【おちょやん】セリフ書き出し第4週16話|18になった千代の身売りを企むテルヲ

朝ドラ【おちょやん】第4週16話、芝居茶屋「岡安」で奉公して8年が経ち、数えで18歳になった千代はこのまま「岡安」で働くつもりだったが…。

夜逃げして行方不明だったテルヲが突然「岡安」にやってきて一緒に暮らそうと言い出した。

それに対して「岡安」のご寮人さんに恩返ししたいからここに残ると言う千代に、また来るというテルヲ。実はまだ借金があり、千代を身売りすることを企むテルヲであったが、それをたまたま聞いていた一平が明日、そのことを千代に伝えるはずです。

【おちょやん】第4週16話セリフ書き出し

●岡安・玄関

千代:じき開けますよって。

(戸をたたく音)

テルヲ:すんません。あの竹井いうもんやけど ここの奉公人に…。千代け? お前 相変わらず 背ぇ 小こいのう。ハハハハ! 元気そうで何よりや。おお。

それは実に8年ぶりの親子の再会でした。

テルヲ:うれしいて言葉も出やぃんけ。ほうけほうけ。ハハハハハ!

千代:この あほんだら!借金こしらえて夜逃げなんかしくなって 今までどこでどねしとったんや! 

テルヲ:いや それはやな…。

千代:何で借金したんや! もう返したん? 今どこにおんねんな。ヨシヲはどねしてんの?学校行けたん!?

富士子:千代? 千代!

千代:あの人は? 赤ちゃんは? 男の子?女の子?何で!? 何でうちに何も言わんとおれぃんようになったんや!

●岡安・客間

テルヲ:あ~おおけに。おおけに。可愛らしいなあ。ほんまに可愛らし。千代の昔の時…。

千代:いきなり何にに来たん?

テルヲ:迎えに来たんや。一緒に去の。いや~栗子な 子供連れて出てってまいよった。

千代:うち あの人のせいで家 追い出されたんやで。

テルヲ:ほんま ひどい女やったわ。もう お父ちゃん おもっくそ だまされとった。

千代:何を今なって!

テルヲ:今なな ヨシヲと2人やねん。あいつもやっとこさ働きだしおってな 借金も片づいた。おまんの働き口も段取りしたさけ また昔みたいに一緒に暮らそ。ご寮人さん どねですやろ。

シズ:年明けて 千代も数えで18になりました。18になったら年季明けいうのが岡安の決まりだす。千代がそうしたいのやったら わてがどうこう言うことやあれしまへん。

先週も言いましたけど 年季明けいうのは奉公する期間が終わるいうことです。

千代:うち 去ねへんよ。

テルヲ:去ねぃんて どねするねんな。

千代:ここまま岡安で働かしてもらおて決めたんや。うちはご寮人さんや岡安の皆さんに恩返ししたいんだす。今のうちがあんのは 皆さんのおかげだすさかい。

テルヲ:われ あれけ 昔のこと まだ恨んどんのけ。

千代:恨んでる。一生 許したれへん。

テルヲ:決まりや! なあ! ほんなら千代 また4~5日したら迎えに来るさけ 用意しとくんやど。

●道頓堀・街中

テルヲ:何や 千代…偉そうに。「うちは去ねへん」て。何ぬかしとる コラ。

千之助:痛いのう!

テルヲ:何や コラ われ! どこ見さらしとんねん!

千之助:何や。死ぬまで笑わしたろか コラ。

テルヲ:なっ…。

天晴:千さん 怖がらしたらあかん。

徳利:そうですがな。

漆原:千さん ケンカ吹っかけんといてや。

千之助:ちゃうがな。わしはただ笑かす言うただけやないか。

一平:不気味やねん…顔が。喜劇役者が怖がらして どないしますのん。

千之助:芝居の腕上げてから ぬかさんかい。おやじの名ぁ継ぐてか?笑かしよんなあ。

天晴:はいはい はいはい! ほら 皆さんにご挨拶しまっせ。千さん!千さん!

(ほら貝の音)

徳利:道頓堀の皆々様!

皆さん覚えてはりますか?この人たちは天海天海一座の役者さんたちです。2年ぶりにここ道頓堀で芝居を打つことになり 巡業から戻ってきたんです。あの時 お父さんを亡くした一平君。えらい男前になりました。

●鶴亀座

支配人:皆様 開場までもう少しだけお待ちくださいませ~。

(拍手と歓声)

万太郎:もう腹が減ってヨトヨタのヘロヘロじゃ。その弁当 ちょっとくれ!

客:おっちゃん 弁当あげえな。

万太郎:ケチ~!

(笑い声)

●岡安

シズ:皆さん ご苦労はんだした。ボンやん お戻りやす。

一平:ただいま。

徳利:何もあれへんのかよ!

漆原:何や お前。

一平君は道頓堀に来るたんび 岡安に居候しておりました。

みつえ:一平君 お帰り! あんな面白い本があってん。一平君絶対気に入るわ。後で見に来て。それからな…。

宗助:みつえ 着きはった早々 そないせっついたらあかん。

みつえ:すんまへん。

(笑い声)

●岡安・客間

千代:天晴さんは辛口の燗。ほんで徳利さんはおビール。

徳利:千代ちゃん よう覚えてんなあ。

千代:そら忘れられしまへん。徳利やのにビール好きて。

天晴:ほんまやで。徳利名乗るやったら酒飲め。

徳利:そういう天晴さんこそ 天晴やのに雨男て どないですねんな。

天晴:誰が雨男やねん。

徳利:酔うたらいつも言うてはりますやん。生まれた日ぃ雨 初舞台も雨 婚礼の日ぃ雨 嫁はんと別れた日ぃ台風。ハハハ!どしゃ降りの人生ですやんか!

天晴:やかましわ もう! ほれほれ ほれほれ。

千代:ああ~! まあまあまあ!

徳利:混じったやないですか! 何をしはんのや もう。

天晴:飲めや。

千代:替えさしてもらいます。

徳利:替えて替えて。

節子:千之助さん 何かあったんだすか?

要二郎:先前な 鶴亀の熊田はんに言われたんや。

回想・熊田:我が鶴亀株式会社社長 大山鶴蔵からのお言葉です。「須賀廼家万太郎一座には鶴亀座にて連日満員札止めを頂いております。久方ぶりの天海天海一座にも えびす座での奮闘を期待します。ただし客入りの具合によっては中日で千秋楽とすることもありうる」。

千之助:芝居はわしの方が上じゃ…。

要二郎:あかん。

千代:どないしたんだす?

千之助:おい おちょやん…。

千代:へえ。

千之助:お前に喜劇の何が分かるっちゅうねん。ああ?

千代:うち 何も言うてしまへん。

千之助:喜劇っちゅうのはな 喜劇っちゅうのは…。

徳利:千さん 水。

千之助:須賀廼家万太郎が なんぼのもんじゃ! 

徳利:千さん 千さん!

天晴:落ち着いてください 千さん!

千之助:おう 一平 お前や。大体 お前がやな…。

徳利:ちゃうちゃうちゃう!徳利! 徳利!

千之助:誰や! おい!

徳利:千さん ちょっと…。

<<(騒ぐ声)

一平:あっ…。

ハナ:だいぶ荒れてはりますな。

一平:どこ行っても万太郎の方が面白いて。ほんで千さん ずっとあの調子や。

ハナ:そら しゃあないわ。今の万太郎一座と肩並べんのは そうたやすいこっちゃあれへん。ボンやん。ええかげん 性根入れ替えんと一生 2代目天海天海なんかなられしまへんで。

千代:また芸子遊び?

一平:あ~…何や 千代か。脅かすな。

千代:ご寮人さんからあんたのこと見張っとき言われてるさかい。

一平:雛乃と夕鷺が 俺待ってんねん。

千代:明日から興行やん。せえだい気張ってはよ天海天海の名ぁ継がなあかんのとちゃうの?万太郎一座に勝ちたいのやろ?

一平:あほらし。勝てるはずあれへんやん。それより聞いたで。お前のお父ちゃん 迎えに来たらしいな。

千代:え…。

一平:それでか。

千代:何?

一平:先前 何や うれしそうやったさかい。

千代:悔しいわ。さんざん恨んでやっと忘れてここで生きていくて決めた途端やのに。また一緒に暮らそ言われたらうれしかった。うちもあほや。この8年は何やったんや。こないに悔しいことあれへん。おいとま貰たら 里帰りしたろかな思てんねん。弟にも会いたいし。

一平:ええやん。俺のお父ちゃんが迎えに来るのは あの世に行く時やさかいなあ。

千代:何やの それ。

一平:それまで悔いの残らんよう やりたいことやっとかな。ほな 行てくるわ。

千代:あっ ちょ…。ちょっ…。

回想:ヨシヲ:姉やん。はよ戻うてきてや。

●居酒屋・水月

女将:気を付けて。また来てや。

テルヲ:思てたとおり 器量のええ子になっとった。うん。あねやったら どこへ出しても恥ずかしないど。

赤松:その自慢の娘から家には帰らんて言われたんやろが。

青田:おんどれ どねしくさんねん。娘の身ぃ売り飛ばさな われの借金どねもこねもならぃんで。

テルヲ:大事あれぃん 大事あれぃんて。明日は絶対 千代に話つけて身売りでも何でもさすさけ。奥の手ぇあんねん。

赤松:そうけ。ほな頑張り。われのためにもな。

テルヲ:酒 くれるか。

女将:へえ。

雛乃:どはいしはったん?

一平:いや 何でもあれへん。

●岡安・客間

富士子:今まで よう頑張った。

節子:何で辞めんの?あんたがいてへんようになったら えらい寂しいやんか…。

(泣き声)

千代:ちょっこと待ってくれやす。辞めるて 誰がだす?

節子:そら あんたに決まって…えっ?

かめ:あれ?

●えびず座

富士子:おかめさんの早合点 えらい広まってんな。

節子:うちの涙も返してほしいわ。

けど おかげさんでよう分かりました。皆さんがうちのこと どんだけ大好きなんか。

富士子:てんご言うただけや。

節子:せや 冗談や 冗談や。

椿:おちょやん。故郷帰るんやてな。この先 あんたのほげた聞かんかて済む思たら清々するわ。

(笑い声)

千代:それ ただの噂だす。

3人:えっ!

●えびず座前

千代:ご苦労はんだす。

ご苦労はんだす。

ごめんやっしゃ!

テルヲ:千代。ちょっとええか。

千代:お父ちゃん…。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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