【おちょやん】セリフ書き出し第22週110話|うちとほんまの親子になれへんか?あんたを養子にしたいねん。

朝ドラ【おちょやん】第22週「うちの大切な家族だす」110話、「お父さんはお人好し」の1時間特別版の放送当日。

放送開始直前ににようやく最終原稿が届く。入院していた長澤が自ら持ってきたのだった。
第30話の1時間特別版、そのタイトルは「1ダースのおかえりなさい」。

道頓堀の「岡福」、京都の栗子の家、千代に関係する人々が戦争未亡人に焦点を当てた話に息を飲み…。

結果、この週のNHK放送番組の中で聴取率が1位となり祝杯を挙げるスタッフと出演者たち。

「お父さんはお人好し」はそれから10年以上続く長寿番組として誰からも愛される千代の代表作に。

そして、しばらくして栗子がこの世を去り、

なあ 春ちゃん。あんな…うちとほんまの親子になれへんか?あんたを養子にしたいねん。形なんか関係あれへんかも分かれへんけど うちはきちんと春ちゃんの…春子のお母さんになりたい。

【おちょやん】も残り5話だけ。心して見届けたいものです。

【おちょやん】セリフ書き出し第22週110話

千代:血がつながっていようといまいと そないなことどないでもよろしいのや。春ちゃんはもう うちの大切な家族だす。一生 うちが守る。栗子さんもそうやで。

●NHK大阪中央放送局・会議室

(ドアが開く音)

長澤:皆さん ご心配をおかけして申し訳ない。

千代:長澤先生 退院しはったんだすか?

長澤:最後の原稿は自分で渡したかったんで。フフフ…。

長澤:あとは頼みます。

千代:はい。

当郎:先生 大変な中 ご苦労さんでした。ええ話ですやんか。これからずっと盲腸で書きはったらどないです?

長澤:ほんまやな。もう取ってしもたわ。

当郎:ハハッ もったいな!

長澤:痛い痛い痛い…笑わしなはんな。

当郎:病院に残ってへんやろか。

●NHK大阪中央放送局・収録スタジオ

桜庭:間もなく本番です。

●京都・栗子の家

春子:何してんの?

栗子:千代おばちゃんのお父さんとお母さんや。今日はみんなで聴こ思てな。

(針の秒針の音)

●NHK大阪中央放送局・収録スタジオ

富岡:キュー!

林田:連続ラジオドラマ「お父さんはお人好し」。第30話「1ダースのおかえりなさい」。

●うどん屋「岡福」

(ラジオ・林田)「今宵は1時間の拡大放送でお送りいたします。作 長澤誠 音楽 佐田博一 出演 藤森アタ五郎」。

●京都・栗子の家

「花車当郎でございます~!」。

(ラジオ・林田)「その妻 チヨ子」。

「竹井千代です」。

(ラジオ・林田)「長女 京子 中村律子」。

●NHK大阪中央放送局・収録スタジオ

林田:昭和26年 藤森家は相変わらずの大家族で賑やかな日々を送っておりました。そんなある日のこと 次女の乙子に縁談話が舞い込んできました。お相手は離婚歴のある中年のお医者様です。乙子は結婚しておりましたが 夫の為雄は兵隊で大陸に行ったきり終戦後も音信不通となっていたのでした。

乙子:お父ちゃん お母ちゃん 私 つくづく考えましてんけどな 行ってみよかいなあと思いますねん。

千代:乙ちゃん そら本気かいな?

乙子:私かて だんだん年はいくし 貰てくれはるお人なんか これから先 あれへんて思いますねん。

当郎:せやな…。世間にはお前みたいな戦争未亡人は たんといてはるよってな。

乙子:為雄さんかて 許してくれはりますやろ。

千代:そうか。乙ちゃんがそない思うねやったら お母ちゃんは何も言うことあれしまへん。
当郎:そない決めたんやったら お父ちゃん すぐにでも先方さんに連絡入れてくるよって。途中で気ぃ変わったとか言わんとってや。

乙子:言えへんて。もう決めたことやもん。

●うどん屋「岡福」

当郎「ほんまか? ほんまにほんまか?」。

千代「お父さん くどおます」。

千兵衛:いや そら再婚したらあかんやろ。旦那さんのこと待っててあげて。

香里:そんなん 乙子ちゃんがかわいそうやわ。乙子ちゃんかて独りがさみしい時もあんねんて。

寛治:分からんでもないけど…。

万歳:ぎょうさん家族いてるがな 子供も。

寛治:そうや!

香里:女としてっちゅう意味や。

(騒ぐ声)

みつえ:あ~もう…。

シズ:やかましい! 聞こえまへんがな!

宗助:し~っ!シズの言うとおりだす。皆さん 真面目に…。

シズ:旦さん!しっ!

…などと騒いでいるうちにお話はあっという間に終盤。

●NHK大阪中央放送局・収録スタジオ

為雄:お義父さん ご無沙汰しております。

乙子ちゃんの旦那さんがなんと 生きて戦地から帰ってきた場面です。

当郎:君は…誰やったかな。

千代:何言うてはりますねんな お父さん。乙子の旦那さんの為雄さんですがな。

当郎:知らん。わし 何も覚えてへん。記憶がのうなってしもたんや。

千代:ほな 昨日 買うたお酒 私が飲んでも構しまへんわな。

当郎:そらあかん。あれはわしのやな…。

千代:覚えてはりますやないか。

当郎:いや~覚えてんねやあれへん。何や そやないかなあ思てな…。

千代:もう ええかげんにしとくなはれ。

当郎:せやかてな お母ちゃん。乙子はもう別の男と結婚しようとしてんねんで。それを今となってやなあ…。

乙子:為雄さん…為雄さんやの!

為雄:乙子…。

一郎:お父ちゃん!

為雄:一郎か…こない大きなって…。

乙子:ようご無事で…。私 ずっと待ってました。

当郎:ええっ! 乙子 お前 あのお医者さんとの結婚は…。

乙子:ああ あれはもう とっくにお断りしてます。やっぱり為雄さんのことが忘れられへんよって。

当郎:何やて!?

千代:せやから 言いましたやろ。よう確かめなはれて。

当郎:いや わしはてっきり…。為雄君 よう戻ってくれくれたなあ。

為雄:お義父さん 記憶 戻りはったんですか?

当郎:こら たまらんことでござります~!

千代:もう お父さん。為雄さん ほんまに長らくご苦労さんでした。お帰りなさい。

乙子:お帰りなさい あなた。

京子:為雄さん お帰りなさい。

米太郎:義兄さん お帰りなさい。

清二:お帰りなさい。

スミ子:お帰りなさい。

熱子と豊子:お帰りなさい。

浜三:お帰りなさい。

静子:お義兄さん お帰りなさい。

沼吉:お帰りなさい。

横之助:お帰りなさい。

品子:お帰りなさい。

新子:お帰りなさい。

一郎:お帰りなさい。

為雄:ただいま。

当郎:また1人 増えてしもた。

千代:賑やかでよろしおますがな。15人も16人も一緒や。いや 17人ですわ。

富岡:キュー!

林田:連続ラジオドラマ「お父さんはお人好し」。第30話「1ダースのおかえりなさい」。ただいまの出演 藤森アタ五郎 花車当郎。妻 チヨ子 竹井千代。

●京都・栗子の家

(ラジオ・林田)「長女 京子 中村律子。次女 乙子 根岸恵子。長男 米太郎 坂本浩二」。

●うどん屋「岡福」

宗助:よかった…。

(拍手)

天晴:まさに「雨降って地固まる」やな。

●天海一平の家

回想・寛治:かっこつけんと丸裸になれや。あんたが大事したいこと 目ぇそらしたいこと 灯子のこと新平のこと千代さんのこと みんな書かんかい!

●NHK大阪中央放送局・会議室

四ノ宮:皆さん おかげさまでこの前の「お父さんはお人好し」特別番組の聴取率 今週の我がNHK放送番組の中で1位となりました!

(歓声)

富岡:乾杯!

酒井:乾杯!

桜庭:すんませ~ん。これ 竹井さんのです。

千代:えっ?

桜庭:全部 竹井さんへの激励の手紙です。チヨ子お母ちゃんへの。

当郎:よかったな お母ちゃん。

桜庭:皆さんにもたくさん届いてますんで 順番にお持ちしますね。

(歓声)

「お父さんはお人好し」は それから10年以上続く長寿番組として誰からも愛される千代ちゃんの代表作となりました。ほんまに…ほんまによかったなあ 千代ちゃん。

●京都・栗子の家

(鈴の音)

それから しばらくして栗子さんは この世を去りました。

千代:なあ 春ちゃん。あんな…うちとほんまの親子になれへんか?あんたを養子にしたいねん。形なんか関係あれへんかも分かれへんけど うちはきちんと春ちゃんの…春子のお母さんになりたい。

春子:うん ええで。せやけど… 死んだお母ちゃんとお父ちゃんのことも好きなままでええ?

千代:当たり前だす。

春子:私…お母ちゃんがいててくれて よかった。

千代:うちも春子がいててくれてうよかった。フフフ…。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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