【おちょやん】セリフ書き出し第22週108話|覚悟決めたて言うんやったらかっこつけんと丸裸になれや。

朝ドラ【おちょやん】第22週「うちの大切な家族だす」108話、ラジオドラマ「お父さんはお人好し」が人気の上々で、1時間の特別番組をすることに。喜ぶ出演者たちだったが、肝心の長澤が盲腸で入院となり、千代が見舞いへ。

その頃、道頓堀では新作が書けない一平が寛治に「次の舞台の台本 書いてくれへんか?」と泣きつき寛治が激怒。

覚悟決めたて言うんやったら かっこつけんと丸裸になれや。あんたが大事にしたいこと 目ぇそらしたいこと 灯子のこと新平のこと 千代さんのこと みんな書かんかい!

これがきっかけとなり、名作「初代桂春団治」が生まれる伏線ということで、この話は来週の最終週に展開されます。

【おちょやん】セリフ書き出し第22週108話

近所のおばさん:お母ちゃん おはようさん。

千代:おはようさんでございます。

近所のおばさん:今晩も楽しみにしてるさかい 頑張ってや お母ちゃん。

千代:行ってきます。

今や 千代ちゃんはどこへ行っても藤森家のお母ちゃんです。

●NHK大阪中央放送局・収録スタジオ

当郎:米太郎 お前 その…正代さんのこと どない思てんのや。

米太郎:どないて?

当郎:つまりやな その す…す…す… お母ちゃん あと頼むわ。

千代:何ですね もう ええ大人のくせして。米太郎 その正代さんのこと…す…す…す…。
当郎:お母ちゃんもあかんやないか!

乙子:好きなんか その正代さんのこと!

当郎:うわっ!

米太郎:えっ?

当郎:乙子 お前 盗み聞きしてたんかいな!

乙子:じれっとうて 盗み聞きもしてられへんわ。

当郎:こら たまらんことでござります~!

千代:もう はしたないって言いたいところやけど 助かりましたなあ お父さん。

当郎:うん わしらだけやったら 朝までかかるとこやったわ。

(拍手)

四ノ宮:いや~ 今日も絶好調ですね。やっぱり竹井さんを起用した判断は間違ってなかった。ねえ。ねえ。

(笑い声)

富岡:はい キュー!

●うどん屋「岡福」

(ラジオ・林田)「ご案内はアナウンサーの林田伸太郎でした」。

宗助:今日も面白かったなあ。

漆原:千代ちゃん 相変わらずええ芝居してるな。

徳利:毎週毎週 よう あないな話 作れるもんやなあ。

みつえ:感心してる場合やあれへんやろ。あんたら大丈夫なんか?

シズ:ボンやん まだ書かれしまへんのか?

天晴:そればっかりはねえ どないしてあげることもできまへんよってな。

徳利:離れてしもた客もいてるわ。まあ しゃあないんやけどな。

香里:せやさかい 自分がなんとかせなあかんて ず~っと苦しんでて…。けど何やってもうまいこといけへん時に千代がラジオに出るのが分かって…。

宗助:ますます追い詰められてしもたんやな。

●鶴亀株式会社・稽古場

(ドアが開く音)

寛治:どないしはったんですか こないな時間に。

一平:次の舞台の台本 書いてくれへんか? 頼む。もう 何書いてもな 俺やとあかんね。ここが…限界や…。この1年半 お前はほんまにたくましくなった。せやさかい お前に頼んでんのや。寛治 これからの鶴亀新喜劇をよろしゅう頼む。

寛治:ええかげんにしてください! 虫のええこと言うんやないわ。何もかんも俺に押しつけて自分一人 楽になりたいだけやないか! 

一平:違う、俺はお前らのこと 劇団のこと思て…。

寛治:何も分かってへん。自分一人で負い目背負て 苦しんでるつもりかも分かれへんけどな そういうあんたの姿見て みんな おなじように苦しんできたんや。覚悟決めたて言うんやったら かっこつけんと丸裸になれや。あんたが大事にしたいこと 目ぇそらしたいこと 灯子のこと新平のこと 千代さんのこと みんな書かんかい! それだけやって…それでもどないしてもあかんかった時は…俺が引導渡したる。

●NHK大阪中央放送局・会議室

(ドアが開く音)

酒井:皆さん お引き止めして申し訳ない。

当郎:チビらはもう帰ったで。

千代:話て何だす?

酒井:実は急で申し訳あれへんのですが次の「お父さんはお人好し」は…。1時間の特別番組になりました!

(拍手と歓声)

すごいな!

酒井:皆さんのおかげで人気も上々ですし 前から出していた1時間特別番組の企画が採用されました。

当郎:まさに こら たまらんことでござります~やな。

千代:酒井さんたちが頑張ってくれはったんだすな。おおきに。

四ノ宮:上とは 僕が話をつけましたから。

酒井:長澤先生も早速 脚本 書き始めてはります。

京子:せやけど 1時間いうたら いつもの倍ですやろ。うまいことできますやろか。

富岡:読み合わせはいつも以上に時間…。

静子:あの…。お願いがあるんですけど。

富岡:何や 静子。

静子:私の出る場面 ようけ作ってもらえませんやろか。

富岡:えっ?

静子:次は私が活躍する話にしてもらいたいんです。

当郎:どうしたんや やぶから棒に。

乙子:あんた 何勝手なこと言うてんの。

静子:今まで姉さんや兄さんたちの話ばっかりですやん。たまには私にも見せ場が欲しい。
千代:静子 何かありましたんか?

酒井:まあ どういう話にするかは 長澤先生が…。

桜庭:失礼します!

酒井:にゅう…。

●病室

長澤:乙子。「私かて だんだん年はいくし 貰うてくれはる人なんか この先 あれへんと思いますねん」。改行。アタ五郎。「せやな 世間にはお前みたいな戦争未亡人は たんといてはんねんよってな」。

(ノック)

桜庭:はい。

千代:ごめんやす。

長澤:ああ…竹井さん わざわざ来てくれはったんですか?

千代:あっ…。どないだす? お体の具合は。

長澤:ああ 大したことありません。盲腸がなんぼのもんやっちゅう話ですわ。ご心配おかけして申し訳ない。

桜庭:あっ お花 花瓶に入れてきます。

千代:おおきに。

長澤:どうぞ どうぞ。

千代:ほんまに大事あれへんのだすか?

長澤:ハハハハ…多分 台本はギリギリになる。君たちには迷惑かけることになるが許してくれ。

千代:無理しはったらあきまへん。先生にもしものことがあったら それこそ「お父さんはお人好し」はどないなってしまうか…。

長澤:おおきに。そやな。先のことは誰にも分かれへんな。あないな戦争さえなかったら どうなってたんやろなあ。少なくとも僕は こないな何気ない家族の話なんか書いてなかったと思うわ。みんな生き別れ 死に別れていまだに戦地から帰ってけえへん家族を待ち続けてる人がぎょうさんいてはる。6年たった今でもや。そんな人たちにもっぺん 顔を上げてもらいたい。これはもっともっと たくさんの人たちに「お父さんはお人好し」を聴いてもらう絶好の機会なんや。長女 藤森京子役 中村律子。10代の頃から入っていた劇団が戦争で解散してしまい 終戦後に入った今の映画会社からは いつクビを切られてもおかしない状況やった。そやけどご両親の励ましで女優を諦めへんかった。長男 藤森米太郎役 坂本浩二。父親と弟を戦争で亡くしてしまい しばらくは母親と2人暮らしをしていたが おととし結婚して今は奥さんと息子さんの4人で暮らしてる。間もなく 2人目の子が生まれる。ほかの子たりからも おんなじようにいろんな話を聞きました。もちろん芝居のうまい下手もあるけど あの子たちを選んだ一番の決め手は 今 前を向いて生きてるかどうかです。竹井さん あなたもその一人や。ちゃんと女優として今ここにいてはる。そういう力は芝居ににじみ出る。みんなを勇気づける。台本は絶対に間に合わしますから。

千代:分かりました。先生がそこまでおっしゃんねやったら うちらは頂いた台本を全力でやるだけだす。 

長澤:おおきに。

●京都・栗子の家の前

千代:静子…。あんた どないしましたんや。

●NHK大阪中央放送局・放送部文芸課

四ノ宮:むちゃですよ。そうでなくても いつもより分量多いのに。いくら長澤先生の頼みでも 脚本 間に合わなくて 放送に穴でもあけたらどうするんです。

富岡:あと6日か。さすがに ちょっと厳しいのと違うか。

四ノ宮:いや 無理ですって。

(ノック)

みよ:失礼いたします。あの 島田祥子さんのご両親がお見えです。

酒井:島田祥子…。静子さんの。どうも いつもお世話になっております。

静子の父:祥子は こちらに来てませんやろか?

酒井:いや…。

静子の母:あの子 いてへんようになってしもて。

静子の父:どうも 家出したみたいで。

酒井:家出…?

●京都・栗子の家

春子:静子ちゃん 何かしゃべってみて。

静子:何やの? 何かって。

春子:わあ ほんまにおんなじ声や。すごいわ。

千代:ただいま。

栗子:お帰り。

春子:お帰り。

千代:ちゃんと電話してきました。

静子:ほんまに言うてしもたん?

千代:当たり前だす。何が不満だしたんや。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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