朝ドラ【おちょやん】第21週「竹井千代と申します」103話、千代のことがずっと気になっていたと告白する栗子。しかも道頓堀を飛び出した千代の事情を知っているようで、ますます募る花籠の贈り主は栗子説。
そして「お父ちゃんはお人好し」の奥さん役を、大女優の箕輪悦子でなく千代にお願いしたい当郎は、千代が住む京都の栗子の家に直談判。
当郎との会話に
<何やろ…この人としゃべってたら いらんこと悩んでんのがあほらしくなってくるわ>
と感じ始め、明日は「竹井千代と申します」とNHKの挨拶すると予想して明日に続くです。
【おちょやん】セリフ書き出し第21週103話
●京都・栗子の家
千代:うちはもっと前からずっと一人やった! 誰も面倒見る人いてへんやったら奉公にでも出したらよろし。
(物音)
栗子:春子…春子…。
1年前 千代ちゃんが家を出たあの日 千代ちゃんは栗子さんと再会しました。
千代:うち なんちゅうこと…。ほんまに ひどいおばちゃんやな…。
(OP)
栗子:寝たで。だんない。何も気ぃもむことあれへん。飲まへん?
♪
栗子:あの時 あんたがいてへんようになってから テルヲさん ますますお酒と博打にのめり込むようにになってしもてな。借金取り立てる連中にも脅かされて このままやったら 生まれた子供もどないなるか分からへん。そない思た時 あてはもうあの家 飛び出してた。もう男に頼んのは真っ平やった。せやさかい お金になることやったら何でもやったわ。娘の名前な さくらていうねん。ほんまに可愛らしいて…。暮らしは楽やなかったけど あの子と一緒にいてるだけで幸せやった。けどな…。そないな気持ちになったらなるほど あんたのこと思い出してしまうねん…。さくらが大きなって所帯持った時も 孫の春子が生まれた時もそや。
千代:今のうちには あの子の面倒見るやなんてでけしまへん。もう ほっといとくれやす。
栗子:どっちみち ほか行く当てあれへんねやろ。誰か ほか 当てが見つかるまで ここ いててくれへんか。なっ。
(翌朝)
千代:どないしたん?うちに何か用?
春子:あの…あのな…。宿題教えてもらわれへん?
千代:うちに分かるやろか。栗子おばあちゃんに教えてもらい。
春子:おばあちゃん 字ぃ読まれへんもん。学校行ってへんねんて。
♪~(三味線)
<思い出した…。昔 家に来た時 あの人 三味線以外 ほとんど荷物持ってへんかったな>
回想・栗子:「松のかげ」「はい 今晩は」。
<あの時はそこまで気ぃ回れへんかったけど…栗子さんも うちとおんなじような身の上やったんかも分かれへんな>
千代:宿題 一緒にやろか。
♪
春子:これ 何やろか?
千代:これ 何やろ?
春子:ほな こっちは?
千代:これは…。これ 何やろ? ほな…ほな これ何?
こないして 行く場のなかった千代ちゃんは 栗子さんたちと一緒に暮らすようになったのでした。
千代:フフフ…。どないしようか。
♪
千代:栗子さん 春ちゃん ごはんやで。
<<春子:は~い。
●NHK大阪中央放送局・放送部文芸課
富岡:そうですか 竹井千代は引退してたんですか。
酒井:これで当郎さんも箕輪悦子でいくこと 納得してくれはるやろ。
桜庭:ほな 失礼します。
(受話器を置く音)
酒井:桜庭。竹井千代さんのこと 当郎さんと長澤先生にお知らせしといたやろな。
桜庭:はい。それで今日 当郎さん 来られへんそうです。
酒井:何で?
桜庭:さあ?
富岡:へそ曲げたんと違うか?
酒井:お前 ちゃんと説明したんやろな。
桜庭:しましたよ。どこ住んではるかも言いました。
酒井:それはええねん。
●京都・栗子の家
当郎:こら たまらんことでござります~。
春子:それ 映画で見ました。
当郎:ああ ほんま?
千代:ただいま。
当郎:お帰り。
春子:お帰り。
●NHK大阪中央放送局・放送部文芸課
富岡:まあ 今日のところは長澤先生に相談して 当郎さんはちょっと落ち着いてから説得するしかあれへんな。
桜庭:あっ ついさっき連絡あって 長澤先生も今日来られへんそうです。
酒井:はあっ!?
桜庭:それで 先生にもどこ住んではるか聞かれました。
酒井:せやから それはええねん。
●京都・栗子の家
当郎:久しぶりやなあ。僕のこと 覚えてくれてはる?
千代:花車さん…。
当郎:せや! いや~覚えててくれて うれしいわ。あっ それと 当郎でええで。知らん仲やあれへんのやし。
春子:千代おばちゃん 花車当郎さんと知り合いやったん?すごいなあ。
当郎:すごいんやで 千代おばちゃんは。道頓堀で人気の女優さんやったんやから。なあ お母ちゃん。
栗子:誰がお母ちゃんやて?
春子:ほんまに女優さんやったん?
千代:前はな。
春子:すごいやんか。何で教えてくれへんかったん?
当郎:何やいなあ えらいことやったみたいですなあ。けど 僕が来たからにはもう大丈夫や。
<何がどない大丈夫やの>
千代:あの花車さん 今日はどないしはったんだすか?
当郎:それやそれ。竹井千代さん どうか この僕と夫婦になってください!
<<当郎:ほんまにやあれへんで。
当郎:ラジオドラマでの話やがな。ラジオドラマでの話やがな。
千代:何やそれ 先 言うとくなはれ。
当郎:ハハッ 堪忍なあ がっかりさしてしもて。
千代:してしまへんけど。
春子:千代おばちゃん ラジオドラマ出んの?
千代:出えしまへん。この前 来はった人にもはっきりお断りしたはずだすけどな。
当郎:役者 引退したんやってな。
千代:そうだす。
当郎:全然知らんかったわ。僕の周りも誰も知らん言うて。それ こないだの2人以外に 誰かに言うてはりますの?
千代:誰かて…自分で決めただけだすけど…。
当郎:ほな 引退してへんのと一緒やがな。問題あれへんて。なあ お母ちゃん。
栗子:せやなあ…。誰がお母ちゃんねねんな さっきから。
当郎:春子ちゃんも聴きたいやろ 千代おばちゃんのラジオドラマ。
春子:うん 聴きたい。
当郎:よっしゃ 決まりや!
千代:決まりやおまへん。勝手に決めんといとくはなれ。うちは二度とお芝居はせえへんて決めたんだす。あない つらい思いすんのはごめんだす。どうぞお引き取りを。
当郎:まあ そないなこともあるわな。僕もな 昔 漫才してた時 突然おなか痛なってしもてな。出番終わって急いで便所に駆け込んだんやけど あと一歩のところで間に合えへんかったんや。出番前に食べたおいなりさん あれがあかんかったんやろなあ。
千代:何の話だす?
当郎:舞台でのつらかった思い出や。誰にでも1つや2つ ありますねん。僕もあないな思いはもう二度としたない。まさにウンの悪い話やったわ。
春子:フフフ…。当郎さん…お漏らししたん?
当郎:はっきり言わんとって!
栗子:汚いなあ。
千代:そない しょうもない話とうちの話を一緒にせんといとくなはれ。もう ほんま腹立つわ。
当郎:怒ってんのか笑てんのか どっちや。
千代:どっちゃでもあれしまへん。あほらしゅうて泣いてますのや。
当郎:はあ~さすが喜劇女優さんや。笑たり泣いたり 忙しいこっちゃなあ。
千代:せやさかい 喜劇女優やあれしまへんて言うてますやろ。
当郎:よっしゃ 分かった。ほな 多数決で決めよか。
千代:はっ?
当郎:今は日本は民主主義やよってな。
千代:はっ?
当郎:竹井千代さんに女優に復帰してもらいたい人! は~い!
春子:は~い!
当郎:何や お母ちゃんは反対か?
栗子:どっちゃでもええわ。
当郎:ほな 2対1で女優復帰 決定や! うん!
(拍手)
千代:何で赤の他人のあんさんに こない大事なこと決められなあきまへんのや。
当郎:ああ 確かにせやなあ。ほんなら いっそのこと僕ら ほんまの夫婦になってしましまひょか。
千代:てんご言わんといとくなはれ。あんさんみらいに口の減らんお人 絶対お断りだす。
当郎:似た者同士でお似合いやで。
千代:どこがだす。
当郎:はあ~口は減らんけど 腹は減りましたな。晩ごはん まだでござりますか?
千代:ええかげんにしとくなはれ。
当郎:あそこにちょっとな…。
千代:えっ?
当郎:おいしそうなん ありますけども あれ。
春子:当郎さん これ食べてください。
当郎:みかん? これ 僕があげたやつやから。
<何やろ…この人としゃべってたら いらんこと悩んでんのがあほらしくなってくるわ>
当郎:あそこにありますやんか。
千代:やめとくなはれ。
春子:千代おばちゃんも これ。
当郎:ごはん もらえます?
春子:千代おばちゃんの。
千代:おおきに。
当郎:あとは よそうだけ。
(つづく)
●このセリフ書き出しは、聴覚に障がいのある方や日本語を勉強されている方々等の要望に基づいて行っております。
●字幕を追って書いておりますが100%完全ではありませんので、どうかご容赦下さい。
●セリフに関してはその著作権等、一切の権利はNHKさんにあります。
NHK連続テレビ小説・第103作【おちょやん】のネタバレあらすじと各回の全セリフ、そしてキャスト紹介を最終回まで書き続けています。朝ドラ【おちょやん】は女優・浪花千栄子さんをモデルに、その生涯を再構成してフィクションとして作られたド[…]