天海一座は 連日不入りが続き 公園半ばで千秋楽となってしまったのです。

熊田:本日しかご覧いただけません。

●えびず座・楽屋

天晴:どないしてん。

徳利:あっ 千之助さんが これを…。

天晴:「一匹の平目は煮ても焼いても食えぬ。もはやこれまで」。

徳利:どないしよ。

一平:どないもこないも 千さんは主役や。いてはれへんかったら芝居になりませんわ。

徳利:どのみち 客入り悪いて鶴亀に打ち切られてもうたし 今日の千秋楽も幕開けんと しまいいうことで…。

天晴:あかん。何としても幕開けるんや。なあ ボン。ボンも気ぃ付いてるやろ。この一匹の平目いうんは ボンのことやて。

要二郎:一匹の平目で一平か。

一平:俺が使いもんにならん あほやさかい 千之助のアニキはこの天海一平を見限って出ていったっちゅうこっちゃ。

徳利:はあ~なるほど。

天晴:あほ! そこは否定せえ。

徳利:あっ…。

天晴:千さんの役は…ボンがやり。

一平:え…。

天晴:須賀廼家千之助がおらんかて やれるてことを意地でも客に見せなあかん。そうせな この一座ほんまに終わってまうで。

●岡安・帳場前

千代:千之助さんが行方しれず?

シズ:かめ 里子 お握り作って楽屋に持ってってくれるか。

かめ 里子:へえ。

千代:うち 手伝います。

シズ:富士子と節子と玉は お客さんのご案内 頼むな。

富士子:へえ。

玉:へえ。

富士子:節子。

玉:姐さん。

富士子:はよう。

節子:今日 落日なんやろ。

千代:かなんなあ。急すごるわ。けど しまいまできちんとやらしてもらいます。

シズ:なんしか今日が無事終わるよう みんな気張っとくなはれや。

かめ:へえ。

千代:へえ!

里子:へえ。

富士子 玉:へえ。

●えびず座・楽屋

千代:どうぞ。

座員:おおきに。

千代:どうぞ。

(鉦の音)

天晴:おのおの方…。

(太鼓の音)

天晴:そろそろ し~た~く~じゃ~! 

徳利:言うてはりますわ。

天晴:はよせえよ はよせえよ。はよせえ お前ら。

要二郎:うっ!

徳利:どないしました?

要二郎:腰…やってもた。

一同:ええ~!

千代:えっ…大事おまへんか?漆原さん?

徳利:どないすんねん。

●えびず座・客席

宗助:千秋楽やいうのに…。

ハナ:しゃあない。千之助さんが消えたっちゅう噂はとうに広まってるさかいな。

●えびず座・楽屋

徳利:あかん! こら無理や。

千代:あっ ちょっ…。

徳利:ちょっと!どないします!? 女形の代わりなんていてへんし…。

天晴:やかましな! 今 考えてんねやろ! 

徳利:せやかて…。

熊田:何をしてんねや! もうこれ以上は引き延ばしはできへんで!

一平:おるやないか ほんまもんの女中が。お前 出え! こことここ 2か所だけセリフ間違えへんかったら あとは返事だけしといたらそれでええねん。

千代:急に言われても…。

一平:時間ない。行くで!

徳利:おいおい おいおい…。

千代:ええっ ちょっ…。

徳利:ちょっと!

天晴:ほんまかいな!

熊田:ちょっと待ちや! 何やねん! どうなってんのや おい! おい! ちょちょちょちょっ…!

漆原洋二郎:う~ん…。

●えびず座・舞台

さて今回の舞台は女中さんと浮気してる薬問屋の旦那さんが 奥さんが留守している間にその女中さんと別れようとすったもんだするというお話です。

徳利:旦さん。旦さん!

一平:ああっ!

徳利:もう悪いこと言いまへん。ご寮人さんが出ていってはる間に おみのと きれいさっぱり別れた方がよろしおまっせ!

一平:おっきい声出すな! わしかて そないするつもりや。分かってるがな。おい。

徳利:あっ すんまへん。

一平:お~い おみの お茶持ってきてんか。

<<千代:へえ!

宗助:千代!

みつえ:やあ…何で?

一平:おい お茶。

千代:へえ。

<あかん 緊張して手震える…>

<そない震えたら おかしいやろ>

一平:何や 今日は身震いするほど寒いなあ。 

(お茶をこぼす千代)

一平:熱っ! 熱いがな!

千代:暑いんか 寒いんか どっちだす!?

(笑い声)

客:おもろいな!

(笑い声)

ハナ:面白いがな。

みつえ:ちょっとも面白いことなんかあれへん。

一平:もうええ。はよ仕事戻りなはれ。

千代:すんまへん。

(笑い声)

●福富・玄関前

菊:遅おましたなあ。

シズ:すんまへん。

●えびず座・舞台

そして舞台はいよいよ終盤にさしかかり 千代ちゃん最後の出番となりました。

一平:ええさかい はよ出ていけ!

千代:嫌だす! 行きとうあれしまへん!

徳利:旦さん はよせんとご寮人さん戻ってきはりまっせ!

一平:え~い 分かった わしの負けや。お前の欲しがってた べっ甲のかんざし 買うてやるさかい。

一平:せやさかい お前の欲しがってた べっ甲のかんざし 買うたる言うてますのや。

<こいつ…セリフ飛んだんか!?>

<あかん 思い出されへん。何やったかな…>

<「しゃあない それで手ぇ打ちます」や>

一平:おみの 頼むさかい はよ出てってくれ!

千代:嫌や!うちは絶対に行きまへん!

<あかん! お前引っ込まな 芝居続けられへんやんか!>

徳利:で…出ていってもらわんと…。

一平:この前は行く言うてたやないか。

千代:ほんまは行きとないんだす。どこにも行きとうない。

一平:そこをなんとか…なっ?

(笑い声)

一平:(小声で)千代 はよ出ろ!

徳利:よっしゃ! わしが…。

一平:さあさあ ほら…。

千代:嫌や!うちはどこにも行きとうない!ずっとここにいてたい。岡安にいてたいんや!もう一人になんのは嫌や…。うちはどこにも行きとうない…。ここにいてたいんや…。

千代:やっぱり 気ぃ変わったんで出ていきます。

一平:何や それ!

(笑い声)

(拍手と笑い声)

千代:すんまへん。うち もう訳分かれへんようなってしもて…。

天晴:だんない だんない。

千代:けど…。

天晴:人生 雨のち晴れや。

(拍手)

天晴:本日は急きょ千秋楽というふがいない運びとなってしまい皆様に心よりお詫び申し上げます。それでは一座を代表いたしまして 天海一平よりひと言ご挨拶申し上げます。(小声で)はよ。

一平:また必ずここに戻ってまいります。必ず…。

(拍手)

(拍手と歓声)

客:一平!

(拍手と歓声)

客:一平!

(拍手)

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

関連記事

NHK連続テレビ小説・第103作【おちょやん】のネタバレあらすじと各回の全セリフ、そしてキャスト紹介を最終回まで書き続けています。朝ドラ【おちょやん】は女優・浪花千栄子さんをモデルに、その生涯を再構成してフィクションとして作られたド[…]