【おちょやん】セリフ書き出し第21週104話|生きてさえいれば人生おもろいことが起きるんやて諦めたらあかんのやて教えてやりたい。

朝ドラ【おちょやん】第21週「竹井千代と申します」104話、役者復帰の説得のために京都・七条南商店街近くにある栗子の家を訪ねてきた長澤は、千代に対して…。

戦争で失われてしもた家族の団らんを もういっぺんこの国に取り戻したいんです。家族を亡くしてしもた たくさんの子供たちに 生きてさえいれば 人生おもろいことが起きるんやて 諦めたらあかんのやて教えてやりたい。力を貸してください 竹井さん。

朝ドラ【おちょやん】がドラマを通して最も言いたかったことが、まさにこのことだと確信です。

【おちょやん】セリフ書き出し第21週104話

●京都・栗子の家の外

当郎:お邪魔しましたな。

千代:言うときますけど 何べん来てもろても うちの返事はおんなじだす。

当郎:もう来えへんで。僕もやらなあかんこと ようけありますね。このラジオドラマ 絶対に成功さしたいんですわ。

(回想)

千代:ただいま。

当郎:お帰り。春子ちゃんも聴きたいやろ 千代おばちゃんのラジオドラマ。

春子:うん 聴きたい。

当郎:よっしゃ 決まりや!

千代:決まりやおまへん。勝手に決めんといとくなはれ。うちはもう二度とお芝居はせえへんて決めたんだす。

(回想閉じ)

当郎:あとは 千代ちゃんが決めはることや。おおきにな。今日はほんま 楽しかったですわ。

●京都・七条南商店街の屋台

当郎:先生 何してはりますのや こないなとこで。

長澤:関東煮 食べてんのやがな。

当郎:いや そら 見たら分かりますがな。あっ ひょっとして先生も竹井千代に会いに? 何や 遠慮せんと顔出してくれはったらよかったのに。何やったら 今からもっぺん…。あっ…あかんわ。僕 もう来えへんて言うてしもたわ。舌の根も乾かんうちに…まあ ええか。行きまひょ 先生。

長澤:その必要はあらへんな。

当郎:頑固やなあ。慰問団にいてた時といっこも変わってへん。

長澤:君の言うとおりや。彼女はええもん持ってる。せやけどな どないにええ役者でも 本人にやる気があれへんのやったら それまでや。誰かに無理強いされて迷いながらやったところで ええ芝居できるはずない。戦争中の私らがそやったようにな。

当郎:せやなあ。あないな思いはもう二度としたない。せやからこそ 僕は彼女のこと 諦めたないんです。大将。

大将:はい。

当郎:冷や 一杯。

大将:はい。

当郎:あと 大根と…ごぼ天もいっとこか。うん 食べたばっかりやけどな。

●京都・栗子の家

ラジオ「こんばんは『音楽のゆうべ』の時間です。今宵お送りするのはショパン作曲による楽曲の数々です。まずは『夜想曲 ノクターン第2番』をお聴きください。

♪~(『夜想曲 ノクターン第2番』)

春子:千代おばちゃん。

千代:うん?

春子:花車当郎さんて こないな字で合うてる?

千代:今日のこと書く気やの?

春子:うん。けど 私 作文嫌いやねん。

千代:何で?

春子:みんなの前で読まなあかんねんで。私 そういうの苦手やねん。緊張して絶対うまいこと読まれへん。

千代:前に仲よしの友達がいてるて言うてたやろ。

春子:ユキちゃんや。あと チカちゃんもいてる。

千代:うん。もし失敗してもな 中には笑う子もいてるかも分かれへんけど そのお友達らはきっと春ちゃんのこと 応援してくれてるはずだす。うちもそやった。みんなが助けてくれた。せやさかい だんない。あとはう~んと大きい声出して読んだら 恥ずかしいのなんて吹き飛んでしまうわ。

春子:ほんまに?

千代:うん。

春子:なあ 千代おばちゃんはもうお芝居やれへんの?

千代:そうや もうやれへん。

春子:何で? 見たかったなあ 千代おばちゃんのお芝居。

<<栗子:あないなこと言うて 堪忍やで。

千代:春ちゃんは何も悪いことあれしまへん。みんな うちの問題だす。

栗子:あんたが来てくれてから あの子もえらい明るなったわ。ほんまやったら あての顔なんか見とうもあれへんかったやろに…。ここ残ってくれて おおきにな。

千代:うちは何もしてまへん。 お芝居辞めてしもた うちにできることなんて何一つあれへん…。ただ 生きてここ いてるだけです。

栗子:さくらが…。娘夫婦が亡うなった時 あても 後 追おて思たんや。 けど…春子があったおかげで思いとどまった。ただ おってくれるだけでええ。それで十分や。芝居してへんかっても あんたはあんたや。おおきにな。

千代:こっちこそおおきに。栗子さん 体に障りますさかい はよ休んどくれやす。

●京都・栗子の家の近所

子供たち:けんけんぱ。けんけんぱ。

千代:こんにちは。

子供たち:こんにちは。

千代:こんにちは。

遠山家の奥さん:こんにちは。

千代:こんにちは。

遠山家の奥さん:ほな 行ってくるわ。

子供たち:行ってらっしゃい。

長澤:竹井千代さん?

千代:はい。

●京都・栗子の家

長澤:すいません 待ち伏せするようなまねして…。

千代:いや…まさか脚本家の先生に おいでいただけるやなんて…。せやけど うちはもう…。

長澤:分かってます。もう役者やるつもりはあらへんのですわな。

千代:はい。せやったら 何で?

長澤:後悔せえへんためです。当郎から さんざん あなたのこと聞いてきましたけど それ以上に道頓堀で聞いた あなたのことがどないしても気になってしまいましてね。

千代:道頓堀にお行きになりましたんだすか?みんなに会いはったんだすか?

長澤:あなたのこと 心配してはりました。…と同時に あなたのことを信じているて。いつかまた 役者として道頓堀に帰ってくるて。ほんまのこと言うと 僕はずっと このラジオドラマは別の女優がやった方がええと思てました。せやけど昨日 当郎とあなたのやり取りを表で聞いてしもて。あなたたちの笑い声がまるでラジオドラマのように聞こえてきて しばらくその場を離れることがでけへんかった。あれこそ 私たちが目指すものなんやて そう確信しました。戦争で失われてしもた家族の団らんを もういっぺんこの国に取り戻したいんです。家族を亡くしてしもた たくさんの子供たちに 生きてさえいれば 人生おもろいことが起きるんやて 諦めたらあかんのやて教えてやりたい。力を貸してください 竹井さん。

千代:申し訳あれしまへん。うちには無理だす。怖いんだす。つらいこと思い出してしまいそうで…。どうか堪忍しとくれやす。

長澤:分かりました。私の方こそ 勝手なこと言うて あなたを傷つけてしもたみたいやな。竹井さん。お芝居はもう つらい思い出でしかあれへんのですか? やとしたら…残念です。

(つづく)

●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。

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